第二十話 狂戦士登場!!そして…
今回で、また物語が動きます。
クルセイドキャッスル。
ボーグソルジャー達の詰所に、ある男が帰還していた。
「よう影斗!デザイアのところから戻ってきたのか!」
「お前も大変だったな。大丈夫か?」
影斗と呼ばれた男を、周囲のボーグソルジャー達が温かく迎え入れる。
「まあな。だが、わざわざ別の組織に出向いた甲斐があったよ。おかげでパワーアップさせてもらった」
男、木林影斗は、ボーグソルジャーとエボリュータントの両方を兼ね備えた改造進化戦士、ハイブリッドウォーリアーの実験に出向いていた。結果、実験は成功し、彼はハイブリッドウォーリアーとなって戻ってきたのだ。
「そうか!」
「よかったじゃない。これでまたジェネラルの座に近付いたわよ」
祝福するボーグソルジャー達。影斗は人望があるため、仲間達からの信頼も厚いのだ。と、
「影斗、いる?」
フィスが現れた。
「トップソルジャーだ!」
「みんな!下がれ!フィス様だぞ!」
慌てて下がる影斗以外のボーグソルジャー。
「何か用ですか?」
影斗はいきなりやってきたフィスに、何事かと尋ねる。
「ミレイヌ様がお呼びなの。あなたが無事に戻ってきたお祝いがしたいってね」
「わかりました。」
快く聞き入れた影斗は、フィスに付いて玉座の間へ行く。
「お帰りなさい、木林影斗。よく戻ってきましたね」
ミレイヌは影斗に労いの言葉をかける。
「軽いものでしたよ。ま、オレなら当然ですが。」
影斗は軽口を叩いた。
「フィスが目を付けていただけはあります。」
デザイアから送られてきたデータによって、影斗がどれだけの成果を上げたかはよく知っている。かなりの功績だった。
「そこで、今からあなたの帰還を祝して宴を始めたいと思うのですが…」
「せっかくですが、遠慮しておきます。」
しかし、影斗はミレイヌの申し出を断った。
「その代わりに望みがあるのです。聞いて頂けますか?」
「構いませんよ。言って下さい」
聞くだけなら何も問題はない。そう思って、ミレイヌは影斗の願いに耳を傾ける。
「オレにヘブンズエデンを落とす許可を下さい。」
…とんでもない提案だった。
「おい影斗!貴様調子に乗りすぎだぞ!」
こらえきれなくなったマヴァルが、自重するように言う。
「調子に乗っているわけではありません。ヘブンズエデンは我々にとって、いずれ必ず落とさねばならない敵。そして二人のメタルデビルズ…オレが力を試す相手としても、絶好の相手だと思っただけです。」
「貴様の言う通りだ。」
「ネイゼン!!」
ネイゼンは影斗の意見を肯定した。
「だが忘れたのか?ヘブンズエデンにはエドガーがいる。奴を死なせてはならぬから、今まで手を出さなかったのだぞ?」
「エドガーさえ生かしておけばいいではないですか。」
影斗はどうあってもヘブンズエデンを落としたいらしい。
「あなたにとって因縁のある場所だということはわかっているわ。でも、もう少し…」
どうにか考えを撤回させようとするフィス。
しかし、
「いいでしょう。許可します」
ミレイヌは許可を出した。
「ありがとうございます。」
深く頭を下げる影斗。
「ですが、ヘブンズエデンを落とすのは、容易ではありません。ちょうど新しい手勢が完成したので、連れて行きなさい。」
「はっ!」
影斗は玉座の間から出た。
「…いいのですか?」
ゴーザはミレイヌに尋ねる。
「ええ。彼が言っていたことは正しいですし、それに…」
「それに?」
ミレイヌの言葉が、少し濁った。
「…確かめたいことがあります。サーチャーを飛ばして、決して戦いを見逃さないようにして下さい。」
*
ゲイルの胸の中では、一つの不安が渦巻いていた。
先日リミッターを一つ解除したことにより、新しい技、ワールドエンドブレイカーの使用が可能になった。これで残ったリミッターは、あと一つ。あと一つで、アデルの力が全開になる。エドガー曰く、とんでもないことになるそうだ。
だが、ゲイルにとって一番の不安は、それではない。
彼が不安に思っているのは、声のことだ。
ワールドエンドブレイカーが使用可能になってから、突然聞こえるようになった謎の声。それが聞こえたのは初めてワールドエンドブレイカーを使った後と、ミレイヌに追い詰められた時の二回だけなのだが、それでもゲイルの不安を煽るには十分だった。というのも、二回目に聞こえた声が、一回目に比べて明らかにはっきりと聞こえたからである。聞いたことのない言語で、何と言っているのか理解することはできなかった。もしかしたら、理解しない方がよかったかもしれない。理解してしまったら、取り返しのつかないことになるかもしれなかったから…。
