竹筒蒸し
11:58
拠点に戻る。
「すみません、ただいま戻りました。」
「お帰りなさい。」
あぁ、いいな。お帰りなさいって言われるの。
「肉の処理、お任せしてしまってすみません。大丈夫でしたか?」
「はい、このくらいは。私の村では当たり前のことですから。」
あの大量の肉達が全て処理されていた。
そして、ルルさんから細かい部位別の処理報告を受ける。
・舌は薫製にするため、吊るして燻している。
・骨にこびりついていた肉を削ぎ落とし、集まった肉を竹筒に入れて蒸している
・骨(大)は武器や家具になる為、川に浸けて臭い落とししている
・骨(小)は出汁がとれないかと鍋で煮ている
・猪脂は焚き火の灰と混ぜてから竹筒にいれ、火を入れている
・猪の脳は竹筒に入れて蒸している
・猪赤身肉は2種類の方法で干し肉用の下処理をしている
・猪皮は鞣すので天日干しにしている
この短時間で凄まじい仕事量だ。
猪処理以外にも、薬草と香草の下処理、香辛料作成していたというから、驚きだ。 朝、ダイヤが狩った兎もキレイに皮・骨・内臓・肉と、分類されて処理されている。
俺も男の中では比較的マルチスキル派だと自負していたが、いやはやかなわない。同時作業をここまでやってのけるとは。
「凄いですね、ルルさん。俺なんか1ヶ月かかっても出来る気がしないですよ。」
「それはやり方を知っているかどうかの違いよ。知らないことを試行錯誤しながらするのと、馴染んだ動作をするのとは、全く違うもの。」
つまり、猪の脳を竹筒に入れて蒸すのは馴染んでいる動作ということですね?
声に出して聞けませんでしたが。
「100年も生きてれば、手順も作業スピードもあがるわよ。」
声に出して、再度年齢確認をする勇気が俺にはありませんでした。
今日の昼御飯は、
青パパイアの炒め物、猪削ぎ落とし肉の竹筒蒸し、猪出汁の香草スープ、猪脳の竹筒蒸し
ごめんルルさん。
猪脳の竹筒蒸し、食べるふりしてサファイアにコッソリあげてしまいました。
「プリプリして、塩気もあって美味しく出来たわ。」
と、ルルさんは仰いましたが、どーしても無理でした。
他の猪料理は本当に美味しかった。
けど、あれだけは、無理でした。
すみません、ヘタレで。




