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魂(ソウル)  作者: 名無しのゴンベ
神の力
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10/13

うまい!

バトルシーンとはかけ離れて食事シーンを書いてみました。

着いたのは水隊の基地だった。


街で1番でかい建物。


正面には水隊の文字が書かれた門があり、左右には護衛隊がいた。


「店じゃないのかよ」


「君たちに水隊に入りたい欲を掻き立ててもらおうと思ってね」


ザスタリアは嬉しそうな顔をしながら話す。


「ザスタリアさんおかえりなさい!」


護衛隊の2人は生き生きとした声で出迎えた。


「帰ったぞ!この2人は、鍛えてやってるんだ。」


「ついに弟子ですか?!」


「そういうわけではないがな」


俺たちが弟子になれるわけがないと納得した。


「腹も減ったし入った!入った!」


と俺らを門の前へとグイグイ押す。


「ザスタリアさん痛い」


親子のような3人は、建物の中に入った。


「でっか!」


楓は驚いた表情をして辺りを見渡している。


広場や医務室、休憩室、図書館、訓練場などいろんな部屋がずらり並んでいた。


「あそこが食事場だ」


ザスタリアは階段の上にある大きな食堂を指差した。


「でっか!」


彼女は上を見ながら口を開いていた。


「楓はその言葉しか言えなくなったか」


「だって本当にでかいんだよ」


そんなことを話しながら食堂の中に入る。


席はずらりと並んでいて、そこには多くの人が食事をしていた。


「ザスタリアおかえり!」


「ついに弟子か!?」


「今度俺に奢ってくれよ!」


と、食堂でもザスタリアは人気者だった。


慕われてるんだな。


席につき机の上にあったメニューを開いてみると聞いたことのないものばかりだった。


(値段も高すぎる。)


横を見ると楓も同じ反応をしていた。


(蒼鮭のムニエル 8600ガット…)


「金のことは考えるな。僕が全て払ってやるぞ」


「さぁ、2人とも何を頼むんだ。食べたいもんあったか?」


「いいのか?」


2人同時に反応した。


「君たち駆け出しだろ。金もそんな持ってないだろう。」


(確かにそうだが、)


盗みばかりをしてきた鷲鬼は少し変な気持ちになっていた。


メニューをしばらく見ていると注文は何かと接客の女性に問いかけられた。


「じゃ、私は、コーヒーで」


「なんだよ。もっと高いのを頼めばいいだろ。」


「太るのが怖いんだろ。」


鷲鬼は冷静に言葉で攻撃をする。


失礼なことは重々承知だが、遠慮してそうだったのでわざと反感を買った。


「っち、違う。」


突然デリケートなことを言われてびっくりしていた。


「じゃあ、海神潮水パスタで」


「僕は氷海クラーケンの炙り脚と蒼波エールで」


「俺は、、、」


「遠慮すんないっぱい頼め」


俺は遠慮なく気になった名前をあげた。


「水晶海老の天ぷらと蒼炎カレー、霧雨の白魚スープで」


(容赦ないな。貧民島出身だし、たくさん食べたいか)


「で、君たちはなぜ我が隊、水隊に入りたいのか?」


突然、興味津々な姿で回答しにくい質問が飛んできた。


思わず驚いた表情をとってしまいザスタリアは不思議そうに見ていた。


「俺がこの国を変えてやる」


(バカァー)


(何言っちゃってんの!正体バレるぞ)


ザスタリアは鷲鬼をじっと見つめていた。


鷲鬼は真剣だった。


「ブフッ」


ザスタリアはなぜか吹き出していた。


「今の力で本気でこの国を変えようとしてたのか?!」


「冗談はよしこちゃんだけにしとけ!」


彼は意味不明なことを言いながら、鷲鬼のことをバカにして笑っていた。


(確かに今の鷲鬼の力じゃ、国どころか街1つ守れないな。)


「それは…」


返事に困った様子


「それは今から強くなる」


「俺がいて良かったな!」


と自慢げに笑う。


脳筋なのか、それまた気を遣っていたのか、わからないが彼から理由を聞くことはなかった。


そんなことを話しているうちに料理がきた。


ザスタリアは誰よりも早く蒼波エールを飲む。


「これがないとやっていけないぜ!」


アルコールだ。


鷲鬼はじっと料理を見つめていた。


(これはなんだ。初めて見るものばかりだ。)


「怪しいものではないから食べてみるが良い!」


最初に天ぷらに口をつけていた。


(うっ、うまい!)


サクッとした衣に包まれたプリプリの海老。


鷲鬼はしばらく無言で食事をしていた。


「これはなんだ?」


彼にとったら見たことのない物体だった。


「これは卵って言ってな。カレーに入れて食べるとうまいんだ!」


そう言ってザスタリアは卵を手に取って代わりに割ってあげていた。


「ルーと混ぜて食べるんだ!」


普段では見ることのない輝いた目をしていた。


「うまい!」


「ってかなんで卵知らないんだ?」


(やばっ!二度目の失態してるし)


「私達、大したお金持ってなかったから…」


楓は急いでフォローした。


可哀想な自分たちを演じる。


「そっか、そっか。お気の毒に。たくさん食べなさい。」


ザスタリアはまんまと騙されてくれた。


(鷲鬼め!感謝しろよ。)


当の本人は黙々と食事をしていた。


鷲鬼のボロをフォローしながら食事を終え、ひと休憩していると外が騒がしくなった。


「なんだ?」


門の護衛をしていた人が焦った様子で走ってきた。


「ザスタリアさん!外に何者かが暴れてるそうです。」

鷲鬼と楓は数日一緒に過ごし、ザスタリアのフレンドリーさによってお互いの距離感が縮まってきたかな。

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