「ゲイル!ゲイルってば!」
ゲイルの思考は、アンジェの声によって現実に引き戻された。
「ど、どうした?」
「どうした?じゃないよ。夏休みの予定どうするか、みんなで相談してたじゃない。」
「…ああ…」
ヘブンズエデンにも、夏休みはある。もうすぐその夏休みに入るため、ゲイル達は何をするか予定を決めていたのだ。
「狩谷は、実家に帰るのよね?」
空子は、あらかじめ狩谷から聞いていたことを、改めて訊く。
「ああ。一応、報告には行かねぇと。今度こそ恵美の仇を取ったって」
仕留めたと思っていたが生きていた妹の仇。だが、ゲイルのおかげで本当に滅ぼすことができた。それを、両親に伝えたかったのだ。実のところ、あの男の死は一家全員が望んでいた。家族を殺されて、怒らない者はいない。狩谷はまだそれをちゃんと報告していないので、今回の帰省をきっかけにしてきちんと報告しようと思っていた。
「…あたしも帰ろうかな。まぁ、生みの親だし。」
空子は、自分の能力が原因で、両親との間に壁を作ってしまっている。だが、自分を育ててくれたことには感謝しているので、帰省を決意した。
「私はどうしようかなぁ…」
アンジェは、まだ決めていない。何しろ彼女には、親がいないのだ。家はあるが、一人暮らしだし、誰もいないので荒れ放題なのは間違いない。滅多に戻らない家を掃除するのも、たるかった。かといって友人の家に行くのも申し訳ないし、寮に残って宿題をする日々に明け暮れるというのも味気ない。
「…そうだ。ねぇ、ゲイルはどうするの?」
唐突に話題を振るアンジェ。
「やっぱり帰るの?もしよかった、ゲイルの実家に泊めて欲しいな~。」
「ちょっ、アンジェ!?」
真っ赤になって反論したのは、空子だ。
「いい、い、いくら傭兵の訓練生だからって、あ、あたし達はまだ未成年なんだから、そ、そんな、男の子の実家に泊めてもらうとか…え、えーと…その…ふ、不潔よ不潔!!」
「空子が泊まるわけじゃないんだし、そもそも空子には関係ないじゃん。」
「ぐ、ぐぐ…」
テンパりまくる空子の抗議を、まるで蝶のようにヒラヒラとかわすアンジェ。
しかし、
「戻らない。」
ゲイルはそう言った。
「えっ…」
アンジェはじっとゲイルを見る。
「戻らないってお前…それはまずいんじゃねぇか?両親には伝えてないんだろ?お前がここの訓練生だってこと…」
ゲイルは両親に、自分は別の高校に行ったと嘘をついていた。根回しは完璧にできていおり、気付かれた様子もない。だが、せめて両親に息災な姿を見せてやらなければ、変に勘繰られて、気付かれる可能性もある。それに、ゲイルは一度も両親に会っていないのだ。
「きっと心配してるぜ?会いに行った方がいいんじゃねぇのか?」
その意味も込めて、狩谷は帰省を奨める。
しかし、狩谷は質問されてしまった。
「…会えると思うか?こんな身体で。」
その質問の意味がわからず、数秒固まる。そして数秒後、
「…あっ…」
今さらながら気付いた。ゲイルの身体は、もう人間のものではない。改造人間、メタルデビルズなのだ。彼が自分の正体を一番知って欲しくなかったのは、狩谷達。だが、その狩谷達以外に、知って欲しくない存在がいる。他ならぬ、彼の家族だ。狩谷達にはもう知られてしまったが、父と母に知られることだけは、絶対に避けたかった。
「…悪い。お前の気持ちも考えねぇで…」
「いい。どのみち、どうしようもないことだ。」
狩谷の謝罪を聞き、首を横に振るゲイル。前にエドガーから聞いたのだが、ゲイルもエリックも、もう普通の人間に戻すことはできないそうだ。あまりにも身体をいじりすぎてしまったためである。もし戻せるとしたら、ミレイヌの次元操作で二人の身体の時間を巻き戻し、改造前の状態に戻すしか方法がない。
「…つらいよね、親が生きてるのに会えないっていうのも。」
アンジェの両親はもう死んでしまったので会えない。その場合は諦めもつくが、ゲイルの場合はまだ生きているのに会えないのだ。手を伸ばせば届くのに、伸ばせない。地獄のようなもどかしさが、ゲイルを苦しめていた。
「…連絡の方は問題ないんだ。俺がここの訓練生だということは、隠し通せるだろう。夏休みの間は、どこかの任務にでも参加して過ごすさ。」
苦し紛れに当面の問題を回避するゲイル。けれども、仲間達にはそんな彼の姿が、とても痛々しく見えた。
「…そんな顔をするな。」
