第62話:秋の彼パーカー。オーバーサイズと隠しきれない起伏
窓の外から吹き込む風が、すっかり冷たさを帯びてきた休日の午後。俺は自室のベッドに背を預け、膝に毛布をかけて読みかけの小説を開いていた。
「湊ー、入るよ」
ノックの音とともにドアが開き、幼馴染の結衣がひょっこりと顔を出した。
だが、その姿を見て、俺はページをめくる手を止めてしまった。結衣が着ているのは、俺がよく部屋着にしているグレーの大きめのパーカーだったのだ。
「お前、それ俺の服……」
「うん。急に寒くなってきたから、勝手に借りちゃった。……ダメだった?」
結衣の小柄な身体には、俺のパーカーはあまりにも大きすぎた。
長すぎる袖の先からは白い指先だけがちょこんと覗いており、裾は彼女の太ももの半ばまで完全に覆い隠している。下にはおそらく短いショートパンツを穿いているのだろうが、パーカーの裾に隠れて一切見えず、まるで何も穿いていないかのような錯覚を引き起こした。
無防備に伸びる素足の滑らかな肌。そして、ダボダボの服を着ているにもかかわらず、彼女の隠しきれない胸のふくらみが生地を前へと大きく押し上げ、パーカーの正面に不自然なほどの空間と深い影を作っている。
彼女が動くたびに、厚手の生地が胸の重みに引っ張られて緩やかに揺れ、その下にある規格外の質量を静かに物語っていた。
「別にいいけど……風邪引くなよ」
「えへへ、ありがと。なんだかこのパーカー、湊の匂いがしてすっごく落ち着く……」
結衣は袖口を鼻先に当てて深呼吸すると、そのままトテトテと歩み寄り、俺の座っているベッドの縁に腰を下ろした。
「ねえ、湊……やっぱりまだちょっと寒い。私もその毛布、一緒に入っていい?」
断る間もなく、結衣は俺の膝にかかっていた毛布の端をめくり、身をすり寄せるようにして潜り込んできた。
「お、おい結衣、狭いって……」
「いいじゃん、温かいんだから」
俺の右腕に、結衣の身体がピタリと密着する。
その瞬間、分厚いパーカーの生地越しであっても誤魔化しきれない、とろけるような重みと柔らかさが俺の腕を包み込んだ。
厚着をしているからこそ伝わる、じわじわとした熱量。
結衣が身体の向きを変えようと身じろぎするたび、パーカーの生地が擦れる微かな音とともに、巨大な果実が俺の腕に形を変えて押し付けられる。いつも嗅ぎ慣れているはずの俺の柔軟剤の香りが、結衣のベビーパウダーのような甘い体臭と混ざり合い、ひどく甘美な匂いとなって鼻腔をくすぐった。
「湊の体温、あったかいね……」
至近距離で見上げてくる結衣の瞳が、少しだけ潤んでいるように見えた。
毛布の中という小さな密室。肌寒い秋の空気を忘れるほどの熱と、腕にのしかかる圧倒的な重みから逃れることができず、俺はただ速まり続ける自分の心音を聞いていることしかできなかった。
【次回予告】
結衣との彼パーカー事件から数日後。
秋の夜長、風呂上がりに洗面所で歯を磨いていた湊の背後に、義妹のかのんがパタパタと駆け寄ってきた。
「お兄ちゃん、ドライヤーかけてー!」
薄手のお風呂上がり用キャミソール姿のかのん。
湊が後ろから髪を乾かしていると、ドライヤーの温風がキャミソールの胸元をふわりと揺らす。
そして、髪を梳かす湊の腕に、かのんが甘えるように身体を預けてきて……。
次回、第63話『風呂上がりの洗面所。ドライヤーの熱風と無防備なキャミソール』
明日も理性の崩壊をお楽しみに!




