第35話:体育祭の借り物競走。ヒロインたちの猛烈アピール合戦
秋晴れの空の下、学園全体が熱気に包まれる体育祭が開催されていた。
俺が出場したのは、中盤の目玉プログラムである『借り物競走』だ。
スタートのピストルが鳴り、トラックの中央に置かれた箱から一枚の紙を引く。そこまでは順調だった。
しかし、その紙に書かれたお題を見た瞬間、俺はトラックのど真ん中で完全にフリーズしてしまった。
お題:『一番可愛い女の子』
「なっ……なんだよこれ……」
「湊! どうしたの、早く行かないと……って、一番可愛い女の子!?」
俺の背後からお題の紙を覗き込んだのは、同じレースに出場していた幼馴染の結衣だった。
彼女が驚きのあまり大声を上げたせいで、その言葉は周囲の生徒たち、そしてヒロインたちの耳に確実に届いてしまった。
「ちょっと湊! 一番可愛いって言ったら、もちろん私だよね!?」
結衣は一直線に俺の右腕に抱きつき、体操着越しにその圧倒的な双丘をムギュッと押し付けてきた。汗ばんだ肌の熱がダイレクトに伝わってくる。
「お待ち遊ばせ! そんなの、わたくしに決まっていますわ!」
観客席から猛ダッシュで飛び出してきた西園寺麗華が、俺の左腕をガッチリとホールドする。スレンダーな体型からは想像もつかない極上の柔らかさが、俺の腕を容赦なく包み込んだ。
「あははっ、先輩の『一番』は私ですよぉー!」
「そこまでです! 風紀委員長として、この場は私が収めます!」
チアリーダー姿の後輩くるみが背中に飛び乗ってきて、その反動で前に倒れそうになった俺を、なぜか顔を真っ赤にした神崎しずくが正面から受け止める。
右に結衣、左に麗華、背中にくるみ、正面にしずく。
「あらあら、天道くん。お姉さんを連れて行くのが一番確実じゃないかしら?」
「天道くん、私、重くないから……一緒にゴールしよ?」
さらに、本部席から氷室凛音と美月先輩までが優雅に歩み寄り、俺の逃げ場を完全に塞いだ。
「お、お前ら……頼むから少し離れてくれ! 息がっ!」
全員が体操着やチア衣装という薄着であり、しかも体育祭の熱気で汗ばんでいる。
それぞれ違う女の子の甘い香りと、四方八方から押し付けられる圧倒的な弾力と温もり。少しでも俺に選ばれようと、彼女たちが身をよじるたびに、俺の身体中の神経が悲鳴を上げる。
「湊、私を選んで!」
「天道湊、さあ行きましょう!」
周囲の男子生徒たちからの殺意に満ちた視線を浴びながら、俺はトラックの中心で、幸せすぎる地獄の密着アピール合戦に完全に身動きが取れなくなっていた。
体育祭の熱狂の中で、俺の理性はゴールテープを切る前に、見事に限界突破を果たしたのだった。
【次回予告】
体育祭の疲れを癒やすため、休日に近所のスーパー銭湯を訪れた湊。
しかし、湯上がりの休憩所でくつろいでいると、館内着姿の義妹・かのんが隣に座ってきて……!?
はだけた胸元と、緩んだ紐。公共の場で繰り広げられる、義妹の無自覚な密着トラップ!
「お兄ちゃん、暑くて服が緩くなっちゃった……結び直してくれる?」
次回、第36話『スーパー銭湯の休憩所。はだけた館内着と義妹の誘惑』
明日も理性の崩壊をお楽しみに!