「いや、するなっつったって…」
「無理よそんなの…」
「うん…」
三人を励ますゲイルだが、空気は変えられない。本当にゲイルを心配しているのだ。
「…エリック。お前はもう夏休みの予定を決めているのか?」
仕方なく、ゲイルはエリックに話題を振る。
「教えません。」
「なぜだ?」
「あなたが嫌いだからです。答える理由や義務もありません」
清々しいほど拒否された。
「…さだめさんは夏休みどうするの?」
ゲイル達のやり取りを聞いていた光輝は、さだめに尋ねる。
「母さんの手伝い。研究のことはよくわからないけど、せめてご飯は用意してあげなくちゃ。」
「親孝行なんだね。」
さだめは性格も良く、孝行娘である。
「光輝はどうするの?」
「僕は親戚の家に帰るよ。でも、時々遊びに行っていいかな?」
「もちろん。光輝だったらいつでも大歓迎だし、毎日来てくれてもいいくらい。」
「ありがとう。」
「…皇魔は夏休みの予定とかあるの?」
光輝とさだめの会話を聞いていたレスティーは、皇魔に訊く。
「修行だ。一刻も早く、闘界覇神拳の秘奥義を習得せねばならん。」
闘界覇神拳の秘奥義。習得できた者は一騎当千万夫不当の強者となり、世界の頂点に君臨できると言われている技だ。伝承によれば、ルーラーとも対等に渡り合えるらしい。
「でもあれって、かなり難しい技だって聞いてるけど…」
「親父が習得できたのだ。俺が習得できん道理はない」
皇魔の父、鬼宝院剛造。皇魔と同じく闘界覇神拳の使い手で、現鬼宝院家当主。そして、鬼宝院グループというトップ企業の会長を勤めている。歴代最強の当主と言われている男で、秘奥義を習得できている唯一の存在だ。というのも、昔は多くの門下生がいたのだが、剛造が課した修行のあまりの厳しさに皇魔以外は誰一人として耐えられず、全員逃げ出してしまった。その皇魔ですら使えないため、実質的に秘奥義を使えるのは剛造だけということになる。それほどまでに難しい技なのだ。
「負けてられないわね。私も早いとこ、秘伝の忍法を体得しなきゃ!」
鬼宝院家の分家である霊宮寺家にも、一族秘伝の技がある。闘界覇神拳の秘奥義に匹敵するほどの威力を備えた大技だ。
「俺には忍法の心得がないためよくわからんが、それも相当な修練が必要だと聞くぞ。」
「今はその相当な修練が必要な時だから。デザイアは私達が前に戦った時より、ずっと強くなってるし。」
互いに未熟な身ではあるが、以前に戦った時はゲイル達の協力が必要になるほど強くはなかった。つまり、連中はそれだけ強力な進化をしてきているのだ。となれば、こちらはその進化を上回る力を得なければならない。ルーラーに対抗できる技…何としても習得する必要があった。
ヘブンズエデンの訓練生達が、各々の計画を立てて、楽しみにしている夏休み。こうしてみると、彼らも年頃の青年だということが認識できる。
しかし、この穏やかな時間は、間もなく崩れることになるのだった。
*
「…ふん。」
影斗は軍勢を連れて、双眼鏡で遠巻きにヘブンズエデンを見ている。
「いつ見てもクソ忌々しい学園だな。ま、それも今日で見納めだが。」
双眼鏡をしまい、影斗は軍勢に命じる。
「殺れ」
*
突然、爆発音がした。
「何だ!?」
立ち上がる狩谷。爆発音はあちこちからしていた。
「これは…」
ゲイルがレーダーを使って調べる。学園は多数の敵に包囲され、攻撃を受けていた。
「この反応は…ヘルポーンか!ボーグソルジャーもいるぞ!」
レーダーには数十に及ぶヘルポーンと、数体のボーグソルジャーの反応がある。
「ってことはヴァルハラ!?」
「ヘブンズエデンに直接仕掛けてくるなんて…!!」
空子とアンジェは驚く。ヴァルハラの刺客がヘブンズエデンに直接現れたことは何度かあったが、いずれもゲイルかエリックをターゲットにしたもので、今回のようにヘブンズエデンそのものに攻撃を仕掛けてくるケースは、初めてだった。尋常ではない。
「とにかく迎撃に出るぞ!」
ゲイルはプライドソウルを装備し、教室から飛び出していく。
「よし、俺も!」
「あたしも!」
「私も行く!」
狩谷達も準備を整え、ゲイルを追う。
「私達も行こう!」
「うん!皇魔さんとレスティーさんも…」
さだめに促されてゲイル達に続こうとする光輝は、皇魔とレスティーを呼ぶ。
だが、皇魔とレスティーはいなかった。ついでにエリックも。
「…さすが。」
光輝は三人が既に行動を起こしたと知り、呟いた。
*
校庭。
「撃て撃てーっ!!」
「やっちまえ!!」
