天才からの試練
「あのー すいませんラミルと申しますけど」
そうすると門の中から白のワイシャツを着た男が来た。
「ラミル様ですね、カリウス様から話は聞いております。では、こちらへどうぞ」
そうして俺達は街の中へ入る。
「とんでもない大きさの国だな、建物もしっかりと素材と大きさまで統一されている」
「ナイロ国は城塞都市なんだ、いざという時に対処がしやすいように設計されているのさ」
そうして俺達は大通りを通りながら一番大きい建物へ入っていくのだった。
「ではこちらの部屋にお入りください」
俺達はワイシャツの男に促されるままに部屋に入る。
「なんだここ、城の中にしては変だぞ」
「バタンっ」重い扉が閉められる。
「え!どうなっているんだ?」
「キク、カルベロス、攻撃体制に入れ。最悪な事態が起こったかもしれない」
そうしてラミル、カルベロスは各々の得意な装備に変身する。その一方で俺はそんなの無いのでそのまま立っていた。
「改めて挨拶いたします。私の名前はカーズと申します。この度ラミル様御一行の案内と試験の実行役としてカーミン様から任を受けました」
そう言うとカーズという男は床に描かれた魔法陣から三体のドラゴンを召喚する。
「さあ、まず第一の試験です。この三体のドラゴンを倒してください」
「さあ、始め!」
そうすると三体のドラゴンが一斉にこちらへ向かってくる。
「僕が三体とも相手するよ」
「え、大丈夫? ラミル。ドラゴン強そうだけど」
「大丈夫だって、これでも魔力玉で前よりは大幅に強化されているからね」
そう言うとラミルは力を貯める仕草をするのと同時にラミルの中に黄色の光の玉が何個も吸い込まれていく。
「光に委ねて、飛天剣!」
そう唱えるとラミルの剣は光を帯びていて剣先が少し長くなっていた。
「これで全てを切断する!」
そう言うとラミルはドラゴンに近づき剣を横に一振りした。そうして光の剣からは目にも見えない速さで一瞬光り、三体のドラゴンは真っ二つになっていた。
「おめでとうございます。まず第一の試験に合格です」
カーズが手を叩きながら現れた。
「そして、第二の試験です。この私と勝負しましょう。ただし、今回は一人づつお願いします。私の攻撃に一分間耐えられたら合格です。では、みなさん頑張ってください。それでは最初はあなたからです」
カーズはカルベロスに指を差さす。
「望むところだ!」
カルベロスが先に攻撃を仕掛ける。しかし、相手は全て避けて、しかも攻撃の隙をついて反撃に出ている。
「なかなかやるな、カーズとやら」
「あなたもです」
カーズがニヤリと笑う。
「はいっ、終了です。カルベロス様あなたは合格です。次はラミル様ですが、先ほどドラゴンを一人で倒していたので今回は免除です」
ラミルがほっとした表情を見せる。
「そして、最後は人間のあなたです。どうしてあなたのような弱そうな人間がここにいるのかは、分かりませんが、まあ良いでしょう、少し手加減をしてあげますから」
「なんか随分、俺のことを下に見ているみたいだけど、後で後悔するなよ」
「おお、威勢はいいですね」
「ちっ 下に見るのも程々にしたらいいのにな。まあ、ボコボコにしてやるよウォータープロテクト! 相手の解析を頼む」
「分かりました」
「なるほどアルティメット級のウォータープロテクトですね、これは面白い」
「ウォータープロテクト、何が相手に有効だ」
「音速連衝が最適です」
「音速連衝?そんなのあったかな?まあいい、行くぞ音速連衝!」
俺はカーズに殴りかかった。
「ボンっ、ボンっ」
鈍い音が鳴り響く。
「なんだこの技?空気まで揺れているぞ」
「音速の衝撃と殴りの衝撃が合わさることで最強の打撃力を繰り出します」
「まじかよ、そんな技いつ取得したんだ?」
そう驚いていると、カーズの攻撃の受け止める腕はみるからにボロボロになっていく。
「くそっ何もできない、一番弱いと思っていた人間がこんなにも強いなんて、まずい、これは避けられない」
俺の殴りがカーズの顔面の直撃する。カーズは衝撃で吹っ飛んだが平然と立ち上がる。
「いやー今のは危なかった。私じゃなければ、確実にこの世から居なくなっていましたよ。まあ、あなたも合格です。おめでとうございます。では、最後の試験です」
