260520 ピンク 設定
ピンクランドと呼ばれるその場所には目がおかしくなったのかと錯覚するほど一面ピンク色の景色が広がっている。
ピンク色を作っている犯人は、この土地にのみ生息するピンククローバーである。このピンククローバーの色素は凄まじい影響力を持ち、食料としている動物は体がいつの間にかピンクに染められ、さらにピンククローバーの生える土壌までもピンク色となる。そしてこの鮮やかな土壌はピンククローバーが自分たちにのみ適した土地に改良してしまった証だ。そのためこの土地にはピンククローバーと、特殊な土壌に適応できたいくつかの固有種しか植生していない。これらの固有種もまた全体がピンク色をしている。
ピンククローバーは鮮やかな見た目から人気があり、特にいわゆる四つ葉のクローバーは幸運をもたらすものとして、保存加工されたものが高額で取引される。一方でピンククローバーは近年、侵略的外来種として各地で問題視されている。なにしろ自分たちの都合の良いように土壌すらも改良し、その土地に本来存在する植物を根こそぎ壊滅させてしまうのだ。幸いなのはピンククローバーがピンクの土壌でなければなかなか育たず、種が零れ落ちたところで発芽すらしないことだろう。しかし観賞用や商業用として無責任な人間の手によって土壌ごと移植された場合、早期に対応できなければ凄まじい速度で広がり、手が付けられなくなってしまう。
さて、ピンクランドの生態系の基幹となるのはピンククローバーだが、動物に目を向けてみれば、これもまた多数の固有種が確認できる。中でも有名なのが、ピンクラビットだろう。ピンククローバーを主食とし、体毛に色濃く影響の現われているこのウサギは、特殊な性質がある。それは自分の周囲をあらゆる手段でピンク色にしようとすることだ。これはピンクラビットが本来の環境下でピンクの身体が擬態となっていることを知っていて、周辺の環境がピンクでないことに強いストレスを感じているからだと言われている。一方でピンクラビットの体色はピンククローバーに由来するため、通常の餌を与えて育てた場合、徐々に体色が白になっていく。このため見た目に反して飼育の難易度は高く、個人のペットとして飼うことはほとんどない。