偶然居合わせた訓練生や教師が、押し寄せてくるヘルポーンにいち早く迎撃を始めていた。ヘブンズエデンの武器は通常の武器より強いし、ヘルポーン自体も弱いので、次々に倒されている。
「やっぱヘルポーンじゃなぁ…仕方ねぇ。お前らも行け」
好ましくない戦況と見た影斗は、次の戦力を出す。
「何だこいつら!?」
驚く訓練生達の前に躍り出たのは、ボーグソルジャーだ。しかし、ただのボーグソルジャーではない。ザジ、カナス、ベルーゼ、ガル、ギルの五体。ゲイル達に倒されたはずの五体である。この五体は無論本人ではなく、ヴァルハラが五体のデータを基に復元した、リバイバルソルジャーというアンドロイドだ。
「オリジナルほどの力はないが、こいつら相手なら十分だろ。」
影斗が思った通り、リバイバルソルジャー達は訓練生達を圧倒していた。
「ま、どこまでやれるか高みの見物と…お?」
影斗の高みの見物は、すぐに終わる。
「轟牙通突拳!!!」
「紫電狼牙の術!!!」
皇魔がザジを拳一発で破壊し、レスティーがカナスを感電させ、爆発させた。
「ほう…」
見物をやめた影斗は戦場に降り立ち、悠々と歩いていく。
「お前が親玉だな!?」
一人の訓練生が、拳銃を構えて影斗の前に立ち塞がった。
「ご名答。」
影斗はそう答えてから急速に接近し、アッパーで訓練生の顎を打ち抜いた。
「がはっ…!!」
訓練生は気絶する。
「野郎!!」
「止まりなさい!!」
すかさず他の訓練生達が応戦するが、
「ハッ!!」
一蹴された。
「もうちょいマジメにやりな。ウォーミングアップにもなりゃしねぇ」
首を軽くひねりながら、また歩き出す。途中でまた何人か訓練生が挑んできたが、全て一撃で返り討ちにした。皇魔とレスティーがリバイバルソルジャーを全滅させた頃、ようやく到着する。
「お前らは遊べそうだな。」
「むっ!!」
「!!」
現れた影斗を前に、二人は身構えた。影斗はたった一言、詠唱する。
「スタイルコンバート」
その瞬間に、影斗の姿が三本の角を持つ重厚な鎧を着込んだ怪物に変わった。額には、赤いオーブのようなものが輝いている。
「貴様エボリュータントか!!」
「だっ!!」
拳を打ち込む皇魔と、ハイキックを蹴り込むレスティー。影斗は皇魔の拳を右手で、レスティーの蹴りを左手で、それぞれ止めてしまった。衝撃波が巻き起こるが、影斗は揺らぎもせず、逆に二人を跳ね返す。
「皇魔!!」
「むう…!!」
達人の領域に到達しているレスティーと皇魔は、一撃当てただけで影斗が備える強大な力に気付く。
「全力でやるぞ!!こちらがやられる前にな!!」
最大出力の覇気を纏う皇魔。
「ええ!!」
レスティーも全力の気を纏い、
「おおおおおオオオオおおお!!!!」
「はあああああああアアアアあああ!!!!」
影斗にぶつかった。
別の箇所から攻め入ってきたヘルポーンを片付けた光輝とさだめは、皇魔達が戦っているという校庭に駆けつける。
「皇魔さん!!レスティーさん!!」
「二人とも無事!?」
そして、駆けつけた二人が見たのは、
首を掴まれて持ち上げられている、血まみれのレスティーだった。
「レスティーさん!!」
惨状を前に愕然とする光輝。さだめは皇魔の姿を捜す。
「皇魔!!」
皇魔はすぐに見つかった。レスティーと同じように血まみれになり、白目をむいて影斗の側に倒れている。間違いなく気絶していた。
「お?お前らこいつらのダチか?悪くなかったぜ。やっぱりこれぐらいは強くないとな」
影斗はレスティーを放り投げる。
「うっ!!」
さだめの足元に転がったレスティー。彼女はまだ気絶していなかった。
「貴様…よくも二人を!!」
逆上した光輝は影斗に斬りかかる。
「次はお前か。」
影斗は光輝の羅刹刃をかわして飛びのいた。それから、手をかざす。すると、影斗の手に巨大な槍が現れた。
「来いよ。」
「っ!!おおおおおおおお!!!」
光輝は影斗と斬り合う。
「うう…」
「レスティー!!大丈夫!?しっかりして!!」
さだめは起き上がろうとするレスティーを支えた。
「…私はいいから…光輝くんを止めて…!!」
「えっ!?」
「あいつは恐らく…ウォントより強い…このままじゃ…殺される…!!」
訓練生の中でも屈指の実力を誇るレスティーが言うのだから、間違いはないのだろう。
「…わかった。何とか止めてみる!」
「私がゲイルくん達に…連絡する…ゲイルくん達が合流すれば…あるいは…」
「それまで持ちこたえなくちゃね。」
さだめは光輝を救うため、レスティーを寝かせて加勢した。
