中学生 2
中学3年生の冬
花音と幸音は受験真っ只中だった。
そんな中、花音は幸音の家で勉強を教えてもらってた。
『幸音、どこ受験するんだっけ』
『○○高校。オーケストラが強いところ。』
『ふーん』
『花音は?』
『○△高校だよ。合唱部強いんだ。』
『へぇ…』
『………分かれちゃうね』
『まぁな。』
『でも、私、○○高校第2志望なんだ』
『え…?』
幸音はシャーペンを落とした。
『あれ?知らなかったっけ』
『う、うん。』
『同じ高校行きたいな』
『…………でも、第2志望なんだろ』
『まぁね。』
『もう帰ろうかなー』
時計は午後6時を指していた。
『おう、わかった。』
幸音は明日の準備をしだした。
『ねぇ、幸音。』
『ん?』
『卒業式さ、また一緒に写真撮ってくれる?』
幸音は、手を止めた。
『うん。いいよ?』
『やった!約束ね!』
花音は笑顔で幸音に言った。
高校前期発表当日
『どどどどうしよう…。封筒届いちゃった…』
『お、お、俺も…』
『お、落ち着いて開けるんだぞ2人とも…』
『そっとよ…?そっと開けてね…?』
花音と幸音の両親は心臓が飛び出そうなほど、緊張していた。
『よっしゃぁ!!第1志望合格だ!!』
幸音は飛び跳ねて喜んだ。
『あ……』
花音の手紙には『不合格』と書かれていた。
『あ、え、えっと…』
『第2志望もあるから!大丈夫よ?ね?ね?』
『あんなに勉強頑張ってたじゃないか!!第2志望は、受かるって!!』
両親と幸音の両親も励ましてくれた。
花音は自分の部屋から出てこなくなってしまった。
『花音…?』
幸音は花音の部屋をノックした。
『……えっと。花音のお母さんとお父さんが最近、花音がご飯食べてないって聞いて…。これで受験が終わったわけじゃないからさ…。』
ガチャ…
その時、扉が開いた。
『え、入るよ?』
部屋に入ると、花音はベッドの毛布にくるまっていた。
『花音…?』
『もうやだ…。』
花音は鼻声だった。たぶん、ずっと泣いてたんだろう。
『大丈夫だよ』
『大丈夫じゃないんだよ!!私は…。私はあの高校に入って合唱部に入部して大会とか大ホールとかで歌いたかった…。なのに…』
(俺は、本当に無脳だ。)
なんでこんなに人の気持ちが考えられないのか。こんな性格が幸音は嫌いだった。
『ごめん…』
『第2志望も不合格だったら…どうしよう』
『そんなことない!俺だって入れたんだから…』
『もう怖くなってきた……』
それが花音の本音だった。グスングスンと鼻をすすってる。
(あぁ、花音が泣いてる。花音が泣いてるのになんで俺は抱きしめにいけないんだろう。好きな人が泣いてる。早く抱きしめてあげなきゃ…)
幸音は近づいて毛布の上から頭を撫でた。
(違う。なんで抱きしめないんだよ。)
『ごめんな…』
幸音はポツリと呟いた。
花音は無事、第2志望の高校に合格した。
卒業式当日
『しおーん!!』
花音は幸音を探した。どこにもいない
(上履きないから校内にいるはず…)
『好きです!!違う学校に行っても幸音くんのこと好きで居続けます!!』
裏庭から幸音への告白が聞こえた。
彼女は、箱を幸音に渡している。
『ごめんなさい。俺、好きな人いるから…』
『え…あ、そうですか…。』
女の子は走って行ってしまった。
(幸音、まだ好きな人いるんだ。それは私じゃない。幸音だって男だから。恋はするよね)
『幸音!!早く!!』
校門に立てられた『卒業式』の文字を挟んで写真を撮った。




