第31話:暗闇の掃除用具入れ。怯える幼馴染と密着パニック
文化祭まであと一週間と迫った日の放課後。俺のクラスは出し物である『お化け屋敷』の設営作業に追われていた。
すっかり日が落ちた教室で、俺は幼馴染の結衣と一緒に、段ボールで作った迷路の補強作業をしていた。
「うぅ……湊、早く終わらせて帰ろうよ。なんだか本当にオバケが出そう……」
結衣は昔から極度の怖がりだ。お化け屋敷の不気味な装飾に囲まれているだけで、今にも泣き出しそうな顔をしている。
「もうちょっとで終わるから我慢しろ。お前が手伝うって言い出したんだろうが」
「だって、湊と一緒がよかったんだもん……」
そんな軽口を叩き合っていた、まさにその時だった。
バチンッ!
唐突に、教室の、いや校舎全体の電気が一斉に消え去った。完全な暗闇が訪れる。
「ひゃあああっ!?」
「うおっ、停電か!?」
静寂と漆黒。ただでさえ不気味な装飾が施された教室での突然のブラックアウトに、結衣の恐怖は限界を突破した。
「オバケ! オバケ出たぁっ! 湊、助けてっ!」
「落ち着けって、ただの停電だ! おい結衣、どこ行くんだよ!」
パニックに陥った結衣は、俺の腕を力任せに引っ張ると、近くにあったスライド式の扉をガラリと開け、俺ごと中へ転がり込んだ。
そこは、教室の後ろにある細長い『掃除用具入れ』だった。
「おい結衣、ここは狭いって……っ!」
「だめ! 暗いの怖い! ここならオバケ入ってこないっ!」
ほうきやモップが立てかけられた一畳にも満たないロッカー。そこに高校生二人が入ればどうなるか。
当然、身動き一つ取れないほどの完全な密着状態になる。
「湊……怖いよぉ……っ。ぎゅってしてて……」
「わ、わかったから、泣くなって……」
俺の首に腕を回し、全身の体重を預けてすがりついてくる結衣。
暗闇で視界が奪われている分、触覚と嗅覚が異常なほど鋭敏になっていた。
結衣の暴力的なまでに発育した双丘が、俺の胸板にムギュウゥッと容赦なく押し潰されている。恐怖で彼女の息は荒く、激しい心音が俺の胸に直接伝わってくる。彼女が震えるたびに、極上の柔らかさがむにゅり、むにゅりと形を変え、俺の胸から腹部にかけて凄まじい摩擦を生み出していた。
「ハァッ……湊、湊……っ」
「大丈夫だ、すぐ電気つくから……」
俺は結衣の背中をポンポンと叩いてなだめようとするが、狭い空間に充満する彼女の甘いシャンプーの香りと、密着した素肌から伝わる熱い体温が、俺の理性を激しく揺さぶる。
普段の無防備な結衣とは違う、完全に俺を頼り切って怯える女の子の姿。それが俺の下半身に致命的なほどの興奮をもたらしていた。
「湊の匂い……なんだか、落ち着く……」
結衣は顔を俺の首筋にうずめ、スリスリと子猫のようにすり寄ってきた。
彼女の柔らかい唇が、微かに俺の鎖骨に触れる。
(くそっ……このままじゃ、俺の方がオオカミになっちまうぞ……っ!)
パチッ。
どれくらい時間が経っただろうか。突然、蛍光灯が眩しい光を放ち、校舎に電気が戻った。
「あ、電気ついたぞ。結衣、もう出よう」
俺が声をかけると、結衣は俺の胸に顔を埋めたまま、フルフルと首を横に振った。
「……もうちょっとだけ、このままがいい……」
「おい、結衣……っ」
明るくなってもなお解かれない、幼馴染の甘く危険な拘束。
狭い掃除用具入れの中で、俺の理性がショートする時間は、停電よりもずっと長く続くのだった。
【次回予告】
文化祭の準備が佳境を迎える中、買い出しに出かけた湊と高飛車なお嬢様・西園寺麗華。
しかし、突然のゲリラ豪雨に見舞われ、二人は湊の家で雨宿りをすることに!
ずぶ濡れになった麗華に湊の大きめのTシャツを貸した結果、とんでもない『彼シャツ』シチュエーションが爆誕してしまう!
「見ないでくださいまし! こんなはしたない格好……わたくしの胸が大きすぎるのが悪いですの!?」
次回、第32話『ゲリラ豪雨と彼シャツお嬢様。はち切れそうなTシャツの攻防』
明日も理性の崩壊をお楽しみに!