「ぐぅっ!!」
「どうした?そんなもんかよ?」
影斗の槍さばきに苦戦する光輝。
「はあっ!!」
そこに、さだめが飛び込んだ。
「おっと。」
不意討ちのつもりだったが、避けられる。
「さだめさん!」
「今レスティーがゲイル達を呼んでるから、防御と回避に徹して持ちこたえるよ!」
「うん!」
持久戦が始まった。とにかく自分から攻撃することは避けて、影斗からの攻撃を防ぐかかわすかする。皇魔とレスティーがあそこまでボロボロにされたのだから、まともに打ち合えば勝ち目はない。
「来ないのか?腰抜けども。」
影斗の挑発にも、乗らない。
「来ないなら…」
痺れを切らした影斗は槍を両手で構え、
「こっちから行くぜ!」
槍の刃からエネルギー弾を飛ばした。左右に別れてかわす二人。影斗が追撃のために襲い掛かったのは、
「お前だ小娘!!」
さだめだ。
「うっ!」
さだめは影斗の攻撃を、巧みにターンしながらかわす。
「さだめさん!!」
恋人が狙われていることに危機を抱く光輝だが、影斗は光輝がさだめを救いに動くのを待っている。光輝が何らかのアクションを起こせば、即座にターゲットを光輝に切り替えるつもりだ。光輝はそれがわかっているので、うかつに動けない。
「心配しないで!!私は大丈夫!!」
さだめもそれを知り、心配は無用と伝える。彼女はスピードに自信があるため、影斗の攻撃を避け続ける自信があった。だが、
「…ちょっと本気出すか。」
さだめの前から、影斗が消えた。
「えっ?」
さだめがそれに気付いた時、影斗は彼女の背後に回り込んでおり、槍の柄でさだめの背中を殴り飛ばした。
「あうっ!!」
「さだめさん!!」
転がってきたさだめを抱き止める光輝。
「なんてスピード…見えなかった…!!」
彼女が視認できなかった影斗のスピード。それはもはや、レスティーと同等かそれ以上だ。これで回避は格段に難しくなった。
「よくもさだめさんを!!」
しかし、光輝は危機感よりも彼女を傷付けられた怒りの方が強く、冷静さを失って、
「バスターブリッツ!!!」
フルパワーの電撃を飛ばす。
「弱っ」
影斗はそれを槍で軽く防いだ。
「お前ら弱すぎ。さっきの二人の方がずっと強かったぜ」
続いて戦いの感想。さだめはダメージを受け、レスティーは戦えず、光輝の力も通用しない。万事休す。
だがその時、
「そこまでだ!!」
アデル、アンジェ、狩谷、空子の四人が駆けつけた。レスティーが連絡した四人が、間に合ったのだ。
「よかった…」
レスティーは力尽き、気絶する。
「なるほど、あれが指揮官ですか。」
ビャクオウも到着した。
「やっと出てきたな。待ちくたびれたぜ」
影斗は二人のメタルデビルズが揃ったことを喜ぶ。
「む。その声…木林影斗ですか?」
ビャクオウは声で怪物の正体が影斗だと突き止めた。狩谷と空子が、その正体に驚く。
「木林って…まさか…!!」
「あの『殲滅屋』!?」
*
木林影斗は、ヘブンズエデンの卒業生である。彼が卒業したのは十二年も前だが、その名前と功績はヘブンズエデンに残され、在校生達も知っていた。
殲滅屋の影斗。あまりにも高い戦闘力で、敵も味方も関係なく戦場ごと殲滅していたことから、このあだ名が付いている。
「とにかく戦いが好きで、今はA級テロリストとして恐れられてるって、聞いたことがあるけど…」
アンジェも知っていた。
「久しぶりだなエリック。お前がメタルデビルズに改造されてるって聞いた時は驚いたぜ」
影斗とエリックは、五年前に戦場で会ったことがあるため、面識がある。
「そういうあなたは、ヴァルハラのボーグソルジャーですか。」
ビャクオウも殺し合いは好きだが、影斗の戦い方はあまりに荒々しすぎて、独特の美しさを求めるビャクオウとしては気に入らない相手だった。
「おっと、勘違いしてもらっちゃ困るぜ。こいつが目に入らねぇか?」
影斗は自分の額を指差す。
「あれは…エボリュータントの…」
アデルは額のオーブが、エボリュータントのものであるということに気付いた。
「俺は進化の宝珠の力で進化したボーグソルジャー。改造進化戦士、ハイブリッドウォーリアー・ベルセルクだ。」
改めて名乗る影斗。いや、今の彼はハイブリッドウォーリアー・ベルセルク。
「進化したボーグソルジャー!?」
「どこまででたらめなの!?」
ヴァルハラとデザイアは同盟を結んでいる。やろうと思えばやれることだと、いくらでも想像できたはずだ。しかし、あんまりな事実を聞き、狩谷も空子も動揺を隠せない。
