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3045  作者: みむめも
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3045/05/01

「今、何時だい?」

―時刻は15時52分です。


 アガートラムに時刻を尋ねるとすぐに返事が返された。その返事を返された後、これまでずっと聞きそびれていたことを思い出した。


「今日は何月何日?」

―5月1日になります。


 アガートラムはそれにもきちんと答えを返してくれた。


 アガートラムの話をすべて真実だと信じれば、今日は3045年 5月1日、時刻は15時52分となる。日の入りは緯度経度、土地の高低でも変わるから何とも判断しづらいが、5月初めの頃ではまだ日は短いだろう。多く見積もって、あと2時間弱で夜になると考えられる。そのあとの問題は、ここで無理せずに一晩過ごすべきか、多少無理してでも、森を抜けるべきかその判断がつかない。 


「タダサン、全員に毛布を配ったよ」

「終ったわよ」

「タダサン、ありがとうございました」


 アガートラムからの言葉に考えを始めようとしたとき、毛布を配り終えたセン達がタイミングよく声を掛けてきた。


「ちょうど良かった。みんな、ここから町まではどのくらいかかるんだ?」

「どのくらい? うーん、結構かかるかな? 朝早くに出て、途中休憩挟んで、昼くらいに着いたから、」

「5、6時間くらいかしら」

「森を抜けるだけならば、たぶん2時間と掛からないと思いますけど、町まで行くなら、……、タダサン。もしかして、今から出発するつもりですか?」


 私の質問にセンとアールは町から森までの全工程にかかった時間を、ロックは私の質問の意図を察して不安そうな表情で答えを返してくれた。三人の答えを聞いて私の考えは大きく安全策に傾いた。


「そうかい、ありがとう。うん、行けたらなーって思ったんだけど、今から町までは無理そうだね。今夜は一晩ここで」

―町まで向かうということでしたら、バスなどございますが?

「すご……あるの?」

―はい。当病院は地域医療センターとして開業しておりますから、各地に向かうルートバスがございます。1時間に2本バスが走っておりますので、そちらにご乗車いただければ町に向かうことは可能です。森の中での野営に関しては、準備等が不足しておりお勧めできません。また、院内には他の患者様がおりますから、……、


 いきなりアガートラムは話に割り込み言葉を続ける。それを聞きながら、思いついた疑問が口から自然と出ていた。

 

「……そのバスって何時に出るの?」

―次のバスは16時に、その次は16時30分に出ます。

「場所はどこだ! 走れ! みんな、走れ!」


 振り返らずに、大きな声でそう叫んでいた。

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