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13話

私は屋根裏部屋を降りて私を探していた使用人の元へと駆け寄った。


「あっ、エレノア様何処に行っていらしたんです?」

「いえごめんなさい少し御手洗行ってたの、それよりどうしたの?」

「いえそれが…、先程までリリア様が泣き喚いてしまって…」

「リリアが?なんで…?」


今のところはどうやら静からしい。屋敷内も夜の静寂に包まれている。


「エレノア様と旦那様が帰ってきた頃ですかね、リリア様がお気に入りのぬいぐるみがないと訴えられまして、使用人が数名で探したのですが見つからなくて…」

「それでリリアが泣いちゃったのね…」

「はい、そうなんです、エレノア様ぬいぐるみのある場所に心当たりはございませんか?」

「うーん、分からないわね…」


私も前世は高校生だ、キーホルダーぐらいは知っていても、お気に入りの何かおもちゃやぬいぐるみがあるかと言われればそうでもない。


「まぁそうですよね…、すみませんもう戻っていただいて…」

「おい、見つかったぞ」


すると突然後ろから父親が現れた。手にはなんとリリアが無くしたというぬいぐるみらしきものがあった。


「旦那様…?!それは…」

「あぁ、リリアのぬいぐるみだ」

「どこに…」

「中央棟の2階の廊下の中間だ」


中央棟といえば西側にリリアの部屋があって東側に私の部屋がある。真ん中辺りは芸術品や物置など特別誰か特定の人物が使う部屋はない。


「朝はなかったと思うが…」


父親はジロっと私に目線を向けた。まさか疑われてる…?!確かに2階は私とリリアが主に使うけど…。


「…まぁいい、これは俺がリリアに届けてくる」

「はい…ありがとうございます…」


使用人がお礼を伝えた。まぁ父親が私を疑うのも不思議じゃないけど…。なんでそんなに私を疑うの?自分なりに馴染もうと努力はしてる、誰にもなにかしてないのに…。


「…すみませんエレノア様、もう戻っていただいて大丈夫です」

「え、えぇ…」


心の中にモヤモヤしたものを残しながらも、その日は眠りについた。





「ふぁぁぁ…、昨日疲れたからすぐ眠れたな」


翌朝、私は目を覚ました。すると1階の使用人部屋があるところがザワついているのに気づいた。


「ん?なんだろ…」


私は洗顔も兼ねて使用人の呼び出しベルを鳴らした。


「おはようございますエレノア様、朝の洗顔ですか?」

「えぇ、お願い」


使用人が洗顔の洗面器やタオルを持ってきたタイミングで質問した。


「ねぇ、なんか1階が騒がしいけどどうしたの?」

「…エレノア様は知らされていないのですか?」


使用人は驚いたように聞き返した。


「え、何が…、いや、どんな事でもいいわ、教えてくれる?」

「いや、でも…」


使用人はまだ渋っていた。まさか私にだけ口止めしてるの?


「あなたに今事情を聞いても、後で聞かなかった事にするわ」

「え…?」

「もしあなたに事情を聞いた事を、私が誰かに口を滑られていたら、あなたからの罰を、どんな罰でも受け入れるわ」

「そんなこと…!」


慌てて止めようとした。しかし使用人は、私の覚悟を見抜いたようだ。


「…かしこまりました」

「それで、何があったの?」

「実は…、少し前に旦那様が決めたのですが、使用人を、15名程度解雇されたんです」

「え…?!」

「突然の話だったので、私達も全員驚きました」

「その…、理由は…?」

「全員分からないんです…」


私は耳を疑った、この家は役職は様々だが全ての使用人を合わせて100名ぐらいいる。なんで急に…。


「あっ、お嬢様?!」


私は部屋を飛び出した。ある人の所へ向かうために。


「お父様!!」


父親の部屋だ。


「…なんだ朝から挨拶もせず」

「失礼いたしました…、あの、お父様なぜ急に使用人を解雇なさったのですか?」

「…誰に聞いた」

「…あ、いえ1階の様子を見て気づいたんです」


危ない、いきなり教えてくれた使用人との約束が危機だった。


「ふん、まぁいい、最近少し使用人が多すぎると思っただけだ」


確かに見たことの無い使用人も多い、この家に公爵家の家族は3人のみなのに…。


「でもなぜそんな…」

「私はいらない人間も雇いすぎたと思ってな、昔の私は不要な人間に対しても甘さがあったことに気づいたんだ。それはお前がこの前教えてくれた事で気づいたんだ」


父親はニヤッと笑った。笑顔が不気味だった。


「私が教えたこと…?」

「あぁ、屋根裏部屋に住み着くネズミをこの前報告してきただろう?」


私は一気に青ざめた、リノアスの事だ。私が良かれと思ってリノアスの事を話したから…、私のせい?私のせいだ。


「そんな…じゃあリノアスは…」

「…"不要な人間"を解雇するからな」


父親はそういい私に背を向けた。もうそれ以上何も喋らなかった。


私も何も言わず、父親の部屋を飛び出した。それはもちろんリノアスの元へと行くために。


待ってリノアス…!私が何とかするから…!


下の階では解雇されたであろう使用人達がある人は泣き、ある人は無表情で去っていくのが見えた。


みんな待って…!

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