友情の芽生え
「そういえばマイル。さっきの技ってどういう事なんだ?」
俺は寝ていたマイルに話しかける。
「さっきのはフィフスという技で、一本の矢に五十本分の矢の威力を溜め込んで発射する技だ。とても強力な技だが、矢の速度がゆっくりだから当てるのが難しいんだ」
マイルは技の説明をする
「そうなんだ。なんか最初に見た時には拍子抜けしたけど、やっぱりそんな仕組みがあったのか」
俺はマイルの技に改めて感心する。
「それならばキク殿も凄かったぞ、あの技はまさに兵器だ」
マイルが言う。
「あれは二つの技を組み合わせて使っているんだ。それであんな感じになっている」
俺は簡単に説明する。
「下位スキルが故の運用だな。下位スキルは魔力の消費が極端に少ない。それだから二つ違う技を同時に使うことが出来る。下位スキルはその柔軟性が強みだ。ただ、ノーマルスキルよりは圧倒的に威力は弱いが、キク殿の場合は技一つ一つが洗練されているから、どれもノーマルくらいには匹敵するだろう」
マイルは改めてスキルの説明をする。
「そうだよな俺は今まで下位スキルしか使った事ないけど、全然弱いと思った事ないもん」
「まあ、キク殿の場合は並のノーマルスキルでは歯がたたないだろう」
「そうだな。でも、俺もいつかノーマルスキル使ってみたいな。なんか魔力量も上がったみたいだし」
俺はマイルの自分の思っていた事を打ち明ける。
「ノーマルスキルは実のところ、取得する方法が確立されていないんだ。ある日、突然使えるようになったというパターンもあるし、それにノーマルスキルによっても異なる。だから難しいだろうね」
「そうなのか……」
俺はマイルの説明を聞いて少しがっかりする。
「まあそう落ち込む必要はない。きっと、いつかチャンスがくる。さあ、休もう。私は寝るぞ」
マイルはそう言って再び目を閉じる。
「ノーマルスキルか。俺にはいらないかもな」
俺は天井を見上げたまま寝るのだった。
そして翌朝。
「おい、起きろ二人とも、今日は朝から囚人同士の交流会だ」
昨日の兵士達が俺達の事を起こしにくる。
「交流会!?」
俺はこの場所で聞きそうにない言葉を聞いて少し戸惑う。
「さあ、こっちだ」
俺達は交流会の会場だと思われる場所に連れていかれる。
「さあ、入れ」
俺達は押されるように扉を開ける。
「なんだここ? バーがあるし、レストランまでもあるのか」
俺はその光景を見て意外な感じがしていた。
「今日はここで、お前達の仲間達と仲良くしてくれ」
兵士達はただそう言ってどこかへ行く。
「とりあえず入ってみよう」
マイルがそう言って俺達は奥に進む。
「うわ、みんな怖そうだな」
そこのいる魔物や人間は俺達の事を鋭い目つきで見る。
「みなさん初めまして、俺の名前はキクです。よろしくお願いします」
俺は緊張しながら自己紹介をする。
「お前はあの無茶をやり遂げた奴だよな」
一人のムキムキな男が近寄ってくる。
「はい…… そうです」
俺はあまりの圧に硬直する。
「お前…… 本当にすげえな」
その男は明るい感じで言ってくる。
「みんな。今日はこいつのために歓迎会だ。キクよろしく。俺はゴロンだ。ここの交流会のリーダーをやっている」
ゴロンは丁寧の説明する。
「ああ、よろしくお願いします」
俺は気持ちがぐちゃぐちゃなまま返事をする。
「そんな緊張するなって俺達仲間だろ」
ゴロンはそう言って俺を強引にどこかへ連れていく。
「さあ、彼女さんもそこで立っていないでこっちだ」
俺達はさっき見たバーに案内される。
「マスターよろしくな」
俺達はマスターと思われる男の前に座る。
「あの、今日からお世話になります。キクと申します。こっちは仲間のマイルと言います」
俺は軽く説明する。
「私はここのバーのマスターであるセリウスだ。君達のことは少し前から聞いていたよ。どうやらゴブリン村から来たらしいな」
「え? なぜそれを知っているのですか?」
「昔からの友人が居てな。そいつからも少し話を聞いていたんだよ」
