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3045  作者: みむめも
59/204

????/??/?? 向かい合う

「違う、そんなことはない!」

「みんな、落ち着いて!」

「冷静に、冷静に話を、」


 良く知る相手からぶつけられた言葉、向けられた視線は三人をじりじりと追い詰める。既に三人は先ほどから一言も反論を諦め、ただ違うと叫ぶことに終始していた。


「セン、ロック、俺たちを騙したのか?」

「アールさん、目を覚ましてください!」

「こっちにこい! そいつに何を言われたか知らないが、思い出せ!」

「こっちに来るな! 喋るな! 騙されないぞ!」


 三人に対峙する集団も一塊ではない。疑いつつも信じたい、信じつつも疑いが晴れない。仲間であるか、敵であるか、正気なのか、異常なのか、判断できずにそれぞれ好き勝手に言い放ち、矛盾したまま三人と向かい合う。


 私はほぼ完全に蚊帳の外に放り出され、セン達三人と彼らの仲間たちは互いに正面から対峙する構造へと変化した。


 ごくりとつばを飲み込んだ。その音が誰に聞かれるはずもないのに、とても大きな音に聞こえた。


 この一連の流れの起点である自分に何かできる事はあるのか?


 緊張した空気の中でそれを考え、何もできないと結論に達する。

 ほんのわずかな刺激が何を引き起こすのか、想像できないそれは瞬時に膨れ上がり、様々な事と結びついていく。何かの言葉、わずかな動きがここにいる全ての人を一瞬で最悪の方向に落とすことが頭をよぎる。


―脈拍、呼吸の異常を確認しました。強い緊張状態にあります。深呼吸やストレッチ、軽い運動など行うことを提案いたします。


 その声を聞いた瞬間、心臓が本当に跳ね上がった。


 いつの間にか、すぐ隣に来ていたアガートラムからいつも調子で声が掛けられる。二つの集団はその声に一斉に反応し、向かい合わせた顔をこちらに向けた。


―多田様、脈拍に異常を感知しました。深呼吸をして、気分を落ち着かせることを提案いたします。


 集まる視線など気にしていない様子で、アガートラムからの言葉は続いた。

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