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影は光のあるところにしか出来ない

「やっと着いた。今日は意外と時間がかかったな」


「まあ疲れもありますし……」


 カルベロスが言う。


「もうこんな時間だから今日は解散。また明日集合という事でお休み」


 ラミルがそう言ってみんなを帰す。


「さて僕も少しやる事があるから戻るか」


 ラミルはそう言って自分の部屋に向かう。


「ラミル、僕も何か手伝う?」


 俺はラミルを気遣って言う。


「大丈夫だよ。ありがとうキク。キクはもう寝て良いから」


 ラミルはそう言って建物の中に入っていく。


「そうか…… ラミルも大変だな。僕もそろそろ戻るか。なんか色々な事があり過ぎて疲れたし」


 俺は眠い目を擦りながら部屋へ向かうのだった。


 一方でその裏では密かに計画が始まっていた。


「ミランよ。お主なぜ帰ってきた」


「ジブよ、そう怒らないでもらって。少し情報共有という事で来たんだよ」


 ミランは言う。


「なるほど、よほど面白い話を持って来たのだろうな」


 ジブは怪しい目でミランを見る。


「もちろん当たり前だよ。それより……」


 ミランが何かを言おうとした瞬間、遮るように何者かが入って来る。


「貴様ら、まだこんな所に居たのか。仕事をしろ」


「ライトス…… いつ会っても嫌な奴だ」


 ジブはため息を吐く。


「そこにいるのは役立たずのミランではないか」


 ライトスはミランである事にやっと気付く。


「お前こそ、何をしに来たんだよ」


 ミランは怒り気味に言う。


「まあ、たまに遊びに来ただけだよ。それにカラミティが死んだと聞いてね」


「嘘付きだな。ライトスは」


 急に翼を生やした女が現れる。


「獲物を逃したのだろう?」


 その女はライトスに言う。


「さすがだねキラス。君は本当に優秀だ。そうだね、キラスの言う通り、一人の小娘を私とした事が逃してしまってね。私の姿を見たものは消すつもりだったのだけど。それで手伝ってもらおうかと思ったら、ちょうど良くミランが居たのさ」


「おい、私はお前になんか手伝うつもりは……」


「バンっ」


 ミラン達が集まっていた場所が一瞬で明るくなる。


「お前達、天軸世界というのになぜこんなにも真っ暗なんだ」


「これはガッテス様。お久しぶりでございます」


 ジブが挨拶をする。


「はあー 来たよ」


 ライトスが嫌そうな顔をする。


「我が息子よ、人間の小娘一人すら探し出せないとは情けない」


 ガッテスは言う。


「父さん、探し出せないんじゃなくて、探す必要がないの。そんな下っ端がやる事やらせないでよ」


 ライトスは言う。


「なるほどな。だが時として無駄に思った事が重要だったなんて事もあるからな。それでミランよ頼めるか?」


 ガッテスはミランに言う。


「はは、承知いたしました。ガッテス様。私からも一つよろしいでしょうか」


 ミランが言う。


「うむ、どういった要件だ?」


「まず、私の調査のご報告ですが、以前のカラミティの地に新たな魔王が誕生しました」


「なに!」


 その場所に居た一同は驚く。


「そんな早くに魔王が誕生するとは……」


 キラスが呟く。


「はい、そしてその魔王がラミルというスライムです。私は少し調査として部下を派遣しましたが、奴の空間防御で幾度となく妨害されました」


「なるほど、それで」


 ガッテスはさらに深掘る。


「そして今回、なんと相手の方からやって来たのです。そして私自らが対応しましたが悔しい事に一人では手に負えず。そこで軍団を少し借りたいのです。それが私の要望です」


 ミランはガッテスに要件を言う。


「なるほどそういうことか、我らのとって奴はまだ脅威では無いが、いずれ力をつけるかもしれん。その要望を聞き入れよう」


 ガッテスは言う。


「待ってくださいガッテス様。まだ時期尚早だと私は思います」


 キラスが割り込んで来る。


「どうしてだ?」


「奴は前までは力を持たない貧弱なスライムでした。それが短期間でここまでになるとは考え難い。だとしたら奴の他に何か強力な存在がいる可能性があります。まずはその存在の正体を探った方が賢明かと」


