小学生
小学4年生の秋
花音は、1年生からピアノとボイストレーニングの習い事を始めて音楽に触れていった。
それと同時に幸音も、ピアノとジュニアオーケストラのバイオリンに入部と習い事を始めた。
『幸音くんって、好きな子とかいるのー?』
掃除の時間、ほうきでゴミを掃いている幸音のもとに女の子達寄ってきた。
『好きな子?』
花音は、ほうきを動かしながらそちらに耳を傾けた。
『幸音くん、音楽もできるし、頭いいし、運動神経もいいから好きな子とかいるのかな?ってー』
『うん。好きな子いるよ』
その言葉に花音の心臓が飛び跳ねた。
(好きな子、いるんだ。)
『へぇ!やっぱり、幸音くんも好きな子いるんだー!』
それを聞いた女の子たちも目を輝かせた。
幸音は学年の中で1番モテている。女の子の間では『学年の王子様』とまであだ名がついている。
幼稚園のときと同様、小学生に上がっても花音の性格は直らなかった。
『花音!今日、一緒に帰ろー!』
『うん。いいよ』
毎週金曜日はいつも一緒に帰っている。金曜日と日曜日以外、2人とも習い事でいっぱいいっぱいだった。
『幸音くん』
教室を出ようとした、その時。クラスの女の子達が幸音を呼び止めた。
『なに?』
『なんで花音ちゃんと帰るの?』
それは女子達による嫉妬だった。
『え、幼なじみだから…。家近いし。』
『それだけ?幼なじみだからって毎回花音ちゃんと帰るの?私達とも一緒に帰ろうよ』
(私のせいで幸音が…)
『私、先に帰る!』
花音は走って教室を出た。
『ちょ、花音!!』
幸音が呼んでいる。無視したことないのに。今回は、幸音の言葉を無視してしまった。
ガチャ
『ただいまー』
『花音、おかえりー』
2回に上がってランドセルを置くと、ベッドにダイブした。
勉強机の上に入園式と卒園式の写真が立ててある。
2つの写真には幸音と花音が必ず2人並んで撮られている。
『これから先も幸音の隣にいていいのかな』
今日の放課後、幸音と女の子たちに不快な思いをさせてしまった。
卒業式当日
『幸音?』
『なに?』
『中学に行ってもよろしくね』
『は?何急に(笑)』
『別にいいじゃん!なんでも!』
『こちらこそ、よろしく』
幸音は花音の手を握って一緒に帰った




