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孤島奮起  作者: つふら
風の魔王があらわれた
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蝋燭と皿



男同士の妄想語りをした後、悶々と悩みながら地面を見つめているレビルさんを置き、俺は拠点に戻ってきた。


ルルは何かを煮込んだり、よく分からない草をちぎっている。


「ルルの国ではどうやって灯りを確保していたんだ?」


「灯り?蝋燭よ。」


「蝋燭ってどう作るの?」


「ちゃんとした蝋燭の作り方はわからないわ。町で買っていたから。。」


「ちゃんとしてない蝋燭って何?」


「はぁ?今使ってるじゃない。金属の筒に入れて。あれ、蝋燭よ。」


「そうだったんだ。ただの鹿と猪の脂肪だと思ってた。臭いし。」


「鹿油と猪油と灰と香草を混ぜて作る蝋燭よ。そのまま脂肪だけ燃やしたら臭くて眠れないわよ。タケル、試してみる?」


「あ、結構です。」


ここにきた最初の晩、俺はサバイバルセットのミニ懐中電灯を使おうとしたが使えなかった。電池は酸化。使用不可能。それで当初はスマホを光源としていた。その後、シーチキン缶の油を利用し、今に至る。


「ルルが脂肪から油を取り出すの横で見てるだけでも胸焼けしそうな臭いなのに。・・・でも、大変なんだな。蝋燭一つ作るのも。」


スーパーに行けば何でも買えるから、物を作るってのがこんなに手間暇かかるとは、本当に知らなかった。


「108円で買えるっって凄いんだな。」


「え、何?」


「何でもないよ、ただの独り言。」


少し『あの世界(にほん)』を思い出してしまった。


「で、話を戻すけど、その蝋燭ってどうやって家のなかに置いてたの?」


「軸糸を入れた蝋を太い棒状に固めた物を、皿の上にたててたのよ。」


やっぱり竹じゃなくて皿の上か。よく、法事の時にみた。


「じゃあ、皿の作り方ってわかる?」


「えー、作り方はわかるけど。」


「俺にも作れそう?」


「作れるとは思うわ。ただ、皿作りに適した土がわからないのよ。」


「皿作りに適した土?その辺のじゃダメなの?」


「エルフの中でも土に特化した職人がいて、その人がどこかから持ってきた土で、村のみんなが作ってたから。ごめん、100年生ききても、1から作り方を知ろうなんて思うこともなかったから、わからないわ。」


「俺も似たようなもんだ。」


「ただ、土を乾燥させて、不純物を取り除いて、水を加えて粘土を作るのは知ってるわ。」


それすらも知らなかったよ。粘土、売ってたし。ろくろセットとか、ハンズ行けば買えたし。窯で焼いたら皿になるくらいのことは知ってるけど・・・。


あー、昔、母親にやらされたことがあったなー。夏休みの自由研究として。嫌々行ったのは覚えているが、途中工程はさっぱり覚えてない。


「そうなんだ。やってみようかな。あ、話変わるけど竹の中に油入れて固めたら、蝋燭代わりにしてなると思う?」


「やったことないけど、竹に燃え移らなきゃいけるんじゃない?村の近くにこんな大きな竹なかったから、試したこともないわ。」


「ちょっと、竹で実験してみたいんだけど、貴重な油を少しもらってもいい?」


「いいわよ。」


ルルの許可がでたので、早速竹の中に長めの軸糸(蔦とポケットティッシュを捻り巻いたもの)をいれ、温めたルル蝋燭(勝手に命名)元を流す。少し固まったら軸糸の余計な所を切り取ってみよう。


皿作りの為、適当に土を掘り集める。それをバナナの葉の上に広げ乾燥させる。


縄文土器とかもこうやって作ってたのかなぁ・・・。


ダメだ。俺には全然先人達の知識がない。きっとネットで少し調べたらすぐわかるんだろうけど、もちろん調べることなんて出来ない。


こんなことならゲームやら漫画やらライトノベルだけではなく、もっと色んなことに興味持ってればよかったと、すごく後悔してる。


でも、ルルが薬や調味料なんかを作ってくれ、レビルさんが家を作ってくれようとして頑張ってる。俺だけフラフラ悩んでも仕方ない。


蝋燭と皿、やってみようじゃないか。




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