「ベルセルク…狂戦士か。まさしくあんたのためにあるような名前だな…!!」
狂える戦士という名称がこれほどお似合いな者はいない。アデルはそう思った。エリックとて、敵と味方の摂理はわきまえている。だが、影斗はそれを全くわきまえていない。過去、彼の戦いに巻き込まれた訓練生の死傷者は、多い時で数十人以上にまで昇ったという。
「俺は思う存分戦える力を求めてこの学園に入学した。傭兵を育成するための場所だからな」
そのために挫折したり、痛めつけられることは何度もあった。当時戦うことにおいて素人だった影斗は、その屈辱に耐え抜き、殲滅屋などと呼ばれるほどの力を手にしたのだ。そして、この学園に今まで重なり続けた屈辱を返す機会を、ずっと伺っていた。ヘブンズエデンを潰せる瞬間を、ずっと待っていた。そのためにヴァルハラと接触し、ハイブリッドウォーリアーになったのだ。
「今日がヘブンズエデンの最期の日だ。お前ら全員、俺の新しい力の踏み台になって死んでいけ!!」
過去の屈辱と、ハイブリッドウォーリアーとしてのデビュー戦を果たす上で、このヘブンズエデンほど殲滅対象に適した場所はない。だから、無理を言ってここに来たのだ。
「そんなことはさせない!!」
「あなたは私達が倒す!!」
「はっきり言ってかなりヤバいが、ここで逃げる奴は男じゃねぇよな!!」
「あたし達にだって意地があるんだから!!」
アデル達四人は戦う決意をし、
「まったく女々しい人だ。そんなことだから、あなたには美しさがないんですよ!!」
ビャクオウもホワイトスイーパーの銃口を向ける。
「来な、クソ餓鬼ども!!」
ベルセルクは槍、アームズベルセルクを構えて言った。
*
一番手はアデル。
「おおっ!!」
プライドソウルで斬りかかる。ベルセルクはそれをアームズベルセルクで弾き、
「やっ!!」
間髪入れずにアンジェが、チャクラムに変化させたアークスを飛ばす。ベルセルクはこれを片手で弾いた。
「ラアッ!!」
次に狩谷が挑む。早速新技のサイクロンエフェクトを使うが、
「ふん!!」
ベルセルクは暴風を纏ったダークハンターを、アームズベルセルクで正面から受け止める。しかも、吹き飛ばない。
「なに驚いてやがる?」
ベルセルクは狩谷を蹴り飛ばした。
「そこ!!」
空子はドリルバレットを使い、ベルセルクの頭を狙撃する。
「けっ!」
ベルセルクはアームズベルセルクの刃で、ドリルバレットを斬った。
「狙いが正確な狙撃ほど、弾道を予測されやすい。一番いいのは…」
アームズベルセルクを構え、
「まとめて吹っ飛ばすこと!!」
エネルギー弾、ベルセルクボムを撃った。
「くっ!!」
慌ててかわすが、
「逃がさねぇ!!」
ベルセルクはそのまま連射し、空子を追い詰める。次の瞬間、
「グラビティプレス!!」
空子目掛けて飛んでいったエネルギー弾が、重力を掛けられて地面に押し潰され、
「おおおっ!?」
無数の銃弾がベルセルクに襲い掛かった。
「大丈夫か!?」
エネルギー弾を防いだのは室岡で、攻撃したのはメイリンだ。
「ふん…増援か…」
「あなたの相手は私です!!」
室岡とメイリンに狙いを変えたベルセルクに、ビャクオウが攻撃を仕掛ける。
「大丈夫?」
「はい、なんとか!」
空子を気遣うメイリン。
「俺も加勢した方が良さそうだな。」
苦戦しているアデル達を見て、室岡も加勢した。
「皇魔さん!!」
「レスティー!!」
光輝とさだめは、アデル達が気を引いているうちに、倒れている皇魔とレスティーに接近。光輝は皇魔の心臓に電気ショックを掛け、蘇生させる。
「ぐっ!!…白宮…?」
「よかった…!!」
恩師が死亡していなかったことに安堵する光輝。
「あっちは大丈夫みたい。」
さだめはレスティーを担ぎ、安全な場所に避難していた。
「大丈夫ですか?」
「うむ、心配を掛けた。もう大丈夫だ」
皇魔は立ち上がる。
「早く避難しましょう!」
「いや、その前にあの男を…」
「何言ってるんですか!!そんな身体で戦ったら今度こそ死んでしまいますよ!!」
「だが退くわけには…!!」
室岡を加えてなお苦戦するアデル達を見て、皇魔は自分も戦わなければという思いに駆られていた。
「今はあなたの命の方が大事だ!!言うことを聞いて下さい!!」
「…仕方あるまい…」
弟子の説得は聞かないわけにもいかず、ようやく皇魔は従ったのであった。
「イグニスドライブ!!」
イグニスドライブで強化したアデルは、武器をダゴンとヒュドラに持ち換えて、ベルセルクに銃撃を仕掛ける。
