第11話:部活終わりの汗ばんだ密着ストレッチ
放課後。頼まれごとで体育館裏のマット室を訪れた俺は、そこで思わぬ人物に捕まっていた。
「あ、湊先輩! ちょうどいいところに!」
弾むような声で駆け寄ってきたのは、陸上部の期待のエース、七瀬くるみ。俺の一つ下の後輩で、誰にでも人懐っこい犬のような性格……と見せかけて、隙あらば男の理性を揺さぶってくる小悪魔だ。
今の彼女は部活直後らしく、ピッタリとした陸上用の短いスパッツに、薄手の白Tシャツという出で立ちだった。運動後の熱気でTシャツは汗ばんで肌に張り付き、下に着ているスポーティな下着のシルエットと、彼女の年齢には不釣り合いなほど豊かな双丘の形がくっきりと浮かび上がっている。
「先輩、クールダウンのストレッチ手伝ってくださいよぉ」
「手伝うって……俺は陸上のことなんてよく分からないぞ?」
「大丈夫です! 私が教えますから。ほら、向かい合って座って!」
有無を言わさず俺をマットに座らせると、くるみは俺の正面に座り、すらりとした両脚を大きく広げた。陸上部特有の引き締まった、それでいて女の子らしい柔らかな太ももが目の前に広がり、俺は慌てて視線を逸らす。
「じゃあ、私の手首を掴んで、ゆっくり手前に引っ張ってくださいね」
「お、おう。こんな感じか?」
俺が彼女の華奢な手首を握り、軽く引こうとしたその瞬間。
くるみはニヤリと小悪魔のような笑みを浮かべた。
「えいっ」
グイッ!
「うおっ!?」
俺が引く力よりも強い力で、逆にくるみが俺の腕を強く引き寄せたのだ。
体勢を崩した俺は前のめりに倒れ込み、次の瞬間、俺の顔は驚くほど柔らかく、そして温かいものにスッポリと埋もれていた。
「んっ……先輩の顔、冷たくて気持ちいいです……」
顔全体を包み込む、むっちりとした圧倒的な果実の感触。
さらにマズいのは、薄いTシャツを通してダイレクトに伝わってくる、彼女の熱気と汗の匂いだった。スポーツ後特有の甘酸っぱい香りと、女の子の甘い体臭が混ざり合い、鼻腔を激しく刺激してくる。
「お、おい! くるみ! ストレッチになってないだろ、これ!」
「えー? 私は先輩にくっつけて、心も身体もバッチリほぐれてますよぉ?」
密着したまま、くるみはわざとらしく身体を左右に揺らす。
そのたびに、俺の顔に押し付けられた双丘が形を変え、むにゅり、むにゅりと柔らかく擦れていく。
それだけではない。俺の腰には彼女のしなやかな両脚がいつの間にか絡みつき、逃げ道を完全に塞いでいたのだ。
「先輩の心臓、すごいドキドキしてますね。……私の汗、嫌ですか?」
下から覗き込んでくる、計算し尽くされた上目遣い。
汗で額に張り付いた前髪の奥で、潤んだ瞳が俺を挑発的に見つめている。微かに開いた小さな唇からは、熱い吐息が俺の首筋に吹きかかっていた。
「嫌じゃないけど……近すぎるって……っ!」
「ふふっ、嫌じゃないなら……もっと奥まで、私の熱、感じてください」
くるみは俺の首に腕を回し、さらにギュッと自らの胸の谷間へと俺の顔を押し込んできた。
嵐のお泊まり会を乗り越え、やっと一息つけると思っていた俺に、休む間もなく襲いかかる後輩からの猛追撃。
終わらない密着地獄の中で、俺の理性は今日も今日とて、あっさりと限界突破の危機に瀕しているのだった。




