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第18話 淫乱殺人鬼

Side:タイセイ


 馬車が停まった。


「盗賊だ!」

「任せろ! 悪は斬る!」


 10人ぐらいだな。

 サクラが馬に乗って突撃。

 危なくなったら、ロックタイで援護するか。


 まあ、馬に乗っているから問題ないだろう。

 槍ではないが、背中の剣は馬鹿でかい。

 しかも、スキルなのか、剣から光が伸びている。


「あふん♡」


 サクラが変な声を出して、盗賊を両断した。

 光に当たっても斬れるんだな。


「ううん♡ ああっ♡」


 斬るたびに変な声を上げる。


「お頭、こいつ勇者教の淫乱殺人鬼ですぜ」

「不味い逃げるぞ! 撤退だ!」

「もっと、感じさせて♡ あふっ♡ くふん♡ どびゅどびゅ、いいっ♡ もっと、いっぱいちょうだい♡」


 どびゅどびゅって、血が出てるだけじゃん。


「びくびく感じちゃう♡ ああん♡」


 びくびくって、盗賊の断末魔のけいれんじゃないか。

 勇者教って、こんな奴らばっかりじゃないだろうな。

 おいおい、俺が運命の人だと分って、ロックオンされたらどうなるんだ。


 怖すぎる。

 盗賊はサクラが追い掛けて、全員始末した。

 財布の中には、やはりガルーの金貨。


 野営のポイントではないが、小休止。

 サクラは武器の手入れをしてから、馬の世話をした。


「おい、カップ麺とやらを出せ。戦闘して、腹が減った」


 カップ麺を作ってやる。


「ほらよ」


 サクラは瞬く間にカップ麺を食べた。


「こいつは美味い。お前が女ならメイドにして、可愛がってやったところだ」


 こいつ、女が好きなのか。

 まあ、ひとの性癖はそれぞれ。

 性癖は非難も否定もしない。

 だが、こいつは俺の手に余りそうだ。


「俺が女でもお断りだ」

「良く考えたら、婿も良いな」


 ロックオンしてないよな。

 頼むからしてないって誰か言ってくれ。

 怖いから口に出せない。


 もちろんロックオンしてるぞとか言われたら、全速力で逃げないといけない。


「あー、それもお断り」

「働かなくて良いのだぞ。お前みたいな詐欺師もどきには最高ではないか」


「お断りだ!」

「ふむ、やはり貴様は運命の人ではないようだ」


 かまを掛けられたってことか。

 油断も隙も無い。


「死体を放っておくと、モンスターを呼び寄せ、最悪では巣くってしまいます。死体を埋めるのに穴を掘るのはちょっと手間ですね。モンスターは鼻が良いので、浅いと苦労が無駄になります」


 ゲイリーさんが困ってる。

 スコップの一番安いのだと、1180円だな。

 特殊能力が穴掘りなら良いけど。

 間違ってたら、穴を掘りまくる仕事になるのかな。

 交代でやるとしても、少し勘弁してほしい。


 2メートルは掘って埋めないとたぶん駄目だろうな。

 昔の土葬がそんなだと、何かで聞いた。

 モンスターもそれぐらいは掘るだろうな。


 10人分を2メートルはつらい。

 ここで一晩明かすのは嫌だ。

 溶かすか焼くか。

 スコップの特殊能力に掛けるか。


 賭けるなら安いのにしたい。

 ゴミ箱なんてどうだ。

 100均のやつでいいな。

 買ってみた。

 邪魔なら、ここに捨てていっても良いからな。


 とりあえず、石を入れてみた。

 消える石。

 やった、ビンゴ。

 こうなれば、解体ナイフで切ってゴミ箱に入れるだけだ。


 掘って埋めるより何倍も楽だ。

 交代で、死体処理をする。


 30分ほどで、終わった。

 解体ナイフとゴミ箱のチートさまさまだ。


Side:サクラ


 タイセイという男。

 こいつは何者だ。

 詐欺師の匂いがするが、カップ麺ひとつとっても、こんなの貴族でも食べられない。

 天国の食べ物だと言われても信じてしまいそうだ。


 おかしいだろう。

 商人のゲイリーは何も言わないが、正体を言ったら逃げ出す幸運の神様だとでも思っているのかもな。


 ナイフを刺し込んだだけで、死体がバラバラだ。

 こんなの神器だろう。

 だが、神器としても下級の部類だろうな。

 刃が通らないと、効果が発揮されないと見た。

 結界系のスキルでもおそらく防げる。

 鎧や盾でも防げるやも知れん。


 ゴミ箱の有用性は凄い。

 ゴミ捨ての必要がないのだからな。

 これも下級神器クラス。


 火を点けるのに使ったライターという物も、金貨10枚出すという貴族もいるだろう。


 大したものではない。

 だが、詐欺師もどきが持つには過ぎた品だ。


 しかも、ゴミ箱をどこに隠してた。

 背負い鞄に入れたら、カップ麺が入らない。


 見たことのない商品。

 遠方の国なら、その国特有の訛りがあるものだ。

 商人だと言ってたが、金を取らない。

 カップ麺の代金を取らないのはおかしい。


 商人の行動らしくない。

 私にカップ麺をおごったのなら、恩を着せるような発言があっても不思議ではない。

 実に商人らしくない。


「ゲイリー、お前、タイセイをどう思う?」

「神官様、人間ではないような気がします」

「そうか」


 異質さを感じているのだな。

 神様だとは思いたくないが。

 悪人だという感じはしない。

 だが、胡散臭い。


 裏の者特有の匂いがするのだ。

 裏の者も、全員が悪人というわけではない。

 人助けをするような裏の者もいる。

 法律は平気で破るが、人助けのためにやむを得ない場合だけだ。


 そんな感じだな。

 人外の雰囲気はないが、異質さはある。


 運命の人だと思いたくないが、手助けはしてやっても良い。

 その時に、商人だと言うならカレールーを手に入れられないか聞いてみようぞ。


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