第7話:ゲリラ豪雨。雨宿りと透けたブラウス
放課後、空が突如として暗雲に覆われたかと思うと、バケツをひっくり返したようなゲリラ豪雨が学園を襲った。
傘を持っていなかった俺は、慌てて近くにあった旧校舎の軒下へと飛び込んだ。
「はあ、酷い目に遭った……」
「奇遇ね、天道くん。あなたも雨宿り?」
凛とした冷たい声。ハッとして振り向くと、そこには生徒会長の氷室凛音が立っていた。彼女も雨を避けようと駆け込んできたらしいが、時すでに遅しといった状態だった。
「会長! 大丈夫ですか……って、うおっ!?」
俺は言葉を失い、そのまま視線を釘付けにされた。
凛音が着ている指定の白ブラウスが、雨で完全に肌に張り付いていたのだ。
透けるどころの騒ぎではない。雨水を含んだ薄い生地は、彼女の透き通るような白い肌を容赦なく晒け出している。そして何より俺の目を奪ったのは、その下にあるものだった。
生徒会長という厳格な立場からは到底考えられない、大人びた黒いレースの下着。それが、形の良いふくよかな双丘を包み込んでいるシルエットが、恐ろしいほど鮮明に浮かび上がっていた。
水滴が首筋を伝い、深く魅惑的な谷間へと吸い込まれていく。
「……あら。随分と熱心に見つめてくれるのね」
凛音は自らの胸元を隠そうともせず、濡れた髪を艶かしくかき上げながら俺を見た。普段の冷徹な仮面はどこへやら、その唇には挑発的な笑みが浮かんでいる。
「あ、あの! 会長、これ使ってください!」
俺は慌ててカバンからスポーツタオルを取り出し、両手で差し出した。これ以上この無防備すぎる姿を見つめていたら、俺の理性が限界を突破してしまう。
しかし、凛音はタオルを受け取ろうとせず、ヒールの音を響かせてゆっくりと俺に近づいてきた。
「手が冷えちゃって、ちっとも力が入らないの。……天道くんが、拭いてくれないかしら?」
「えっ!?」
「それとも……このまま、私の透けた身体をずっと眺めていたいの?」
上目遣いで覗き込んでくる彼女の瞳は、獲物をからかうように妖しく光っていた。冷え切った雨の空気の中で、彼女から漂う上質なローズの香りが異様に甘く感じられる。
「ふ、拭きます! 拭きますから!」
俺は観念して震える手でタオルを広げ、凛音の華奢な肩へとそっと触れた。
「んっ……」
タオル越しでもダイレクトに伝わってくる、冷えた肌と、その奥にある柔らかな体温。俺が肩から背中へとそっと水気を拭き取ろうとするたび、凛音はわざとらしく身体をすり寄せてくる。
「天道くんの手、温かいわね……もっと、前のほうもちゃんと拭いて?」
「か、会長、近いですって……っ!」
少し身を乗り出した彼女の、黒いレースが透けた豊満な胸が、俺の胸板に触れるか触れないかの距離で揺れている。
激しく打ち付ける雨音の陰で、誰にも見られない二人きりの空間。冷たい雨とは裏腹に、俺の身体は急激に熱を帯び、心臓は破裂しそうなほど早鐘を打っていたのだった。