「なかなかのパワーだな。だが!!」
「ぐあっ!!」
ベルセルクは弾幕を掻い潜り、アームズベルセルクでアデルを斬った。
「どこを見ているんですか!?」
ビャクオウはデビルズエイリアスを使い、三十人に分身して一斉攻撃を掛ける。本来なら、分身を一体一体潰していくか、まとめて倒すかの戦法を取るところだろう。
しかし、ベルセルクはそのどちらの戦法も取らなかった。
脇目もふらずにビャクオウの一体に接近し、アームズベルセルクの刺突をかましたのだ。
「うぐっ…!!」
ビャクオウが苦悶の声を漏らした直後、分身達が全て消える。
ベルセルクの変身者、影斗はヘブンズエデンの卒業生である。ということは、アーミースキルを会得しているということだ。彼のアーミースキルは、『看破』。幻影やまやかしなどを無効化し、本物を見抜く能力である。ベルセルクはこのアーミースキルを使って、本物のビャクオウを見抜いたのだ。デビルズエイリアスは本物がダメージを受けると、分身が全て消えてしまうという弱点がある。だから分身が消えたのだ。この能力の前ではイリュージョンナイトメアも使えないので、ビャクオウにとっては天敵と言える。
「お前の力は俺に通用しない。」
「…これぐらいのことで…いい気になるな!!」
ビャクオウは激怒し、ホワイトスイーパーで銃撃する。ベルセルクは離れてベルセルクボムで反撃してきた。
「お前ら離れろ!!」
全員に離脱を命じる室岡。そして、
「メガグラビティホール!!!」
室岡の目の前に、黒い穴が現れた。穴は凄まじい重力で、正面にあるもの全てを吸い込もうとする。この穴はブラックホールで、メガグラビティホールはブラックホールを自在に発生させる技なのだ。あまりにも危険な技であるため、自分の命が危機に陥った時にしか使わない。しかし、
「無駄なんだよ!!」
ベルセルクは跳躍し、メガグラビティホールの吸引力を利用して室岡に急速接近。
「ストライクカッティング!!!」
アームズベルセルクの刃にエネルギーを込めて振り下ろし、メガグラビティホールを両断。柄で刺突を繰り出し、室岡を突き飛ばした。
「ぐわあっ!!」
「室岡先生!!」
メイリンが室岡を受け止める。
「大丈夫ですか!?」
「…咄嗟にガードしましたが、骨を何本か…」
腕と肋骨を骨折していた。
「お前達は下がれ!!奴は俺が倒す!!」
ベルセルクの危険性を再認識したアデルは武器をプライドソウルに換え、単独でぶつかる。
「ここまで舐められて…引き下がれませんよ!!」
ビャクオウも加勢した。
「エンドオブソウル!!!」
「エンドオブファンタズマ!!!」
必殺技を同時に放つ二人。
「ストライクカッティング!!!」
しかし、その同時攻撃はさらに強力な必殺技に破られた。
「ゲイル!!」
「くそぉぉ!!」
倒れた二人を助けるため、アンジェと狩谷がベルセルクを阻む。
「邪魔だぁぁぁぁぁ!!!」
「がっ!!」
「あうっ!!」
だが、一撃で吹き飛ばされた。
「だったら…!!」
ハウリングシュートを撃つためにレールガンアタッチメントを取り付ける空子と、室岡を側に寝かせてヴォルケーノストリンガーを撃とうとするメイリン。が、どちらも発動に時間がかかる技なので、その前にベルセルクが動いた。ベルセルクがアームズベルセルクの柄を勢いよく突き出すと、石突が飛び出してくる。よく見ると、石突と柄は鎖で繋がっていた。鎖は正確に空子を絡め取って動きを封じ、ベルセルクはそのまま空子をメイリンにぶつける。
「うあっ!!」
「んあっ!!」
倒れる二人。これで、邪魔者は全て消えた。
「まずお前からと行くか。」
ベルセルクが狙いを定めたのは、アデル。ダメージによってイグニスドライブが解除されており、再生途中なので回避もできない。
「終わりだ!!」
鎖を戻し、アームズベルセルクを振り上げるベルセルク。アデルは何もできない。できることは、自分へと向けられる死の一撃を、見ていることだけ。
「ゲイルゥゥゥ!!!」
アンジェの悲痛な声が聞こえる。
刹那、
アデル以外の全てが止まった。
読者の方は、何を言っているのかわからないと思うかもしれない。だが、そうとしか表現できないのだ。時間が止まったかのように、周囲の全てが止まっている。アデルがそれを認識した瞬間、彼の意識は闇に落ちた。
*
「…あ?」
ベルセルクは振り上げた腕を止めた。
声が、聞こえたからだ。
それも、今まで聞いたことがないような不気味な声だ。その声が、さらに聞いたことのない言語で、何かを言っていた。
「何?今の声…」
