入学1日目
十兵衛達がベゼスダに着き3日が経過した。
遂にベゼスダでは入学式が執り行なわれる。
軍服を模した赤い制服に身を包み黒の腕章を身につける。
黒い腕章はⅣ組生を表している。
大講堂で入学式が始まった。
入学式では前代未聞の事態が起こった。
なんと今期の新入生代表挨拶はアルメリア帝国人ではなく友好国出身であるジパングの草薙千姫だったのだ。
ベゼスダ開校して以来、帝国人以外の代表挨拶は初めてであり、それは千姫が優秀なのか今期入学したアルメリア帝国人がダメなのか皆が想像を膨らました。
「この良き晴れた日に伝統ある国立装魔術学園ベゼスダに入学することが…」
本学の校長であるデビッド=ウィリアムズはニコニコしながら千姫の代表挨拶を聞いていた。
帝国人はその笑顔が恐怖に映った。
入学式が終わり教室に入ると千姫の話でクラスは持ちきりだった。
教室の扉が開くと金髪の美女が入ってきた。
「席に座りなさい」
教卓に立ち美女が皆に席に座るように命令する。
「私が今日からこのクラスの担任になるゼノビア=アダマスだ」
十兵衛はゼノビアを見て驚愕した。
ゼノビアは十兵衛の入試時の実技テストで試験官だった。
ベゼスダの実技テストでは相手はアルメリア帝国軍人が相手になる。
そして十兵衛とゼノビアの試験は会場を半壊するまで白熱した。
もしかしてその件で軍人を辞めさせられ教師になってしまったのではないかと十兵衛は冷や汗をかきながら考えていた。
「私も今日からベゼスダで教鞭をとるので君たちと同じ1年生だ。宜しく頼むよ」
明らかに十兵衛を見ていた。
「今後のスケジュールだが皆はもう魔装は扱えるとしてレベルが1の人もいれば2の人もいる。まだアビリティが発現していない人もいる。ただ君たちの住んでいる寮の寮長を決めなければならない」
ゼノビアは黒板の前をウロウロしながら話し始めた。
「ベゼスダの寮長はそのクラスで1番強い者がなることとなっている。つまり皆にはトーナメント方式で試合をしてもらう。トーナメントの優勝者が寮長になるということだ」
すると1人の生徒が手をあげた。
「何か質問かね?」
「マシュー=マッキンタイアです。このクラス40人でトーナメントは時間もかかりますし非効率では?」
マシューはフンッと鼻をならして質問した。
「ではマッキンタイア。効率的な決め方があるのかね?」
するとマッキンタイアは生意気な態度で答える。
「俺はレベル2の装魔術士でアビリティも発現しています。このクラスで最強なのは俺でしょう。結果が見えているので時間の無駄ですよ」
するとゼノビアが笑った。
「いや済まない。マッキンタイアの理屈で言うとこのクラスの寮長は君じゃないな」
するとマッキンタイアは顔を歪ませながらゼノビアに問いかける。
「何を言ってるのですか?俺以外にレベル2のアビリティ持ちが他にもいるのですか?」
「レベル2のアビリティ持ちは確かに他にいるがこのクラスにはレベル3もいるぞ」
ゼノビアの言葉にクラスがどよめく。
装魔術にはレベルがあり、レベルが1上がることに新しい魔法を1つ習得できるがほとんどの装魔術士のレベルは1で終わる。
レベル2は優秀、レベル3は天才、レベル4は英雄、レベル5は人外と言われている。
「なあ十兵衛?」
ゼノビアは意地悪な笑みで十兵衛にふった。
クラスメイトが全員十兵衛を見た。
『あっこいつ絶対試験の時のことを根にもってるわ…』
十兵衛の顔が少し引きつった。
「こんな眼帯野郎が俺より上だと…」
マシューの顔が真っ赤になっていた。。
まあレベル2のアビリティ持ちが他にもいて更にレベル3がいるとなると彼の面子は丸潰れだ。
「十兵衛とか言ったな。貴様は何者だ?」
「いやそこのジェシカ=アメル嬢の付き人ですが…」
そう答えるとマシューは軽蔑したように言った。
「レベル3のくせに貴族にもつかえてないのか…所詮金稼ぎしか能のない奴らにしか使われない程度か…」
「アンタね‼︎」
ジェシカが立ち上がって反論しようとすると十兵衛が止めた。
「寮長には興味なか。ばってんきさんは叩き潰すど」
「訛ってて聞きとれねーよ。東洋の田舎者」
すると教卓からドンッと音が鳴り、全員教卓に注目した。
「元気があるのは結構だがあまり盛り上がり過ぎるなよ」
ゼノビアの剣幕にクラスがのまれた。
「トーナメントは私が決める。もちろん第一試合はマシュー=マッキンタイア対十兵衛=凪だ。このホームルーム後にすぐ始める。ホームルームが終わったら30分後に第5闘技場に来るように‼︎」
マシューは十兵衛を睨みつけた。
「ホームルームは以上だ。その他の試合は第5闘技場で発表する。以上‼︎解散‼︎」
これから寮長の座をかけたトーナメントが始まる‼︎