そうカーズが言うと部屋の奥の扉がゆっくりと開く。
「よくぞ皆さんここまで来てくれました。次の試験はカーミン様直々に行います。では」
そして扉の奥からがっしりとした背の大きい一人の男がやってくる。
「余がカーミンである。これより最終試験を始める。余のザ・ラストリゾートを耐え抜いてみろ」
それを聞いたラミルとカルベロスは青ざめた表情をする。
「ちょっと待ってください。僕達はただお話しに来ただけで……」
「では行くぞ、ザ・ラストリゾート!」
「キク様!ホワイトマグナムで相殺することが可能です」
「本当か!ウォータープロテクト。分かった。間に合ってくれホワイトマグナム!」
ザ・ラストリゾートの甲高い音とホワイトマグナムの轟音が同時に鳴り響く。
真っ白の炎のビームが鋭い液体のビームを飲み込む。
「何!?余のザ・ラストリゾートを無効化されるとは、ありえない!」
カーズはさっきまでの余裕な表情とは打って変わって驚いた表情をしている。
そして俺のホワイトマグナムが全てを飲み込んだ瞬間とてつもない衝撃が発生して、俺達は一斉に吹き飛ばされた。
「いてて、キク、よくやった本当に危ないところだったよ」
「さすがキク殿です」
ラミルとカルベロスは胸を撫で下ろす。
「まさか、余のザ・ラストリゾートを完全に無効化されるとは」
カーミンは呆然とした様子で段差に腰掛けていた。
「国王カーミンよ、僕達の話を聞いてもらえませんでしょうか?」
「気が乗らないが、余が負けたのは事実だ。わかったお主達の話を聞くとしよう」
「ありがとうございます。国王。さあ行くぞカルベロス、キク」
「さあ、こちらです私が案内しましょう」
最初に会った時とは違ってカーズは俺に愛想良くしながら部屋まで案内する。
「ここなら、誰にも聞かれずに話ができるだろう」
俺達が案内されたのは窓が均等に配置された円柱型の部屋だった。かなり高いところにあるようで、ナイロ王国の街並みを一望できる。
「まず、聞きたいのですが、なぜ、僕達を攻撃したのですか?」
「何を言っているんだ、知っているくせに」
「どういうことですか?」
「お主達がカリウスに脅しをかけたと手紙が来てな、成敗してやろうと思ったんだ」
「え、オスムニアの王カリウスが?」
「キク、どういう事なんだ?」
「え、俺かよ。俺はただ街を襲っていた魔物を倒して、そのお礼にカリウスがラミルの交渉を手伝ってくれると聞いてお願いしたのだけど……」
「うむ、どうもキクが嘘をついているようには見えないし、村に来た時はカリウスは全然普通の様子だったよな」
「何!?ラミルよ、余はカリウスがお主に脅されたと手紙が来たのだが、それにここに実際の手紙があるぞ」
そうして、カーミンは一通の手紙を取り出す。
「確かに、これは本物だ。でもどうして?」
「もしかしたら、お主達を余に倒させるためかもな」
「え、なんでそんなことに……」
「お主達も考えた事は無いか?なぜオスムニアがあんなに危険な場所にあるのに魔物の被害が少ないのかと」
「言われてみれば確かに……」
ラミルがうなずく。
「前に聞いた噂だが、カリウスは魔王と手を組んでいるというのがあった。その時はとんだデタラメだと考えていたが、どうやら本当みたいだな。余が騙されていたというのか。腹立たしい。お主達に余の無礼を詫びよう」
「いえいえ、とんでもない。それより問題はカリウスだ、これからどうしようか」
「これはカリウスを国から追放するしか無いようだな。余がその手伝いをしよう。カリウスはお主達が余に倒されたと思っているだろう。それにこの手紙が何よりの証拠だ」
「なるほど、僕達が直接行ってこの手紙をカリウスに突きつければ、悪事が白日のもとに晒されるというわけか」
「それに、この手紙は一応国家同士のやりとりであるから、このようにカリウスの直筆の名前まで残っている」
「これで、言い逃れできないというわけか」
そうして俺達はカリウスの悪事を暴露しに国王カーミンと一緒にオスムニアへ向かうのだった。
アルティメット同士の技がぶつかるのはいいですね。なんか、小さい頃の感覚を思い出します。
全然伝わらなくてすいません。