 キラスは提案する。


「どうだミランよ」


 ガッテスはミランに最終決定を聞く。


「そうですね。冷静に考えると確かにおかしい。なにか裏があってもおかしくない。そうだ思い出した。私がイエローブリッジかた脱出する時、人間が居ました。一瞬でよく分からなかったのですがアルティメット級の技を使っていました。まあ下位スキルではありますが」


 ミランは思い出して状況を説明する。


「普通の魔物だったら有り得なくは無いが、人間が使うとなると話は別だ。人間が使えるとなると勇者くらいしか居ないからな。逆にここまで名前が出てないのは気になる。よし、分かった。とりあえずミランは小娘の件をやりつつ情報収集だ。その他も情報収集だ」


 ガッテスは仕事を命じる。


「はは、分かりましたガッテス様」


 ミランとジブとキラスは言う。


「それでは健闘を祈る」


 そしてだんだんと計画が進んでいき黒い影がラミル達に忍び寄るのだった。


 そして翌朝。


「おはようございます」


 カリスが珍しく俺を起こしに来た。


「おおカリスか。どうしたんだ?」


「キク様、集会が始まっているのでその伝言です」


「え! まじか。早く行かなきゃ」


 俺は急いで準備をして行く。


「コマチ達は再び訓練もを再開してくれ。そしてキクやっと来た。キクには前にも言ったアスアにマイルと一緒に行ってきて欲しい。残念だけど僕はカーミンとの話し合いに行かなきゃいけないから」


「うん。分かった」


 俺は元気の返事をする。


「随分と楽しそうだけど」


 ラミルが不思議に思って聞いて来る。


「だって仕事というよりかは旅みたいな感じだから楽しそうだと思って」


「そうなんだ。でもはしゃぎ過ぎないようにね」


 ラミルは言う。


「はい、分かりました」


 俺は空返事をする。


「よし、それじゃあ解散! みんな今日もよろしくね」


 そうして俺達は旅の準備を進める。


「こうやってマイルと一緒に行くのは久しぶりだな」


 俺はマイルに言う。


「最初のヒリュウ戦以来か。あの時から随分と成長したな」


 マイルはふと過去の事を振り返る。


「あの時は俺もまだ何も分かっていない状態だったのに」


「そうだな。さあ準備も終わった事だしそろそろ行くか」


「そうだね。早速行こう」


 そして俺とマイルは再び村を出る。


 そして数時間後、


「あまりこっちの方は来た事がないな」


 俺は周りの風景を見る。


「アスアは超巨大海上都市なんだ。しかし、アスアの周辺は危険な地帯で魔獣が多いんだ」


 マイルが説明する。


「海上都市か。今思ったけどこの世界って結構文明の差があるんだな」


「まあそうだな。大体人間の国は発展する傾向にあるな」


「そうなんだ」


「おいキク殿、戦闘だ。ピンタフだ」


「え!敵? どれ? あれか、あの草に擬態してるやつ。それにあんなに大勢」


 俺は魔物の多さに驚く。


「ピンタフは集団戦を得意とするんだ。キク殿は左を頼む」


「分かった。じゃあ俺も新技を試してみるかリーフソード!」


 俺は様々な葉をつけた剣を出す。


 そして俺は攻撃をしに行く。


「なるほど、軽いのに良い切れ味だ。でも一体ずつは大変だ。ラピッドドロー」


 俺の技はとてつもない吸引力でその辺の草木ごと引き寄せる。


「え! こんなにすごかった?まあいいや。ここで斬る!」


 俺は一網打尽にした。


「ふぅー楽しかった。いつも思うけどこれが下位スキルだとは思えないよ」


 そして俺が戦闘している間マイルは、


「サークルドレイン!」


 マイルは一発の矢を放つとその矢は円を描きながら魔物を貫いていく。


「よしっ、これで全部か」


 マイルは戦闘を終え戻って来る。


「キク殿もやるな」


 マイルが言う。


「いや全然。マイルもすごかった」


「こんな所で暇してられない。早速進もうか」


「了解」


 そして俺達はアスアに期待を乗せて行くのだった。

久しぶりの戦闘のように感じます。

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