第6話:保健室の白衣と密着体温測定
体育館倉庫での密室劇から数日後。急激な気温の変化のせいか、俺は少しばかり身体のダルさを感じていた。
昼休み、熱でも測らせてもらおうと保健室の引き戸を開けると、そこには予想外の人物がいた。
「あら、天道くん。どうしたの?」
養護教諭の代わりにベッドのシーツを整えていたのは、図書委員のはずの美月先輩だった。
なぜか彼女は、ゆったりとした白衣を羽織っている。しかも問題なのは、その白衣の下だ。制服のブラウスではなく、胸元が大きく開いた薄手のキャミソール一枚しか着ていないのだ。
「せ、先輩? なんでここに……それに、その格好は……」
「ふふっ。先生に頼まれて少しお手伝い。暑かったからブラウスは脱いじゃったんだけど……似合うかな?」
小首を傾げる先輩。その動作に合わせて、キャミソールの生地が悲鳴を上げるほどに中身が揺れる。白衣の隙間から覗く、暴力的なまでに豊かな双丘の深い谷間。俺は慌てて視線を逸らした。
「顔が赤いよ? 熱があるんじゃない? ほら、ベッドで横になって」
促されるままに、俺は一番手前のベッドに仰向けに寝転がった。
すると、美月先輩がベッドの脇に腰を下ろし、上から俺を覗き込んできた。
「ひゃっ……!」
変な声が出そうになった。
上から覗き込まれる体勢になったことで、重力に従って垂れ下がる巨大な果実が、俺の顔のすぐ上に迫ってきたからだ。キャミソールの華奢な肩紐が、その規格外の重量に耐えきれず今にも千切れてしまうのではないかと、見ているこちらがハラハラしてしまう。
「お熱、測ろうね」
体温計を渡されるのだと思っていた俺の予想は、完全に裏切られた。
美月先輩は、自身の顔をゆっくりと俺の顔へと近づけてきたのだ。そして、冷たくて滑らかな彼女のおでこが、俺の熱っぽいおでこにピタリとくっついた。
「えっ!? せ、先輩!?」
「んー……ちょっと熱いかな?」
至近距離。息が完全に触れ合う距離だ。
先輩の甘いバニラの香りが鼻腔を支配し、彼女の吐息が俺の唇を掠める。
そして何よりヤバいのは、身を乗り出してきた先輩の圧倒的な胸の質量が、ベッドに寝ている俺の胸元に、ムギュウゥッと容赦なく押し付けられていることだった。
「ど、どうして体温計じゃなくて……っ」
「体温計、今全部消毒中で使えないの。それに、この方が天道くんの熱、直接わかるでしょ?」
悪戯っぽく微笑む先輩の瞳が、至近距離で俺を捉えて離さない。
押し付けられた胸の感触は、図書室の時よりもさらにダイレクトだ。キャミソールという薄着のせいか、彼女の柔らかな弾力と体温が、制服越しでもはっきりと伝わってくる。
「どうしてそんなに心臓の音、早いの? 私の胸にまで響いてるよ」
「そ、それは……風邪のせいで……っ」
「ふーん? 本当に風邪のせいかな? 私はもっと、天道くんのドキドキ……感じたいな」
美月先輩は艶めかしい声で囁きながら、さらに胸をすり寄せるように体重をかけてきた。
ただでさえ熱っぽかった俺の頭は、白衣とキャミソール、そして極上の柔らかさによる波状攻撃を受け、完全にショート寸前だった。




