本が出来るまで~ディディの努力~
ディディは朝起きるとまず川近くに立てられた紙作業小屋へ行き、紙作り専用の窯に火を入れる。っていってもハナが寝ず晩で火をくべている囲炉裏の火種を持って来るだけなんだが。
窯の上に土鍋を置き、土鍋の中に木灰の上澄みと外皮を剥いた木の皮を入れて煮込む。木の皮はレビルさんが伐採して剥ぎ取った皮が大量にあるので、それを拝借している。現在、木の皮専用の倉庫があるくらい大量にあるのだ。
あと、土器な。作れるようになったんだよ。ルルの作った釉薬のお陰でなんとか割れずに作れるようになったんだ。今では野焼きじゃなく、土器専用の窯をレビルさんに作ってもらった。
朝食後、ディディは紙作業用の小屋へ行く。鍋の火加減をみつつ、木の皮の外皮剥き。
煮込んでいた木の皮を取り出し、交代に剥きたての木の皮を入れて煮込む。
取り出した木の皮は川につけ、余計な汚れを取り除く。そのあと、大きな板に川にさらした木の皮を細かく切り、こん棒でひたすら軟らかくなるまで叩いていく。
昼食後、繊維が粉々になった木の皮だったものを水の入った大きな樽に入れる。そこに『アオイ』という草の根を摺って入れる。そうすることで繊維が粘性をもつらしい。
樽の中をしっかりまぜ、柄杓でその樽の中の水をすくい、木箱に入れる。A4くらいで底板が細かい竹製簾がひいてある木箱だ。木箱と樽はレビルさん、竹簾は俺作。
それを乾燥させると和紙が完成する。一枚の紙が出来る上がるまでだいたい5日。
この作業を飽きもせず毎日毎日、ディディは繰り返す。最初のうちは手間取っていたが、今では小慣れてきたようだ。
紙製作の合間を縫って、墨作りや木灰の上澄み作りもしている。墨の材料は膠と煤を混ぜて、上澄みは囲炉裏の灰を浸けた水だ。
煤も灰もただのゴミだと思っていたのに、本当に様々な利用法があるのだと、驚く。昔の人の知識に頭が下がるよ。
とまあ、こんな感じで作り始めた紙。今では100枚ほどたまっている。是非とも色々な種類を作って、ゆくゆくはトイレットペーパーを作ってもらいたい。
「クククククッ。大事な紙を、汚物まみれにするとは、人間の発想はなんて愚かなのだ。」
と、夕食後に正座させられ説教を受けたこと、俺は忘れない。
灰ってすごい