それを聞いたのは、ベルセルクだけではなかった。アンジェも、狩谷も、空子も、ビャクオウも。教師二人にすら聞こえていたのだ。
「…ここは?」
どことも知れない闇の中。ゲイルは目を覚ました。不意に視線を感じて、背後を振り向く。
そこにはアデルがいた。
しかし、これはおかしい。アデルは、ゲイルなのだ。二人もいるはずがない。つまり、あれはアデルの姿をした何か。
「お前は…」
思わず、ゲイルは問いかける。
「お前は何なんだ…!?」
アデルの姿をした、得体の知れない何者かへと。
「……」
何者かが、言葉を発した。それは、今までに二回聞いた、あの声と同じ声。同じ言葉。この何者かこそが、あの声の主なのだと、ゲイルは悟る。
そして、今度はその言葉を理解できた。知らない言語だが、意味が頭の中に流れ込んでくる。
『身体をよこせ』
何者かは、そう言っていた。それを認識した瞬間、
何者かは笑った。今まで開いたことのなかったアデルの口が三日月のように裂け、牙だらけの口腔が覗いていた。
*
「うおっ!?」
ベルセルクはおもむろに立ち上がったアデルに突き飛ばされた。間を置かず、アデルを中心に光の柱が立ち上る。いや、光ではない。
闇だ。闇の柱だ。
その黒い柱が消えた時、アデルの姿は、より禍々しいものへと変わっていた。装甲が、沸き出す闇を象徴するかのような形状に変わり、口が開いて多くの牙が姿を見せている。そして、
「ヴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアア!!!!!!」
アデルは空を向いて、咆哮を上げた。それは、邪悪な存在の誕生を告げる産声にも、狭い閉所から広い外へ出られたことへの歓喜の声にも聞こえる。
「…ハァァァァァァァァァ…」
ベルセルクを向いて、一度だけ舌舐めずりをするアデル。そこで、ベルセルクは気付いた。
自分は無意識のうちに、後退りしてしまっているということに。
(…この俺が…怯えている…?)
自分の足を見て思ったベルセルクは、そんなはずはないと思い直し、再びアデルを見る。
しかし、アデルの姿は、もうベルセルクの目の前に来ていた。
「うおっ!!」
音も立てずに現れたアデルに驚くベルセルク。直後、
みぞおちに拳を喰らって吹き飛んだ。
「ケキャ…キャ…」
吹き飛んだベルセルクを見たアデルは、笑っている。
「ケキャキャカカカカカカ!!!ゲババハヒカカカ!!!クキャーッキャッキャッキャッ!!!!」
狂喜するアデルは、ベルセルクに追撃をかけていった。
「な、何だ!?ゲイルが壊れちまったぞ!!」
狩谷は驚いている。今、戦況はアデルがベルセルクを圧倒している状態で、アデルがそこまでの力を秘めていたことにも驚いたが、普通なら考えられない挙動をしている現在のアデルの状態の方が驚きだったのだ。と、
「違う。」
アンジェが呟いた。
「あれはゲイルじゃない…もっと別の何かが取り憑いて、ゲイルを操ってる!!」
どうも彼女が言うには、そういうことらしい。
「…原理は不明ですが」
修復を終えたビャクオウも立つ。
「あれは危険です。今すぐ止めなければ…」
暴走するアデルに本能的な危機を感じたビャクオウは、アデルを止めようと決意した。
「うっ!?」
だが、一瞬呻いたきり、ビャクオウは動かなくなってしまう。
「エリック!?」
空子はダメージが少なかったので、どうにか起き上がれた。一方ビャクオウは、また突然動作を再開する。自分の身体を見回し、手を握ったり開いたりするような動作を。
「…ふーん…誰かに憑依するなんて初めてだけど、そんなに悪いものじゃないね。」
しかも、言っていることまでおかしい。さらに、声が女性のものに変化していた。
「何よ!?あなたまでおかしくなっちゃったの!?」
同じくダメージが少なかったメイリンも立つ。
「…ちょっと待て。今、憑依って言わなかったか?」
狩谷は今、ビャクオウが発した言葉を聞き逃していなかった。それを皮切りに、ビャクオウはこちらを見る。
「君達は、この身体の持ち主の知り合いかな?」
間違いない。ビャクオウの身体にも、何者かが憑依していた。
「お、お前は一体…!?」
驚きながら尋ねる室岡。ビャクオウに憑依した何者かは、悠々と名乗る。
「ボクの名は、ナイアルラトホテップ。」
ハイブリッドウォーリアー・ベルセルクの襲来と、アデルの大暴走。そして、ビャクオウに憑依したナイアルラトホテップの真意とは?アデルに一体何が起きたのか!?緊迫の次回へ続く!!




