努力の証
コマチ達は訓練所の運営に戻り、訓練生の指導をしていた。
「今日からは、また実践型の訓練の再会だ。そして今回の訓練でいい成績を残した上位九人には、次から三魔獣討伐に向かってもらう」
コマチが訓練生に向かって言う。
それを聞いていたベナエルは表情が真剣になる。
「私は国の使いでここに来たんだ。絶対に入ってみせる」
ベナエルは固い決意をして訓練に臨む。
「まずは、基本的な剣撃の科目だ。一人ずつイワタと練習をしてもらう。そしてその評価をしてAランク以上であったら、とりあえず合格だ。それでは早速始めるぞ」
訓練生達は一人ずつ列になって自分達の順番を待つ。
「全然ダメだ。Cランク!」
イワタは容赦ない評価を下していく。
「次は私の番か。頑張るぞ!」
ベナエルは再び気合を入れる。
「ベナエルよ。あなたはよく練習を頑張っていた。期待しているぞ。では始め!」
ベナエルはゆっくりと構える。
「なるほど、攻撃の瞬間を読まれせないようにする手か。なかなかやるな」
イワタはベナエルの技術に感心する。
「ここだ!」
ベナエルはイワタに攻撃を打ち込む。
「カンっ」
イワタは簡単に弾く。
「隙があるぞ!」
イワタはベナエルを攻める。
「くっ、危なかった。予測は出来ていたが、反応速度はまだまだだ」
ベナエルはすぐに自己分析をする。
「次の攻撃で最後だ。私はこれで全力を出す」
ベナエルは再びイワタに打ち込む。
ベナエルの攻撃は簡単に弾き返されるが、その反動を利用して本命の攻撃をイワタに当てる。
「やった。上手くいった」
「ベナエルよ。今のは見事だ。私は完全に策にはまったようだ。ということで合格だ」
イワタはベナエルに向かって言う。
「ありがとうございます」
ベナエルは嬉しそうな表情をして戻っていく。
「お前が攻撃を受けるなんて珍しいな」
コマチは言う。
「本当に驚きましたよ。あそこまで洗練されているとは。ただ少し粗い所はありますけど」
「お前は本当に部下思いなんだなイワタ」
そうして最初の剣術の訓練は終わる。
「よし、みんな良くやった。次は魔法やスキルによる戦いの訓練だ。みんなにはあらかじめ下位スキルを覚えてもらっている。今回はその中でも火と水を使ってこのエクリプス一頭を倒して欲しい。今回は倒せたら合格だ。それでは始めよう」
そうして、訓練が始まる。
訓練生達はエクリプスに挑んで行くが、ほとんどが傷すらつけられない。
「コマチ様。急にエクリプスは厳し過ぎましたかね」
イワタが様子を見て言う。
「まあ、実戦はこれよりも大変だから、このエクリプスくらい倒してもらわないと連れて行けないよ」
コマチが言う。
「そうですね。合格者がいる事を願いましょう」
そうしてベナエルの番がやって来る。
「ここまで合格者は無し、今まで一番高い壁だ」
ベナエルは少し不安に駆られながらも精神を研ぎ澄ます。
「よしっ、行くぞ!」
ベナエルは自分の順番になったので早速向かう。
「始め!」
そうイワタが合図をする。
「発動!反射水面波」
ベナエルは自分の分身を作る。
ベナエルを見ていた訓練生達はその技に驚く。
「反射水面波を使うとは、大したものだ」
コマチはベナエルの姿を見て言う。
「これは期待出来そうですね」
イワタは言う。
「そして、これで攻撃だ! 加速殴打!」
ベナエルは何体もの分身と共にエクリプスに攻撃をする。
すごい数の打撃がエクリプスに当たる。
「これでいけるだろう」
ベナエルがそう思った時だった。
「ピーン」
エクリプスの攻撃が始まる。
「まずい、精神攻撃を受けてしまった」
ベナエルは少し焦る。
「バンっ」
ベナエルはエクリプスの攻撃によって吹き飛ばされる。
「やはり厳しいかもな」
ベナエルの様子を見ていたコマチが言う。
「くそっ、良いところだったのに。でも、こんな所で終わっていられない。私には故郷がかかっているんだ」
ベナエルは再び立ち上がり目を閉じる。
