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世界と勧誘

ハボの屋敷にて、今朝の礼の宴が催されていた。

見たこともないような食事に埋め尽くされた見たこともないような大きなテーブル。


「ひょー!スッゲーなハボ!これ、本当にタダで食っていいのか!?」


あまりの光景に興奮を抑えられず、場違いな大声でハボに尋ねた。


「はっはっは。勿論だ。満足ゆくまで堪能してくれ。」


そう言われたムラマサは遠慮なく片っ端から貪っていく。





豪華な椅子にもたれかかり、満足げに腹をさすりながらハボに問う。

「そういや、この王都って治安悪いのか?さっき裏路地で絡まれてる女の子助けたんだが。」


ハボは丁寧にナイフとフォークを置いて口元を拭い、困ったように頭を書きながら答えた。

「あぁ。実はな、いま王都では勇者達の軍と魔王の軍が戦争してんだ。勇者達はそりゃあ強いが、魔王の力も絶大でな。さらに魔王は拮抗した戦線を維持しながら王都に刺客を送ってちょくちょく突っついて来やがる。」


「へえー。すげーな。そんなに強いのか?」


「まあな。勇者も人外レベルの力を持っているが、魔王はそれを凌ぐ。」


「へぇ。面白そうだな…」


「おいおいおい。滅多なこと言ってんじゃねえよ!まさかやり合ってみてえなんて考えてんじゃねえよな。」


ハボは慌ててムラマサを引き止めるように言う。

それをムラマサは受け流しながら笑う。


「ははは!いやいや、それはもう少し力をつけてからにするよ!」


「力をつけたらやるんかよ…」

ハボは呆れて漏らした。


「それはそうとムラマサ。おまえのその力と心根を信じて、この国の…いや、この世界の情勢を語っておこう。」


「ん。なんだ?改まって。」

ムラマサはおどけて言う。


「真面目な話だ。聞いてくれ。」


そう言ってハボは神妙な面持ちで語り出した。



事の発端は人間の中に勇者が生まれた時。

その圧倒的なまでの力で人間の国同士の戦争の仲介に入り、世界中の人間の国から戦争をなくした。


これにより人間には平和が訪れた。


しかし、それでは権力者達の不満は高まるばかりだ。

そこで目を向けられたのが魔人族や獣人族などの亜人種だった。


人間の権力者達は亜人種の奴隷化を加速させ、人間と亜人種の溝を深めていった。


勿論亜人種も反発し黙ってはいなかったが、人間が圧倒的に勝る数の力でそれを抑えつけていた。



その情勢が続くこと数年後。

魔人族の中にとてつもない力の覚醒者、魔王が誕生した。


形勢逆転、とまではいかなくとも力を拮抗させるまでに至った。

その後、魔王を筆頭にした亜人種達は抵抗を続け、魔王はその合間に王国にスパイを送り国を荒らした。


勿論人間達は抵抗する。

だが、単体で圧倒的な力を持つ上に統率力も群を抜いている魔王が現れ、それまでは余裕をかましていた人間の権力者達も慌てだす。


亜人種領の土地を焼き、鉱山を崩す。

魔王軍の兵糧は大ダメージを受けた。しかし、魔王軍も勇者軍の虚をついて同じ事した。


どちらもが相手の種族を滅ぼさんとし、戦争はさらに激化していった。


自らの種族を守るため、両軍の長。勇者と魔王は互いに敵軍の蹂躙を繰り返した。

両者がぶつかった時の巻き添えによる犠牲者もとてつもない数へと膨れ上がっていた。



互いの領地は荒れに荒れ、第一次産業を生業とする庶民、それらを取引する商人達の生活はどん底へと追い込まれていった。


亜人種、人間、双方は商人をはじめとして密かに連携を取り、協力関係を持ち計画を立てた。










魔王、そして勇者の…








討伐を。











つまりは世界の革命軍の発足だ。

そして。

最後にハボはこう締めくくった。







「ムラマサ…お前の力を貸してくれ。

世界のガンを…排除したい。」



ムラマサは笑った。
















「いいぜ。勇者につくか。魔王につくか。

そのどちらにつくよりは…  面白そうだ。」

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