表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/15

12話

私がメインホールに戻ると、まだダンスの音楽が演奏されている最中だった。少し奥の方を見ると、ジョーンズ夫妻がゆったりと曲に合わせながら踊っている。アルベルトの方はというと、反対側の隅の椅子に座りドリンクを飲んでる。ダンスには全く興味はなさそうだ。父親は手前の隅で何処かの伯爵とそのご夫人に話しかけられている。また父親の顔の奥に苛立ちを感じるので、まぁ軽い挨拶ってところだろう。


そして夜が更けてきたころ、ようやくパーティーはお開きとなった。やっと終わった、終わるまで終始胃が痛く時間の流れがとても遅く感じていた。


ちなみに別れの挨拶の時もその場に居はしたものの、アルベルトが私を見ることはなかった。このパーティーは私とアルベルトの初めての顔合わせの場として抜擢されたようだが、結果は先行きが非常に不安になる事となった。なので行きと同様、父親は馬車の中で機嫌が悪かった。




「はぁーやっと家に帰ってこれたよ…」


家に着いた私は直ぐに自室へと入りベットへダイブした。


「まぁ夜とはいえまだ8時なんだよな…、だからと言ってお腹も別に空いてないし…」


疲れてはいたしお風呂に入って寝てしまおうか…、そう考えていると良いことを思いついた。

私は使用人を呼ぶベルを鳴らした。


「…お待たせ致しました、どうなさいましたか?」

「えぇ、入浴の準備をお願いできる?」

「かしこまりました」


そのいい事とは、お風呂に入って体を綺麗にしたらリノアスのところに遊びに行こうというものだ。せっかく暇なんだし。


私はゆったりと湯船につかり、体を綺麗に洗ってお風呂を上がった。それにしても貴族はお風呂も上がったあとのことも全部使用人に任せておけばいいし本当に楽だな〜。


「よしっ、屋根裏に行こう」


私が廊下に出ると、不思議な光景が目に映った。多くの使用人達が慌ただしく荷物をまとめている。しかしその使用人といってもあまり見た事がないような人達だ…。それにしてもこんなに使用人がいたの?知らなかったな…。


私は不思議に思いつつ、屋根裏部屋の階段を登った。


「リノアス!来たわよ」

「エレノア様!今日は遅かったですね」


屋根裏部屋ではリノアスが座っていた。


「ええ、今日はパーティーがあって大変だったの」

「そうなんですか、お疲れではないですか?」

「ううん、大丈夫よ、私が来たくて来たんだから」


やっぱりアルベルトなんかよりリノアスの方が女子受け抜群だよね、こんなに優しいんだから。


「それにしてもここ、なんか前より綺麗になってない?掃除してからまあまあ経ってない?」

「あぁ、そうなんですよ、この前にエレノア様と綺麗にしてから凄く居心地が良くて普段からこまめに掃除してんるんです」

「へぇ!凄い!」


私は立ち上がり部屋を歩き回った。


「へぇ〜この置物みたいに置かれてた家具も綺麗にしたの?」

「はい、大きくて大変でしたが」


ここに置かれてる家具は多分使わなくなったものだろう、なのにここにある大きいクローゼットは埃一つ被っていない。


「リノアスは凄いのね、尊敬するわ」

「いえ…、そう言われると嬉しいです…」


また顔赤くなってる、照れてるのね。


「あっ、そういえばエレノア様、今日はなんのパーティーだったのですか?」

「えっとね、ジョーンズっていう公爵家が主催するパーティーだったの、そこでね、私の将来の婚約者に初めて会ったのよ」

「…え、婚約者…?エレノア様のですか…?」


リノアスは固まった。やっぱり変だよねこんな早く対面するなんて。


「そうよ、まあそう言っても政略結婚なんだけどね」

「…そうなのですか、良いお方でしたか?、」

「それがそうともいえないのよ、初対面だから仕方がないのかもしれないけどめちゃめちゃ無愛想だったの」

「そうなのですか…、初対面だからって、少し冷たい方ですね」

「ねーほんとよ」

「まぁまだ分かりませんものね…」


おかしいな、リノアスがずっと目を合わせようとしない、私はずっとリノアスの方向いてるのに。


「リノアスどうしたの?」

「あっいえ………、いや、あのエレノア様」


なんでもないと言おうとしたのだろうか、でもそれを遮って言い直した。私の目を見て。

わっ…リノアスって目凄い綺麗…!どこか真剣さもある。


「あの…、こんなこと言われたらエレノア様は困るに決まってるし、迷惑だと思うんですけど…」

「うん…?」


なに?急に改まって…、なんか心臓の鼓動が速いような…、


「僕、エレノア様のことがーーーーー」

「エレノア様ー!エレノアお嬢様!どこにいらっしゃるんですかー?」

「あっ」


下の階から使用人の声が聞こえてきた。どこにもいないのを不思議に思ったのか。


「ごめんなさい今行きます!!」


私はそう返事を返した。


「ごめんなさいリノアス、今なにか言おうとした?」

「あ、いえ…、呼ばれてるんですし降りた方が良さそうですね、僕はもうそろそろ寝ます」

「そう?ごめんなさいね、じゃあまた来るわね!」


私はそう言ってから階段を駆け下りた。だから後ろでリノアスが身体を丸め、縮こまって寝そべった事に気づかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