カルベロスの反撃
「カラミティ様。報告いたします。我らの軍は壊滅いたしました。それにナイトネス様まで……」
「そうかやはり想像以上にあの人間の影響力は大きいな。まあ、君だけでも生き残って良かったよソミット君」
「ありがたきお言葉。もう一つご報告があります。ここに来る途中にミムラと遭遇しました」
「ミムラねぇ、彼は非常に魅力的な人材だ是非うちに欲しいね。それで、どうしたんだ?」
「ミムラは自分の村を荒らされたことで酷く激怒していました。そこで、あのスライムが攻撃したことにしてミムラを仕向けることに成功しました」
「なるほど、ミムラをスライムとぶつけることで戦力を削ぐ作戦か、確かに被害は小さいものでは済まないね。まあ、その作戦が上手くいくかどうかだが」
「この私にお任せください。必ず成功させてみせます。では行ってまいります」
「カラミティ様よろしいのですか?あのソミットを行かせても」
「まあ、あいつの作戦は失敗するだろう。なにせ、あっちにはカルベロスが居るんだ。もしミムラとカルベロスが戦った場合カルベロスが本来の力を取り戻すキッカケになるだろう。そうなったらだいぶ厄介だね。まあ、そうなったら違う計画を実行するのだけど、その計画こそが本来の計画なんだけどね」
「なるほど、あの計画ですか。さすがカラミティ様、戦略の天才です」
「君はあんな作戦はわざわざ私に言わないだろ?」
「ははっ、あんなすぐに見破られる計画など私が立てるはずがありません。ましてカラミティ様にお伝えすることなど、畏れ多いことです」
「さすがだソーダ。やはり君は賢いな」
「ありがとうございます。では私はすぐに戻ります」
そうして魔王の最強の幹部ソーダは次の作戦へと舵を切った。
「さあ、どういう展開になるか楽しみだ」
一方村では。
「ラミル様!早くお逃げください」
「いや、また村を開けるような真似はしたくない。大丈夫だ、カルベロス。もし何かあってもキクがいるからな」
「カルベロス安心してくれ、俺がラミルのことを守るから」
「分かった。頼もしいなキク殿は。ラミル様を頼みます」
「もちろんだ任せてくれ」
俺達はカルベロスとの会話を終え部屋を出た。
「なあ、キク、ミムラはどのくらい強いと思う?」
「俺が見た時は、姿すら確認することはできなかった。それに大勢の敵を一瞬で倒していた」
「そうか、それなら今までで一番の強敵になりそうだな」
ラミルはどこか決意を決めたような顔をしている。
「ラミルなら大丈夫だよ」
「いや、そうとも言えないかもな、むしろ勝つ確率の方が低いだろう。僕は魔力玉を使って以前よりも大幅に強化しているが、ミムラは単純に彼自身の技量で攻めてくるやつだ。それをなんとか技で対応できれば良いが、難しいだろう」
「その時は俺が全力でラミルのことを助けるから、俺とカルベロスの約束なんだ」
「ありがとう、キク」
「ラミル様!ミムラが来ました」
「ついにか、ありがとうシンエイ。よし、行くぞ」
そうして俺達はついにミムラと対峙するのだった。
「あなたが噂のスライムのラミルさんですか。初めまして、この度はあなたが私の村を消滅させたということで復讐に参りました」
「随分と丁寧なんだな。なにか勘違いしているみたいだが、村を破壊したのは僕じゃ無くてヒリュウだ。それにヒリュウは僕の仲間がすでに討伐している」
「そんなことはとっくに知っています。それにあなたのお仲間を助けたのはこの私です。もっともそちらの人間の方は助けがいらなかったようですが」
「やはりか、僕の仲間が世話になった」
「いえいえ、ただの暇つぶしでしたので。まあ、さっきのは建前です。本当はあなたと力比べをしたいだけなんですよ」
「なるほどな、分かったその喧嘩買おう」
ラミルは戦闘体制に入った。
「お待ちくださいラミル様!」
「どうした!カルベロス。外に出て来てはダメだろう」
