表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界建築無双《BLUE COLORS》〜BIMとCADが使える俺、美少女領主に雇われ、伝説の職人たちを率いて理想の街を爆速で竣工させる〜  作者: beens
第5章:天空への挑戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/69

第3話 雲を穿つ「天空の門(スカイ・ゲート)」

三本目の橋を架け終え、俺たちはついに新大陸の最上層、分厚い雲海が壁のように立ち塞がる「絶壁の終着点」へと辿り着いた。ここから先は、ただの道ではない。雲を突き抜け、天空の都へと入るための『アプローチ(導入部)』を構築しなければならない。

「聖様、見てください……。雲がまるで生き物のように、都の入り口を隠していますわ。それに、ここから先は空気が極端に薄くなっています。このままでは『高山病』で倒れてしまいますわ」

リアナが胸を押さえ、苦しそうに呼吸を整える。標高はすでに5,000メートルを超えている。魔法で身体能力を強化しているガッツたちドワーフでさえ、作業効率が目に見えて落ちていた。

「わかってる。……ここはただのゲートを作るんじゃなく、気圧と酸素を管理する『気密式エントランス・フォイヤー』を建設する。……エレナ、古代の結界の一部に干渉して、この入り口付近を完全に密閉しろ!」

俺は【スキル:構造力学・真空制御】を発動した。

俺たちが着手したのは、都の玄関口となる巨大な円筒状の建築物――『プレッシャー・チャンバー(気圧調整室)』だ。

まず、絶壁の先端に頑丈な魔導ステンレスのフレームを組み上げ、そこに特殊な強化ガラスと魔法の障壁を二重に張り巡らせた。これは現代の超高層ビルや寒冷地の建物に使われる『風除室』の原理を応用したものだ。

「ガッツ! 二枚目の扉の『気密パッキン』を念入りにチェックしろ! 一ミリでも隙間があれば、せっかく溜めた空気が全部逃げちまうぞ!」

「おうよ、ボス! 魔法のゴム(魔導樹脂)でガチガチに固めてやったぜ。これで宇宙まで繋がってても大丈夫だ!」

外気と内部を完全に遮断し、その中間地帯で徐々に気圧を調整していく。これにより、地上の濃い空気を地下のジオフロントから魔導鉄道で運び上げ、この門の中に閉じ込めることが可能になる。

「フィラ! 門の最上部に、この『航空障害灯こうくうしょうがいとう』……いや、魔導灯台を設置してくれ。雲の中で道を見失わないための道標ランドマークだ!」

「了解! 聖、この光があれば、どんなに霧が深くても迷わないよ!」

フィラが掲げた強烈な光の粒子が、真っ白な雲を黄金色に染め上げる。その光がガイドとなり、俺たちはついに「雲の壁」を内側から食い破るようにして、都の入り口となる巨大な石門の前に立った。

 最後の一枚の気密扉が開き、俺たちはゆっくりと外へ踏み出した。

そこには、今まで見てきたどんな景色とも違う、静寂と輝きに満ちた世界が広がっていた。

足元には、綿菓子のように広がる雲の海。その上に、古代の知恵で浮遊し続ける純白の石造建築群――『天空の都・アステリア』が、夕陽を浴びて神々しく輝いている。

「……信じられない。本当にあったのね、雲の上の国が」

ミーナが、思わず三叉槍を落としそうになるほど見惚れている。

「一ノ瀬様、見てください! 私たちが架けてきた橋が、雲の中からここまで一本の線になって繋がっていますわ!」

エレナが振り返り、自分たちが歩んできた「道」の軌跡を指差す。

俺はヘルメットを脱ぎ、薄く冷たい、しかし清らかな空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

「……よし。ようやく現場に到着だ。だが、よく見てみろ。都の柱のあちこちに亀裂きれつが入ってる。……どうやら、ここの『大家さん』は、メンテナンスをサボってたみたいだな」

俺の言葉に、リアナがふふっと笑った。

「聖様にかかれば、この伝説の都も、新築そっくりに生まれ変わってしまいますね」

俺たちは、雲の上の新たな現場へと一歩を踏み出した。

地図の最上階。そこは、俺たちにしか直せない「壊れかけた楽園」だった。


今回の建築・土木用語解説

• アプローチ: 建物の入り口に至るまでの通路やその演出。第一印象を決める重要な設計要素。

風除室ふうじょしつ: 玄関の外側にもう一つ扉を設け、外気の流入や気圧の変化を防ぐための小部屋。

気密性きみつせい: 隙間をなくして空気の漏れを防ぐ性能。高所や宇宙空間の建築では生命線となる。

• ランドマーク: 遠くからでも目印となる、象徴的な建物や構造物のこと。

• メンテナンス: 建物が完成した後の維持管理。どんなに素晴らしい建物も、これなしでは朽ちてしまう。

更新通知を受け取りたい方は、ぜひブックマークをお願いします!

「続きが気になる」「面白い」と思っていただけたら、下の☆☆☆☆☆から評価をいただけると、執筆の大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
過去作品:https://mypage.syosetu.com/mypage/novellist/userid/3017364/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