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孤島奮起  作者: つふら
エルフがあらわれた
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細ゴリラ


最近ボスは寝付きが悪い。


昼は相変わらず魚をとったり、なんか作ったりして変わらないんだけど、夜になると横になったあと何度も寝返りしてる。


ボスが寝返りすると、僕達もつい反応しちゃうんだよ。


今夜はついに起き出してしまった。


ダイヤ兄貴も心配そうな顔をしてボスをみてる。ま、僕のほうがもっと心配してるけどね。


ここで『ボス、大丈夫ですか?』なんて態度してしまったら、ボスのことだから気にしてしまうかもしれない。


僕は寝たフリを続けたけど、エメラルドは『なんだか喉が渇いたわ』とか何とか言って、ボスの後を追っていった。


あいつ、そういうとこ、あるよな。甘えん坊なのに強がりとか。めんどくさい性格の妹だよ、全く。


エメラルドがボスのもとへ行ってすぐ、俺達じゃない臭いがした。


『ダイヤ兄貴!サファイア!』


『うん、気がついてる。皆、警戒しろ!』


ボスの元に駆け寄り、守るようにボスの前に立つ。もちろん僕が先頭、サファイアがその少し斜め後ろ。ダイヤ兄貴と、エメラルドはボスのやや前横。


徐々に近寄ってくる。


いつでもこい、僕が一番にボスを守るんだ。


暗闇から姿を表したのは細めのゴリラだった。


「え?裸に竹槍って、頭大丈夫かしら?」


なんかこの細ゴリラ、開口一番、凄いこと言った気がする。僕達はゴリラ語わからないけど、なんとなくニュアンスは伝わるんだ。


そして細ゴリラはボスの悪口のようなものを言っているみたいな気がする。だから俺達は警戒を解かない。


あ、ボス、武器置いちゃダメだ。もー、甘いんだよボスは。


「困ったわ、こちらの声は聞こえているみたいだけど、言語形態が違うのか、頭が悪いのか。」


まただ!何か言ったけど、やな感じがする。唸るよ?僕達、唸りまくるよ?


「仕方ないわ。聖霊同調するしかないわね。」


目を閉じた細ゴリラ、何か攻撃をしてくるのかも。


素早く動けるように、両踵を少し浮かし、頭を低くする。


「ふぅ、これでよし。あー、これで通じているかしら?」


ボスは何か安心したような顔をする。本当に警戒心がない。よく今までゴリラとしてやってこれたもんだよ。


『皆、ボスを守れるよう、警戒しておくように。僕とサファイア、エメラルドは常にボスの近くにいるようにしよう。ルビーはあの細ゴリラの警戒を怠るな。目を離さないで。』


ダイヤ兄貴から指示がくる。もちろん、ボスの親衛隊No.1は僕だ。


当初の予定通り、兄貴達はボスの側、僕は細ゴリラの側で朝を迎えた。警戒しながら寝るってのは疲れるんだね。あまり体が休めてない気がする。


朝の僕の仕事は海の水を組んでくること。僕にしか任されていない特別な仕事なんだ。


それと同時にあの細ゴリラの動きも監視しなくては。今日はやることがいっぱいだ。


ボスの目を盗んでコッソリ家に帰る。細ゴリラ、まだ寝てるだろう・・・いない!


匂いを嗅ぐ。


そんなに遠くへいってない、まだ新鮮な細ゴリラの匂いを掻き分けながら後を追う。



いた、あそこだ。って、猪もいる!細ゴリラが殺されてしまうかもしれない。


と、思ったその時、なんか飛んでいく武器が猪の脳天を貫いた。


すごい。


細ゴリラは一発で猪を倒してしまった。もしかしたらボス、負けちゃうかもしれない。


兄貴達、報告する。


『細ゴリラ、危険だね。ボスに危険がないように寝ずに頑張るしかないよ』


もう少し具体的なプランはないのか兄貴よ。そういうとこ、そういうとこだよ?兄貴の真面目さは嫌いじゃない、いやむしろ好きだよ?もう少しさ、柔軟で斬新なアイディアとかないかなー。精神論じゃなくてさー。


『ダイヤ兄様、流石に寝ないでというのはいざというとき、動けなくなってしまうわ。こうしませんか?午後の狩りを今日はお休みして、あの細ゴリラを見張るっていうのはどうでしょうか。』


それよそれ、エメラルド。流石、僕の妹。


『そうだよ、狩りにいくフリしてわざとボスと2匹にしてみて、怪しい行動すれば僕らが攻撃すればいーじゃん。』


どーした、サファイア、たまには獲物(ごはん)以外の話もまともに出来るんだなぁ。おにーちゃんは嬉しい。


『そうだね、交代で休みながら監視してみようか』



こうして俺達は意気揚々と午後ミッションの計画を立てていたけど、ちょっと自信がなくなった。



猪をナイフでバラバラにしていく細ゴリラを見てしまったからだ。


『僕達、4匹で攻撃しても勝てないかもね』


ダイヤ兄貴の弱気な発言。


今声に出して言ってはいけない発言ベストオブイヤー受賞決定だ。



午後、予定通り狩りをやめて監視しようとしていてけど、昨夜の疲れから僕達はいつの間にかどっぷり昼寝をしてしまっていた。


何もなかったからよかったけど、なんとなくボスの前に行くと、シュンっとなる。


「夕飯はあるから大丈夫だよ」


ぅぅぅ、ボスは本当に優しい。仕事忘れて寝てしまった親衛隊なんて、カッコ悪いや。


明日、明日こそ挽回するから。



翌朝、早くに細ゴリラが起き出した。


僕はお前から目を離さない。


ついていく。


なんだよ、細ゴリラ。なんでついていっちゃいけないんだよ。


・・・・・・、ごめん、細ゴリラ。



マーキングなら仕方ない。

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