表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界建築無双《BLUE COLORS》〜BIMとCADが使える俺、美少女領主に雇われ、伝説の職人たちを率いて理想の街を爆速で竣工させる〜  作者: beens
第4章:新大陸・灼熱のフロンティア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/69

第4話 悠久の疾走、魔導軌道の再起動(リスタート)

新大陸の拠点を盤石なものとした俺たちが次に向かったのは、密林と巨岩が入り混じる未踏の深部だった。そこでフィラが空から見つけたのは、木々に飲み込まれながらも、地表から数メートル浮いた状態で静止している一対の「銀色のレール」だった。

「聖、見て! どこまでも真っ直ぐ伸びる道の跡があるよ。でも、石も砂利も敷いてないの」

俺は現場に到着するなり、そのレールに手を触れた。冷たく、それでいて微かな振動を感じる。開発したばかりの魔導ステンレスに近いが、より高度な多層構造を持つ未知の合金だ。

「……これは橋じゃない。『超伝導ちょうでんどう』の原理を利用した磁気浮上式の軌道、つまりリニアモーターカーの成れの果てだ」

「りにあ……? 一ノ瀬様、このレールからは古代の魔力回路が検出されますわ。ですが、長年の放置による回路の断線と、地殻変動による『軌道の狂い』が深刻です。これではまともに走るどころか、脱線して大惨事になりますわ」

エレナが投影したホログラムには、歪んだレールの断面図が赤く警告を示していた。

この古代鉄道を復旧させれば、港から火山地帯、そしてこの奥地までを数十分で結ぶ最強の物流網が手に入る。

そこで俺は即座に工事計画を立てた。

「ガッツ! 重機を回せ。レールの傾きと捻れを直すぞ。新幹線の維持管理メンテナンスと同じだ。一ミリの狂いも許さねえ『軌道整備』をやる!」

「合点だ、ボス! ドワーフの意地にかけて、定規も入らねえくらい真っ直ぐにしてやるぜ!」

俺が指示したのは、現代の高速鉄道でも行われる「マルタイ(マルチプルタイタンパー)」作業の魔導版だ。レールの下を流れる魔力線を整えつつ、物理的な歪みを油圧ジャッキとドワーフの怪力でミリ単位で修正していく。

「リアナ、前回作った地熱発電所からの電力を、このレールに直結する。電磁誘導でんじゆうどうによって推進力を生むんだ。……いいか、ローレンツりょくの原理だ。

この『力』を、車両ではなくレール側の位相を制御することで生み出す。重い車両を物理的に押すんじゃなく、磁力の波に乗せるんだ」

 数日間の不眠不休の作業を経て、俺たちは遺構の奥で見つけた流線型の車両――『雷鳥サンダーバード』と名付けた古代の先頭車両を軌道に乗せた。

「冷却系、魔導窒素まどうちっそ循環開始! 超伝導状態を確認!」

「電圧上昇、定格ていかくまであと5パーセント……。聖様、いつでもいけますわ!」

エレナの合図で、俺は運転席……ではなく、コントロールパネルの「全線開通」スイッチを叩いた。

シュン……ッ!

重々しい金属音は一切しなかった。数トンの質量を持つ車両が、滑らかに数センチ浮上し、そのまま音もなく加速を始めたのだ。

「うわぁぁっ! 速い、速いよ聖! 私の飛行速度を超えてる!」

上空を並走するフィラが驚喜の声を上げる。

密林を切り裂き、銀色の閃光が走り抜ける。かつて数日かかった距離を、この魔導軌道はわずか数分で踏破していく。

「……物流の革命だ。これでこの大陸の全ての資材が、俺の手の内に揃う」

俺は窓の外を流れる景色を見つめながら、確かな手応えを感じていた。

古代の技術を、現代の「施工管理」で蘇らせる。地図にない道が、今、確かな「大動脈」として鼓動を始めた。


「所長! 終着駅で待ってたけど、あまりの速さに腰を抜かしたわよ!」

ミーナが新しい駅舎えきしゃで三叉槍を振り回して笑っている。

「聖様、これで新大陸の開拓は一気に加速しますね。……でも、駅の売店のメニューも、聖様が監修されるのですか?」

「……駅弁えきべんか。いいな、現場飯の進化系として考えておくか」

俺たちは次なる目的地――この鉄道の先にある、雲を貫く『世界樹の断崖』を見据えた。


今回の建築・土木用語解説

超伝導ちょうでんどう: 特定の条件下で電気抵抗がゼロになる現象。リニアモーターカーの浮上や推進に欠かせない。

軌道整備きどうせいび: 列車の走行によって生じたレールの歪みをミリ単位で直す作業。乗り心地と安全性の要。

電磁誘導でんじゆうどう: 磁界の変化によって電圧が生じる現象。これを利用して車両を非接触で加速させる。

定格ていかく: 機器が安全かつ安定して発揮できる、設計上の限界性能。

• 大動脈: 経済や物流において、最も重要で大量の輸送を担う路線のこと。

更新通知を受け取りたい方は、ぜひブックマークをお願いします!

「続きが気になる」「面白い」と思っていただけたら、下の☆☆☆☆☆から評価をいただけると、執筆の大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
過去作品:https://mypage.syosetu.com/mypage/novellist/userid/3017364/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