「感覚を際立たせるんだ。次の一撃で仕留める」
ベナエルは精神統一する。
「ここだ! ライド・メインストリーム!」
ベナエルは目を閉じたまま一直線にエクリプスに攻撃をする。
「バタンっ」
エクリプスはその場に倒れる。
「パチパチ」
周りからは拍手が巻き起こる。
「やったか。ついに合格者が出たんだ」
コマチはベナエルを見つめる。
「勝ったのか……」
ベナエルは歓声を聞いて少しずつ目を開ける。
「うわっ、これはイワタ様」
ベナエルの前にはイワタが立っていた。
「ベナエルよ良くやった。もちろん合格だ」
そう言ってイワタは去っていく。
「ついにやったのか……」
ベナエルは達成感に浸る。
そして、全ての訓練が終わり、残ったのはベナエルとナイロ王国の兵士数人と個人参加の兵士だった。
「まあこれくらいで丁度良いだろう。みんな明日からついに三魔獣を狩りに行く。最終的には君達に一人でも倒せるようになってもらいたい。だからいち早く学んで、素早く一人前になれるように頑張ってくれ。それでは明日のためにみんな今日はゆっくり休んでくれ。お疲れ様」
コマチはベナエル達を帰す。
「次からはいよいよ三魔獣ですね。ワクワクします」
イワタは楽しそうな表情で言う。
「明日もよろしくなイワタ」
「はいっ、お任せください」
そうして訓練所の運営は順調に進んで行くのだった。
一方でラミルは。
「さて、カーミンの対応はどうしようかな?」
ラミルは悩んでいた。
「それに、ミランはどこに行ったんだ? まあイエローブリッジに行く前からあいつの事は知ってはいたが、あいつの後ろに誰がいるのかは分からない。いずれにしても警戒しておくべきだな」
そしてラミルはカーミンに会いに行く準備を終え、ナイロ王国へと行く。
その道中、
「さっ」
ラミルの周りを何者かが動き回る。
「おいっ、そこに居るのは分かっている。正体を明かすんだ」
ラミルがそう言うと一人の女が出て来る。
「さすが、魔王ラミル様。わざわざ空間防御を解いていただいきありがとうございます」
女はラミルに礼を言う。
「何の用だ?」
ラミルは言う。
「一つ聞きたい事があるだけですよ。私の名はキラスといいます。どうぞよろしくおねがいします」
「自己紹介どうも。それで聞きたい事って何なんだ?」
ラミルは聞く。
「あなたの相方である人間の事ですよ。あの人間は強大な力を持っている。だからその調査をしている所なんです」
キラスは説明をする。
「キクのことか。キクは普通の人間だ。ただ成長が早いというだけだ」
「なるほどそういう事なのですね。でも、まだ隠している事もありますね。いや別に隠してるのが悪いわけじゃないです。誰でも秘密はありますからね。それでは私が直接聞きに行きますので」
そう言ってキラスはラミルの元を去ろうとする。
「シュン」
ラミルはキラスの前に瞬間移動する。
「残念だが、それは控えてもらいたい。彼は今、仕事で忙しんだ。もし従えないのなら……」
ラミルは戦闘体制に入ろうとする。
「ここで喧嘩ですか……。でもやめておいた方が良いですよ。私とても強いので。まあ、今回はあなたの言う通り私はキクという方には何もしません。それでは」
そう言ってキラスは音も出さずに消える。
「魔王になった僕でも確かにあいつの言う通り勝てないだろう。最後のオーラが凄まじいものだった」
ラミルはそう思いつつ何事も無かったようにナイロ王国へ向かうのだった。
そしてラミルはナイロ王国に着く。
「久しぶりだなラミル」
カーミンが出迎える。
「わざわざどうも」
ラミルが言う。
「早速こっちに来てもらおう」
カーミンはラミルを見慣れない場所に案内するのだった。
最近眠くて、全然執筆が進まないです。遅くなる時もあると思いますが、その時は眠いんだなって思ってください。
評価等の反応いただけたら、眠気ぶっ飛ぶと思います。
というのは半分冗談で半分本当です。これからも頑張って書きます。




