第48話:ランジェリーショップの攻防。悪役令嬢の試着室と秘密のサイズ
休日の午後。俺は駅前のカフェで一人、コーヒーを飲みながら平日の疲れを癒やしていた。
そこへ、カツカツとヒールの音を響かせて近づいてくる影があった。
「天道湊! ちょうどいいところにいましたわね。わたくしの買い物に付き合いなさい!」
私服姿の西園寺麗華だった。上品なワンピースに身を包んだ彼女は、有無を言わさず俺の腕を掴み、ショッピングモールへと引きずり込んでいった。
そして、彼女がズンズンと進んだ先を見て、俺は顔面から血の気が引くのを感じた。
「お、おい西園寺! ここって……女性用の下着売り場じゃないか!」
「そ、そうですわよ! わたくし一人では恥ずかしくて入れませんの! 天道湊、貴方も一緒に来なさい!」
「いや、俺が入る方が絶対におかしいだろ! 通報されるわ!」
必死に抵抗する俺だったが、顔を真っ赤にした麗華の馬鹿力(彼女は意外と力が強い)に抗えず、キラキラとしたランジェリーショップの奥深くへと連行されてしまった。
周囲の女性客からの冷たい視線が、俺のメンタルをゴリゴリと削っていく。
「ふぅ……天道湊、試着室の前で絶対に見張っていますのよ。……最近、少し胸がキツくて、サイズを測り直さないといけなくなりましたの」
「そ、そんな個人的な事情、俺に報告しなくていいから!」
麗華は数着の下着を手に、そそくさと試着室の中へ消えていった。
俺は針のむしろに座らされたような気分で、カーテンの外で直立不動のまま待機するしかなかった。
数分後。
シャッ、とカーテンがほんの数センチだけ開いた。
「て、天道湊……その、少しだけ見てくれませんこと……?」
隙間から顔を出した麗華は、ゆでダコのように真っ赤になっていた。
俺が恐る恐る視線を向けると、そこには、信じられない光景が広がっていた。
スレンダーな彼女の身体を包み込んでいるのは、大人びた黒のレースがあしらわれた勝負下着だった。
しかし、彼女が「キツくなった」と言っていたのは事実だったようだ。新しく選んだはずのサイズでさえ、彼女の隠された『暴力的なまでの双丘』を完全に収めることはできておらず、こぼれ落ちそうなほどの極上の果実が、深い谷間を作り出しながら圧倒的な存在感を放っていた。
「な、なんですのその目は! わたくしだって、こんな派手なもの選ぶつもりは……きゃあっ!」
俺の視線に耐えきれなくなったのか、麗華が慌ててカーテンを閉めようとした瞬間、ヒールを脱いだ足がもつれ、彼女は試着室から外へ向かって倒れ込んできた。
「危ないっ!」
俺は咄嗟に腕を伸ばし、倒れてくる麗華の身体を正面から抱き留めた。
ドンッ!
「んんっ……!」
極限まで薄いレースの下着一枚を隔てて、麗華の規格外の柔らかさが俺の胸板にムギュウゥッと激突した。
スレンダーなウエストからは想像もつかない、圧倒的な質量。それが、俺の腕の中でむにゅり、むにゅりと形を変え、甘いローズの香水とともに俺の理性を激しく揺さぶる。
「て、天道湊……見ないでって言いましたのに……っ」
俺の胸に顔を埋めたまま、涙目で抗議する麗華。
周囲の客の視線が集まる中、悪役令嬢の下着姿という強烈すぎる秘密を腕の中に抱え込み、俺の理性は社会的な死のスリルとともに、完全に崩壊の彼方へと消え去っていくのだった。
【次回予告】
ランジェリーショップでの社会的危機を乗り越え、梅雨の気配が近づくある日。
突然の雨に見舞われ、身動きが取れなくなった湊の前に現れたのは、大きな傘を持った美月先輩だった。
「あら天道くん、雨宿り? 先生……じゃなかった、お姉さんの傘に入っていく?」
相合い傘で駅まで向かい、乗り込んだのは帰宅ラッシュの超満員電車!
押し寄せる人波に逆らえず、湊と美月先輩はドアの隅で完全にゼロ距離の密着状態に!
「ふふっ……天道くん、心臓の音、すごくドキドキしてるわね。先輩の胸、当たっちゃってる?」
次回、第49話『雨の日の満員電車。美月先輩の圧倒的包容力と濡れたブラウス』
明日も理性の崩壊をお楽しみに!




