それぞれの見せ場
「愚かな奴だ、自分の力量を見誤っている。私には効かないと言っているのにな」
メニアの攻撃をカーズは掴んで止める。
「私の攻撃を止めたということは、攻撃が当たったということでもある。自分の力量を見誤っていたのはあなたのようですね」
カーズが一瞬間を開けて言う。
「仕方ない。アンチ•アタック発動!」
するとメニアの動きが止まる。
「何だこれ?動きたくない感じがする。いや、体がそもそも動かない。どうしてだ?」
メニアがその場で立ち尽くす。
「だから言っただろ、私にはその攻撃は効かないと。まあ、正確にはそっくりそのままお前に返してあげたんだけどな」
そうカーズが言うとメニアは苦しみ出す。
だが、手も足も動かすことは出来ないメニアはその痛みをどうすることもできなかった。
「どういうことだ。カーズ!」
「まだわかんないのか?仕方がないな。さっきまでの攻撃は私がその衝撃と共に体内に溜め込んでいたんだ。そして、それをまとめて今、お前に返したというわけだ。
どうだ?自分の攻撃の威力は?」
メニアはこの言葉を聞いて笑い始める。
「いやー完全に負けましたよ。私はこれで用済みですね。実は、あなたを倒すことも命令でしたが、一番の目的は時間稼ぎですよ。他の戦力が国を攻めるね。それに今ごろはもうクレミスがあなたと一緒にいた人間を始末して準備に入っているでしょう」
「なるほどな、その準備とやらは何なのだ?」
「私にも分かりません。所詮私は使い捨てだったのでしょう」
「その準備とやらは何か気になるが、まあ仕方ない。それにキク殿の事を甘く見ないでほしいな。彼はとても強いからね。ということで、これでさらばだメニアよ。
ネクストチャンス!」
そう唱えると神々しい光がメニアを包む。そしてそのままメニアは塵となって消えて行く。
「メニアよ、これが最大級の私の慈悲だ。もう少し経験を積めばこの私と張り合えたかもしれないのに。最後には捨て駒にされるとは、何とも可哀想な奴だ」
そうして、カーズとメニアの幹部対決はカーズの圧勝で幕を閉じたのだった。
そしてカルベロス達は、大勢の兵士達の前に立ちはだかっていた。
「みんな、国に侵入できないように各自通路を封鎖してくれ」
「了解しました。カルベロス様」
ギャラクシーキャット達が見張のためにそれぞれの持ち場へ行く。
「お前はどこのどいつだ?カーミンの部下が来ると思っていたが、こんな猫が来るなんてな」
そう言いながら、巨大な剣を持った大男が出てくる。
「初めまして、わしはキャット•カルベロスと申します」
「この俺様は五人衆の中でも最強の攻撃力を持つシュメルだ。東口の攻撃作戦を任されたが、まさかこんな猫が相手とは、期待していたのに残念だ。一瞬で勝負がついちゃうからな」
シュメルは兵士達と笑い合う。
「そうだぞカルベロスよ、シュメル様は偉大なお方だ。お前のような貧弱な猫を相手するまでもない。我々が代わりに相手をしてやろう」
兵士達が一斉に武器を構える。
「まあ、そういう事だ、カルベロス。この5万の兵を全員倒せたら、俺様がその時は相手してやろう」
シュメルはカルベロスを罵って自陣へと戻る。
「こんな有象無象を相手にしても時間の無駄だ、一瞬で片をつけてしまおう」
カルベロスの目つきが変わる。
「猫にも舐めれたもんだな、さあ、みんな、行くぞ」
そうして兵士達が一斉に攻撃を仕掛ける。
「来たか、ギャラクシーマインド! そして一瞬斬撃!」
カルベロスは目にも見えない速さで次々と兵士達を斬り捨てていく。
その驚くべき速さで誰も自分が斬られたことに気づかない。
「なんだあの猫、化け物だ。やばい逃げろ!」
兵士達が恐怖して逃げて行く。
「なんだ、あの猫。結構やるじゃないか。俺様の出番か。どうやら一番難しい任務だったようだ」
そう言ってシュメルが動き出す。
「降参するのが早すぎるぞ、このわしに喧嘩を売ったからには最後まで買ってくれないとな。宇宙よ力を与えてくださいコメットダンス!」
カルベロスのコメットダンスは以前とは違い真っ赤な巨大な光が落ちてくる。