「ラミル様、急で申し訳ないのですが、この勝負わしに譲ってくれませんか」
「え!カルベロス、君は怪我人なんだぞ、部屋で安静にしていなきゃいけないのに」
「いえ、大丈夫です。ラミル様の魔力玉のおかげで昔の力を取り戻しつつあります。だからこの機会を逃したくないのです。お願いします」
「そんなにお願いされたら…… 分かった。でも無理はしないように」
「ありがとうございます。このわしの屈辱晴らさせてもらいます」
そうしてカルベロスはミムラの前に立ちはだかった。
「なんとカルベロス殿一度負けたのにまた挑むのですか?この前はせっかく助けてあげたのに、次はないですからね」
「ああ、そのつもりだ」
カルベロスは自信の持った顔で答える
「随分と自信があるようですね」
「わしのアルティメットスキルパストドリームが使えるようになったからな。前回よりはだいぶ手強いと思うぞ」
「なるほど、アルティメットスキルを使かって強化ですか、分かった。今回は最初から最後まで本気だ」
「ああ、そうじゃなきゃ困るよ」
そうして両者は刀を抜き構えの姿勢に入った。
「今回で息の根を止めてやるいくぞ!」
ミムラが先手を打つ。
「カキンっ」カルベロスがミムラの攻撃を軽々しく止める。
「そんなもんか、今のはナメクジでも避けられるぞ」
「何だと!? くそっこいつ前回よりも格段に早くなっている。しかし、ただそれだけのことまだ勝機は十分にある」
「次はわしの番だ」
カルベロスが体術と剣撃を混ぜた攻撃を繰り出す。
「速い、速すぎる。いや待てよ、速いのでは無く私の攻撃の全てを見切っている、それどころか私の細かいクセまで。まずい!」
「うわっ」カルベロスの殴りがミムラに当たる。
「どうした?ミムラ本気じゃないのか?」
「くそっ、舐めやがって、おもしろい。最終形態だ発動!ストーリーズ!私がスキルを発動したということはお前はもう手も足も出ない。ただ褒めてやろう私にこのスキルを使わせたことを。このストーリーズはお前と同じアルティメットなんだ。それも相手の未来の動きを十秒先まで予知することができる。このスキルは最強だ!」
「ふふっ」
「なんだカルベロス?何がおかしい」
「いや、早くその自慢のスキルで攻撃しないのかなって」
「この状況に陥ってもまだ自信があるのか大したもんだ。まあいい、お前はこれで終わりだストーリーズ!なるほど、相手の動きが見えるぞ。そしてこの予知では私の刀が相手を貫くのが七秒後か」
ミムラはゆっくりと攻撃を始める。しかし、カルベロスはその場から動こうとしない。
「一、二、三、四、そろそろだついにこの私の勝利だ。今までこんな嬉しい勝利は無い。カルベロス、お前には死ぬ前にお礼を言おう。ここまで楽しい戦いは初めてだからな。五、六、終わりだー!カルベロス。七」
「バーンっ」
「い、痛い。すごく痛い。なんだこの鋭い痛みは」
カルベロスの拳がミムラの腹に入り込む。
「残念だな、ミムラ。お前の予知はどうやら精度が悪いみたいだ」
「ど、どうしてだ。この予知は絶対なのに!」
「勝ったから教えてやるよ、わしのアルティメットスキルは一度負けた相手のスキル、技を全て獲得する。もちろん生き残る必要があるが、今回、お前はわしに勝ったと高を括ってトドメを刺さなかった。つまり前回お前は俺に勝ったことでお前の負けが確定したのだ。それにお前のストーリーズの予知は本当だが、このわしが七秒の地点で予知を書き換えた」
「な、なんだと!ストーリーズの予知を書き換えるなんて……」
「バタンっ」ミムラはその場に倒れた。
「だが、ミムラ。お前はこのわしを強くしてくれた。その事は感謝するぞ」
そうしてカルベロスのミムラへのリベンジは果たされたのであった。
戦闘シーンは書いてる時、自分でもどうなるのかわからないまま書いているので、毎回ワクワクしています。
そのせいで、変なところがあるかもしれません。




