第73話:生徒会室の鍵。会長の強がりと暗がりでの密着
放課後の生徒会室。呼び出された俺と結衣の前に、生徒会長の氷室凛音は静かに立っていた。
いつもは余裕に満ちた笑みを浮かべている彼女の表情は、今日に限ってひどく真剣で、どこか思い詰めているように見えた。
「……気づいているんでしょう? 私が、天道くんのことをどう思っているか」
凛音の瞳が、微かに潤んで揺れる。彼女の口から紡がれたのは、隠しきれない本音だった。
しかし、彼女はそれ以上踏み込むことはせず、ふっと自嘲するように微笑むと、結衣を真っ直ぐに見据えた。
「でも、あなたたちのその空気を見せつけられたら……私が入る隙なんて、最初からなかったみたいね」
凛音は背後にある資料室のドアをガチャリと開けると、俺と結衣の背中をトンッと軽く押し、二人ごと狭い部屋の中へと押し込んだ。
「少し頭を冷やしなさい。……次にドアを開ける時まで、私に諦めさせるだけの理由を見せてちょうだい」
バタンッ。
重いドアが閉まり、外から鍵がかけられる音が響く。
窓のない資料室は、完全な暗闇だった。
突然視界を奪われ、バランスを崩した結衣が「きゃっ」と短い悲鳴を上げて前に倒れ込んでくる。
「っと……!」
俺は咄嗟に腕を伸ばし、結衣の身体を正面から受け止めた。
ドンッ、という軽い衝撃。それと同時に、冬服のブレザー越しであっても容易に布地の厚さを突き破ってくる、彼女の規格外の柔らかな重みが、俺の胸板にムギュウゥッと凄まじい質量で押し潰された。
「あ……ご、ごめん湊……」
「い、いや……暗いから気をつけて……」
離れようとする結衣。しかし、資料室は棚に囲まれていて身動きが取れないほど狭く、二人が距離を置くスペースなどどこにもなかった。
少し身じろぎするだけで、俺の胸に押し付けられた極上の果実が、むにゅり、むにゅりと形を変えて生々しい摩擦を生み出す。暗闇のせいで視覚が完全に遮断されている分、触れ合っている部分の熱量と、彼女の身体の暴力的なまでの柔らかさが、脳髄に直接響くほど鮮明に伝わってくる。
「……会長、本気だったんだね」
暗がりの中、結衣の震える声が耳元を掠めた。
彼女の吐息が俺の首筋にかかり、甘いシャンプーの匂いが古い紙の匂いを上書きして密室に充満していく。
「私……負けたくない」
不意に、俺の胸ぐらを結衣の小さな両手がギュッと掴んだ。
離れるどころか、彼女は自らさらに身体を押し付けてきた。ブレザーのボタンが当たる硬い感触のすぐ奥にある、圧倒的な熱ととろけるような質量が、俺の心臓の鼓動を直接叩いてくる。
「湊は……誰にも渡さないから……っ」
会長の切ない宣戦布告と、強がりな優しさに背中を押された結衣の、初めての明確な独占欲。
暗闇の密室で全身に浴びる、逃げ場のない柔らかな感触と熱い吐息に包まれ、俺の思考は完全に甘く溶け出していくのだった。
【次回予告】
生徒会長の凛音にドアを開けられ、顔を真っ赤にして資料室から出てきた二人。
「……ええ、十分よ。少しは妬けるわね」
少しだけ寂しそうに、けれど清々しい笑顔で見送ってくれた会長。
その帰り道、夕暮れの校門前で、今度は風紀委員長の神崎しずくに出くわす。
「天道くん。結衣さん。……二人とも、少し服が乱れていますよ」
いつものように小言を言いながらも、しずくの手は優しく結衣の乱れた襟元を直していく。
「天道くんは鈍感ですから……結衣さん、しっかり手を引いてあげてくださいね」
しずくの言葉に背中を押され、夕暮れの帰り道、結衣が湊のコートのポケットの中に、自分の手をそっと滑り込ませる!
「湊……手、冷たくなっちゃった」
ポケットの中という小さな密室で絡み合う指先。
そして、歩くたびに腕に押し付けられる、隠しきれない胸の柔らかな起伏!
他のヒロインたちの未練と優しさを胸に、二人の距離はさらに甘く近づいていく!
次回、第74話『夕暮れの帰り道。委員長のエールとポケットの中の体温』
明日も理性の崩壊をお楽しみに!