「なんだあの攻撃は、こんな巨大な光見たことがない」
兵士達は呆然とする。
一方シュメルと言うと、兵士達同様に呆然としていた。
「ええ、あの猫相当やばいぞ!さっき北の方でコメットダンスが見えたが、まさか、こいつまで使うとは…… ありえない、俺は何という奴に喧嘩を売ってしまったんだ」
シュメルはあまりの恐怖に全身に戦慄が走った。
そして、ついに赤い光が着弾し兵士達を飲み込んだ後、そこにはカルベロスとシュメル以外誰もいなかった。
「さあ、残るのはお主だけかシュメルよ」
「す、すいませんでした。この私が間違っていました。ど、どうか命だけはお助けください」
シュメルがカルベロスを前に懇願する。
「分かった。命は助けてやろう。しかし残念だな、お主がもっと強ければ、ストーリーズも試すことができたのに……」
「ス、ストーリーズ! あのアルティメットスキルの!? こいつは化け物だ」
そう言ってシュメルはあまりの驚きに気を失ってしまった。
カルベロスとシュメルの戦いはこうしてあっけなく終わったのだった。
「カーミン様!どうやら北口と東口を制圧したようです」
カーミンの部下が報告する。
「そうか!それはよかった。カーズ、カルベロス、よくやってくれた」
カーミンが一安心する。
「それに加え、敵の本陣にキク殿が突入している模様です」
「なんと!? この短時間で!しかし、何か起こるかもしれない。余も向かうとしよう」
そうして、カーミンは北口へ向かうのだった。
一方西口では
「ラミル様!もう少しで西口です」
「ああ、そうみたいだ、もうすでにただならないオーラを感じる。みんな気をつけるように」
「はい、承知しました」
ラミル達が西口に到着する。
そこには二人の男女が立っていた。
「君達が、五人衆という幹部か」
そこには、杖を持った女と、メガネをかけて黒い手袋をつけたすらっとした男が立っていた。
「あなた達がカーミンの刺客ですか。スライムとは、カーミンも粋な事をするもんですね」
女が言う。
「こいつ、僕の事を一瞬でスライムと見抜きやがった」
ラミルが少し警戒する。
「そして、その隣の者達は獣人族ですね。しかし、だいぶ強化されているみたいですね。今、なんで分かったのかと思いましたね。教えてあげましょう」
女が説明をする。
「私は全てを見透かせることができるアルティメットスキルを持っています。相手の考え、スキル、技どんなものでも、だから変な事を考えても無駄ですよ」
ラミルが聞き返す。
「本当に、全てわかるのか?僕達の考えが。それに全部」
「はい、もちろんです」
「なるほど、そう言うことか分かった」
そう言ってラミルは余裕な表情を見せる。
「さっきも言った通り、私の前では隠し事は意味ないですよ。すぐに見透せてしまいますから」
女が力を使う。
「なんだ、ただ攻撃をするだけか?それで勝ったつもりになっているとは」
「ああ、その程度でいいんだ」
ラミルの言葉に女は少しムッとする。
「このアリサ様を侮辱するなんて命知らずですね」
そう言ってアリサという女は急に攻撃を仕掛ける。
「スティール•ハンター!」
アリサの黒い分身がラミルを襲う。
「うわ、なんだこれ、攻撃力自体はないが力を吸収されている。これでは相手に迂闊に近づくことは危険だな」
「ラミル様!あの男はこっちで相手しましょう。イワタの良い練習相手になると思います」
「ああ、分かった。存分にやってくれ」
そうして、イワタはもう一人の男に向かって行く。
「初めまして、私はイワタと言います」
イワタが軽く挨拶をする。その瞬間にイワタは吹っ飛ぶ。
「イワタ!大丈夫か?」
コマチが声をかける。
「大丈夫です。コマチ様、私にとって絶好の機会です」
イワタはワクワクした表情を見せる。
「その様子なら大丈夫そうだな」
コマチがイワタの様子を見て安心する。
「ふん、今の攻撃を防ぐとは、なかなかやるな、イワタよ、私の名前はドア、ファイターのスキルを持つ崇高な戦士だ。今回は外れたが次は外さない」
「バーン!」
ドアの攻撃がイワタに直撃するのだった。
そろそろ第一章も終盤な感じです。




