第63話:風呂上がりの洗面所。ドライヤーの熱風と無防備なキャミソール
秋の夜長。風呂上がりに洗面台の前で歯を磨いていると、背後からパタパタと軽い足音が近づいてきた。
「お兄ちゃん、ドライヤーかけてー」
鏡越しに映ったのは、風呂上がりで頬を上気させた義妹のかのんだった。着ているのは、肩紐が細い薄手のキャミソールと短いショートパンツ。お湯の熱気のせいか、白く細い首筋にはまだ水滴が光り、薄い生地がうっすらと肌に張り付いている。
「自分でやれよな……」
口では文句を言いつつも、俺は歯ブラシをうがいコップに置き、洗面台の引き出しからドライヤーを取り出した。
かのんが俺の前にちょこんと立ち、背中を向ける。
スイッチを入れると、ブォーという低い音とともに温風が吹き出した。俺の手櫛が濡れた髪をすくうたび、彼女がいつも使っているフローラル系のシャンプーの甘い香りが、温かい空気とともにふわりと舞い上がり、俺の鼻腔をくすぐる。
ドライヤーの風が首筋に当たり、かのんのゆるいキャミソールの胸元がヒラヒラと波打った。
上から見下ろす形になる俺の視界には、華奢な鎖骨のラインと、その奥に潜む深い影が、風の動きに合わせて見え隠れする。風呂上がりの無防備な姿と、熱気を含んだ甘い匂いが、狭い洗面所の空気を少しずつ濃密なものに変えていく。
「んー……あったかい」
不意に、かのんが気持ちよさそうに目を細め、後ろに向かってこてんと体重を預けてきた。
「お、おいっ」
どん、と俺の胸板に彼女の華奢な背中がもたれかかる。
それと同時に、髪を梳かすために前に出していた俺の左腕に、小柄な身体からは到底信じられないほどの『柔らかな重み』が、下から押し上げられるようにムニュッと密着した。
キャミソールの極めて薄い生地を隔てただけの、生々しい感触。
かのんがドライヤーの風に合わせて小さく頭を揺らしたり、深く深呼吸をするたびに、俺の腕に絡みつくようなとろける質感がむにゅり、むにゅりと形を変える。
「かのん……寄りかかられると、乾かしにくいんだけど」
「えー? お兄ちゃんが支えてくれてるから、ちょうどいいよぉ」
鏡越しに目が合うと、かのんはとろんとした潤んだ瞳で、悪戯っぽく微笑んでいた。
彼女の体温の熱さと、ドライヤーの熱風。そして腕にのしかかる甘く暴力的なほどの重み。逃げ場のない狭い洗面所で、俺の心音はドライヤーのモーター音をかき消すほどの早鐘を打っていた。
【次回予告】
かのんとの風呂上がりのハプニングから数日後。
放課後、日直の仕事を終えて教室に忘れ物を取りに戻った湊。
薄暗い夕暮れの教室で、なぜか風紀委員長の神崎しずくが一人、黒板の上のほうにある掲示物を直そうと背伸びをしていた。
「て、天道くん! 見ないでください、今スカートが……!」
高いところへ手を伸ばしたことで、秋服のプリーツスカートが限界まで引き上がり、太ももの裏側が無防備に晒される。
慌てて体勢を崩したしずくを受け止めようとして、二人は教卓の影へ!
次回、第64話『夕暮れの教室。背伸びする委員長と教卓の影の密着』
明日も理性の崩壊をお楽しみに!