「なるほど、全然ピントこないけど……。あのセリウスはここでどのくらいになるのですか?」
俺はふと思った事を聞く。
「何年かはわからないが、随分昔だな」
セリウスはガラスのコップを拭きながら言う。
「では、国王の事は分かります?」
マイルが割って入ってくる。
「国王ノーディは野蛮な奴だ。彼は昔は信念があっていい奴だった。だけどいつからか、自分の私利私欲のために奔走するようになった。まあ、それについていく国民もどうかと思うが」
マスターのセリウスは話す。
「そのノーディに会うならどうしたら良い?」
マイルは聞く。
「それは簡単だ。ライジングに勝てば良い。ただそれだけだ」
セリウスは軽々しく言う。
「なんだそれだけの事か。一瞬で倒してやるよ」
俺は調子に乗って言う。
「あれ? みんなどうした?」
今までガヤガヤしていた会場は急に静かになる。
「兄さんは自信家だね」
ゴロンが近づいてくる。
「そう。やる事は簡単だ。以前にも君と同じような事を言っていた奴が何人も居た。でもそいつらはここには居ない。簡単なはずなのだけどね」
セリウスは皮肉のように言う。
「あいつは化け物だ十年間負けなしだからな」
ゴロンは言う。
「まあ俺達は挑戦を止めるつもりは無いけどさ、兄ちゃんはいい奴だからな」
ゴロンはどこか納得いかないような顔をして言う。
「私は見てみたいとは思うけどな」
セリウスは言う。
「マスターは冷静だな。大体の結果は予想しているくせにな」
「ああ、そうだ。結果は上を見ればそれがあると言う事と同じくらい明らかだ」
セリウスは言う。
「なんだその変な言い回し。まあ、俺は全力を尽くす!」
俺は負けじと言う。
「キク殿の言う通りだ。私達はそのために来たんだ」
マイルも俺に乗っかってくる。
「まあ健闘を祈るよ」
セリウスはただ言うだけだった。
「さあ、今日はゆっくりしていってくれ、みんなもこんな感じで楽しんでいるから」
ゴロンはそう言って俺達の元を去る。
「ゴロンの言う通り俺達も少し気を抜こうか」
そうして俺達は交流会を全力で楽しむために、色々な人達と話し合う。
「ここってすごい前向きな場所なんだな」
俺は会場の様子を感じて思う。
その一方でラミルはというと、
「キク達はうまくいっているかな。とりあえず僕はタンクランドに行くか」
ラミルはカーミンに頼まれたものをやるためにタンクランドに向かうのだった。
「久しぶりだタンクランド。昔はまだ建国したばっかりだったからそんなに大きく無かったけど、最近は巨大国家になったと聞くしな」
ラミルはそんな事を思いつつ長い道のりをいく。
「そろそろかな?あっ、あそこだ」
ラミルは地面に開いた大きな穴の中に入っていく。
「この匂い、この温度感。懐かしいな」
ラミルは全身でタンクランドの雰囲気を感じる。
しかしタンクランド内は騒然としていた。
「何か来る」
「国王様どうかしたのですか?」
「ああ、マークス。なにか強力な存在がこっちへ向かって来ている」
「襲撃ですか?」
マークスは言う。
「マークスは本当に鈍感だな」
「すいません。年寄りなもので」
「相手は一人だ。私が直接出向こう」そしてタンクランドの国王はいち早くラミルの事を察知して行動する。
「へぇー確かに栄えたな。こんなに人も増えて?」
ラミルは町の様子を見ながら歩く。
そして一人の老人がラミルに当たる。
「あっすいません。どうかしましたか?」
その老人はラミルの腕を組む。
「移・星戦」
老人は静かに何かを言う。
「なんだ?」
ラミルはどこかの空間に飛ばされる。
「よくやったマークス。さてここには何をしに来たのですか?まさか略奪ではないでしょうね」
「お前は誰だ?」
「私はタンクランドの国王ミスティアです」
「まさか国王か!?」
ラミルは突然の出来事の驚愕するのだった。
色々な地名が出て来ていますけど、いい名前が思いつかないです。
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