実力
ザスタリア、鷲見、楓の3人のバトルシーンを書きました。
辺りは怖さを引き立てるように静まり返っていた。
彼の自信に満ちた顔は真顔へと変わっていた。
「いいけど、貴方本当に死ぬかもしれないよ」
楓はその空気に負けずに対抗していた。
「舐めてもらっちゃー困るな、僕強いよ?」
彼女は何も言い返せなくなっていた。無理もない。楓には禍鬼の力はあるとはいえ、あの牛鬼を一撃で仕留めた強者。
「ビッビッてんのか!」
ザスタリアは、全力で戦わせるために楓に煽りを入れた。
(体力にはあまり自信がないから長期戦にはしたくない。ならこの一撃に賭けるしか…)
「ビビってるわけないでしょ」
「いいねぇ!」
またしても空気が静まり返り、緊張感が漂う。
先手を決めたのは楓だった。
こさえていた剣を2本抜き、莫大な禍々しい冷気を発した。
顔には、あざが現れ、目が赤くなった。それに角まで生えている。
前見た時と同じだ。
2人の黒髪が靡く。
「禍黒・黒炎禍黒鬼龍」
2本の剣を交差するように重ね合わせた。
楓の背後に、怒り狂った真っ黒な龍が現れた。そして、その龍は、口から禍々しい莫大の冷気を纏う炎を放った。
「あまい、そんな物で僕を倒せると思ったのか?」
ニィヤっと、笑いながら、黒龍が放った莫大な炎を左手で簡単に跳ね返した。
「軽いぞ」
跳ね返った炎は、天へと昇っていった。
「弱いな〜」
楓は今の攻撃でかなり疲れ果ててる様子だった。
「2人同時にかかってきな。」
あまりにも弱かったのか、鷲鬼も参戦するように言った。
(俺は何の能力もないのに勝てるわけ…)
「日和ってんのか?」
「僕は能力を使わない同等だろう。」
(自由なやつだ。)
俺は刀を構えた。
「楓行けるか?」
「うん、」
気持ちを切り替え彼女も構えた。
最初に動き出したのは鷲鬼だった。
真正面から挑み、ザスタリアの槍を左下から右上へと薙ぎ払った。
すかさず楓がザスタリアのまわいに入り剣を振るった。
が、薙ぎ払ったと思われた槍は力尽くで鷲鬼の剣をねじ伏せ、楓の剣へと薙ぎ払った。
鷲鬼と刀と楓の剣がかなり合う。
彼女は即座に剣を離した。
鷲鬼は対比する力がなくなりこけそうになっていた。
「おい!」
「ごめん」
申し訳なさそうな顔をしながら、
楓はもう一本の剣でザスタリアの首元を狙ったが槍で薙ぎ払われ剣は吹っ飛んでしまった。
ザスタリアは楓の首元に槍先を向けた。
(強い、)
負けかと思われたその瞬間
ザスタリアの槍先が何かに当たってズレた。
「今だ!」
槍先を逸らしたのは鷲鬼だった。
刀を投げ見事に槍に命中させた。
楓は吹っ飛ばされた剣のところまで走って、剣を手にし、咄嗟に構えた。
「禍黒・鬼禍天断裂」
剣を縦に振ると黒く禍々しい斬撃波が放たれた。
俺はこれなら勝てると思っていた。
だが、ザスタリアはまたしても簡単に弾き飛ばしてしまった。
「やはり弱すぎるな」
彼は首を振っていた。
俺たちは全く歯が立たなかった。
立ち尽くすことしかできなかった俺たちにザスタリアが口を開く。
「まず、鷲鬼。君は戦い方を知らなすぎる。力任せに立ち向かっているだけ。だが、センスを感じる。」
「そして、楓。お嬢ちゃんは能力頼みになりすぎている。それに能力を使うほど息が上がっている。」
2人とも何も言い返せなくただ黙っていた。
「そんな落ち込むな。ここで会ったのもどこかの縁!僕が君たちを鍛えてあげようじゃないか!」
「いいのか!」
楓は禍化を解き、嬉しそうに話していた。
「まぁ、それに水隊に入るために試験があるって言ったが、参加者とトーナメント方式で戦ってもらい、残った10人が水隊に入れる仕組みだ。このままでは入れなそうだしな。」
唐突に明かされた俺たちにとっての大きな壁。
「毎年100名以上が参加する水の都ならではの年に一度の恒例行事、水境闘技!優勝者には神器が与えられるんだ!鷲鬼君には必要だろ」
「俺は能力がないだけ振りだろ。」
「能力禁止だ。実力勝負。」
「まぁ、ちなみに勝敗は円形闘技場から落ちるか降参するかのどちらかで決まる。」
「僕の鍛錬受けてみるか?」
(こんなところで負けてられねぇ)
「受けて立つ!」
拳を前に突き出した。
「お嬢ちゃんはどうする?」
「もちろん受けて立つ!」
楓も同様に拳を突き出した。
ここから俺たちの鍛錬が始まった。水境闘技まであと1ヶ月。
間違っていたら教えていただけると幸いです。




