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3045  作者: みむめも
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3045/05/01 三つの提案

 アガートラムから聞こえた声はいつもと変わらないものであった。そして、すぐに空中に映した明細を消して、四方に広がった全てのアガートラムは私の前に整列した。その動きを見て、私はもうこれしかないと思い、頼み込んだ。


「あちらの人たちに、こちらの話を聞いてもらえるようできないだろうか?」

―あちら? 正面のシードの集団という意味でしょうか?

「……ああ、うん。それで、話を聞いてもらえるように少し落ち着かせることはできないかな?」

―鎮圧しろという意味でしょうか?

「いや、そんな物騒な事ではなくて、もうちょっと穏やかに」


 アガートラムからの言葉にある違和感をとりあえず無視して、もう少し穏便な方法を尋ねる。


―話し合いができるようにするというのであれば、方法はいくつかございます。

「あるの?」

―はい。現状を考えると有効な手法は三つございます。

「おお!」


 とりあえず何とかできそうだという期待感から自然と声が出た。


―まず、警察、外部公共機関に出動していただき、集会を解き、その後、改めて話を合いを行う事を提案いたします。

「……、次」

―次に、範囲指定を行いまして非致死性のガス、および、電流を用いて、

「ダメ。それは、駄目」

―三番目に、音による誘導を提案いたします。

「音って、どういう意味だ? 大声を上げるのか?」


 期待したものとは違う答えであった。警察に依頼するというのはこれまでの事を考えると無駄、ガス、電流は明らかにやりすぎに思える。そして、最後に出てきた音という回答に期待して、その詳細を求めた。


―はい。シードは矯正を目的として、ある音域の音を極端に嫌がるよう設計されております。その音を用いまして、一時的に抵抗の意思、および、自由を奪いまして、その後に、話し合いを行う事を提案いたします。

「」


 声が出なかった。いや、出せなかった。


(強制を目的として? 設計?)


 それまでもずっと疑問であったシードという存在が更に分からなくなる。言葉の意味をそのままとれば、すなわち、人工的に作られたという意味だろう。誰が?  そう誰が作ったんだ? 


―実行いたしますか?

「……いや、それもダメだ」

―他に方法というと、あとは強い光と音によるショック性の鎮圧なども可能ですが、資材の到着を待つ必要があります。


 こちらの困惑を気にしないで、アガートラムは確認をしてきた。もちろんそれに、反対を告げ、更に物騒な提案を聞き流す。


「他にないか? 何か、……いや、待て、もう一回、警察に連絡してくれ」


 どれもが物騒なアガートラムの提案を再度考え、ふと思い出した。バスから降りる際、ここが警察署前だとアナウンスされたことを。

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