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異世界建築無双《BLUE COLORS》〜BIMとCADが使える俺、美少女領主に雇われ、伝説の職人たちを率いて理想の街を爆速で竣工させる〜  作者: beens
第4章:新大陸・灼熱のフロンティア

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第5話 地底の楽園、ジオフロント開拓始末記

魔導鉄道『雷鳥』が終着駅のトンネルを抜けた先、俺たちの眼前に広がっていたのは、想像を絶する巨大な「空洞」だった。

高さ数百メートル、幅数キロに及ぶその空間は、火山の熱を遮る厚い岩盤に守られた、まさに地底の聖域だった。

「これは……すごい。地上はあんなに灼熱だったのに、ここは驚くほど涼しいですわ」

リアナが驚きに目を見開く。

「一ノ瀬様、この空間の岩盤は非常に安定しています。ですが、日光が届かないため、このままでは居住区としては不適切ですわね。植物も育ちませんし、何より精神衛生上よろしくありませんわ」

エレナが冷静に環境分析データを読み上げる。

俺はヘルメットのライトを消し、広大な暗闇を見つめた。

「日光も、新鮮な空気も、俺たちが『引き込んで』やればいい。ここを新大陸最大の地下都市、ジオフロントとして開発するぞ!」

まず最初に着手したのは、地上の強烈な太陽光を地下まで届ける「採光さいこう」だ。

俺は地上の特定のポイントに、超高精度の魔導レンズを設置した。そこから地下の天井まで、光ファイバーの役割を果たす巨大な魔導クリスタルの束――『サンパイプ』を通す。

「ガッツ! 天井に垂直のシャフトを貫通させろ! 一ミリのズレも許さない垂直バーティカル掘削だ!」

「おうよ! 地底から太陽を拝めるようにしてやるぜ!」

ドワーフたちが精密に穿うがった穴に、光を通すクリスタルが流し込まれる。

次の瞬間、真っ暗だった地底湖の湖面が、地上の青空を反射してキラキラと輝き始めた。

次に解決すべきは「空気」だ。

これほど巨大な空間に空気を送るには、普通の換気扇では足りない。そこで俺は、開通したばかりの『魔導鉄道』を巨大な「ポンプ」として利用することにした。

「列車がトンネルを高速で移動する時に起きる空気の押し出し、つまり『ピストン効果』を使うんだ」

鉄道が走り抜けるたびに、地上の新鮮な空気がトンネルを通じて地底に送り込まれ、古い空気は別の排気シャフトから押し出される。魔法に頼りすぎない、物理法則に基づいた巨大な「肺」の完成だ。

最後は安全面だ。

どんなに安定した岩盤でも、風化による落盤らくばんは防がなきゃいけない。

「ミーナ、人魚族の魔力で地下水の流れをコントロールしてくれ。ガッツ、お前たちは壁面全体に『魔導吹付ふきつけコンクリート』を施工しろ!」

これは、トンネル工事などで使われるNATMナトム工法の応用だ。

岩盤の隙間にコンクリートを吹き付け、さらに魔法の「ボルト」で深部まで固定する。これにより、地底のドーム全体が自分自身の重さを支え合う強固な一体構造となる。


工事開始から一ヶ月。

暗闇の空洞だった場所は、今や天井から柔らかな太陽光が降り注ぎ、清涼な風が吹き抜ける「地底の楽園」へと姿を変えていた。

「所長、すごいわね。あそこの地底湖の周り、もう草花が芽吹き始めてるわよ」

ミーナが湖から上がって、満足げに腰に手を当てた。

「聖様……。ここなら、地上の火山がどれほど荒れようとも、人々は安心して眠れますね。本当の意味での『シェルター』です」

リアナが俺の隣で、優しく微笑む。

俺は図面を閉じ、新しく作られた地下広場を見渡した。

「ああ。これで新大陸の『拠点』は完成だ。……さて、次はどこへ行こうか?」

「一ノ瀬様、実は鉄道のさらに先、霧に包まれた『浮遊石の断崖』のデータが届いていますの。そこには、空中に浮かぶ岩盤を繋ぎ合わせた『空中回廊』が必要になるかと……」

エレナの言葉に、俺はワクワクが止まらなくなった。

地底の次は、天空。

俺たちの「異世界建築」に、限界なんて言葉は存在しない。


今回の建築・土木用語解説

• ジオフロント: 地下深くに建設される、居住・商業・交通などの機能を持った大規模な地下空間。

採光さいこう: 建物内に日光を取り入れること。健康や省エネのために極めて重要。

• ピストン効果: トンネルなどの狭い空間を移動体が高速で動くとき、その前方で空気を押し、後方で空気を吸い込む現象。

NATMナトム工法: 掘削した岩盤にコンクリートを吹き付け、ボルトで固定して岩盤自体の保持力を利用するトンネル工法。

吹付ふきつけコンクリート: 機械を使ってコンクリートを壁面に勢いよく吹き付け、固定する手法。

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