高校
高校に入ると、早くも幸音は学校の人気者だった。
中学からの親友の春美も同じ高校に進学した。
『幸音ー!』
『幸音くーん♡』
『一緒にお昼食べよー♡』
同じ学年の女子が一気に幸音へと攻撃を始めた。
『え、え、ちょっと…』
高校に入ってから、まともに幸音と話したことがない。話したとしてもLINE内や電話だけである。
『え、文化祭男女でダンスするの?!』
花音は箸を止めて春美の目を見た。
『そうらしいよー!この学校で設置されてるホールで男女パートナーを当日までに決めて踊るの。花音は、やっぱり幸音に?』
『そりぁ…。でも、幸音人気だよね。私なんて勝ち目ないよ』
『どうかなー?幸音なら、優しいし花音に来てくれるかもよ?』
『でも…。春美は?春美はもう決めた?』
『もちろん!バスケ部の志田先輩♡もう超かっこいいの!』
『へぇ…』
『しおn』
『幸音くん一緒に帰ろー?♡』
(今日も一緒に帰れないか…)
『ごめん、今日は花音と帰る。』
『え、高橋さん…?』
雨の日の放課後。リュックに教材を入れていたら視線が一気に花音にいった。
『え…?』
『帰ろ』
『あっ……』
中学の時を思い出した。また水かけられて、蹴られて、叩かれて…『なんで高橋さんなの…』
『ほんとに。高橋さんなんてなんにもアピールしてないじゃん』
陰口が心に刺さった。
(もう…怖いよ…)
『そういうこと言うのやめろよ。なんでそんなにお前ら心汚いの?』
最後に『チッ』と舌打ちして花音の手を握って歩き出した。
生徒昇降口
『うわぁー。今日雨かぁ…。傘忘れた…』
『え…』
花音は傘立てから傘を取り出して幸音の顔を見た。
『わりぃ。入れてくんね?』
『う、うん。いいよ…』
傘をさして、幸音と相合傘をした。
『ねぇ、幸音』
『ん?』
『文化祭…』
『文化祭さ、俺のダンスのパートナーになってくれる?』
『へ!?』
『もしかして、もうパートナーいる感じ?』
『え、あ、え!?い、いないよ!私も幸音のこと誘おうと思って…でも、幸音人気だから…』
『あぁ。何回か誘われたけど全部断った(笑)俺、パートナー花音がいい。』
『え、え、え!?』
『あとさ』
『へ…?』
『花音のこと好きなんだけど』
『えええ!?え、え、え!?』
『付き合って…ください』
『ほ、ほんとに…??』
『う、うん』
幸音の耳と顔が赤く染まっていく
『私も…。私、小3のときからずっと片想いしてたんだから!』
『え!俺も小3のとき…。初恋が小3で…。』
『じゃあ、ずっと両想いだったの…?』
『そうなるな…。』
『そっ…かぁ』




