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3045  作者: みむめも
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白の遺跡 無力化

「おーい、みんな聞いてくれ!」


 ガラスの扉の向こう、一番初めに遺跡の奥に消えたはずのセンの元気な声が響いた。その瞬間に、外で待つ彼らの間にあった見えない緊張、こわばりはあっという間に霧散した。


「セン! 良かった」「無事だったのか」「この馬鹿野郎、心配させて!」「怪我はないか?」「あれ、二人はどうした?」「アールとロックは?」 


 外で待つ十数人が一斉に言葉を口にする。長時間森の中で待たされて、いつの間にか出来上がった見えない箱、壁の中、もしかしたらと無駄に燃やされた気持ちが消える寸前、センの声がその壁を突き破り、新鮮な空気が送り込まれる事で大爆発を起こした。


「待って、待て、待て! 一斉に喋らるな! 二人は無事だから、とにかく、先に俺の話を聞いてくれ!」


 その大爆発の勢いは凄まじかった。一人一人の言葉は短いが集まることでそれは大きな奔流となった。しかし、その言葉の勢いに一歩も負けない大きな声がガラスの扉の向こうから響いた。


 思いもよらないセンの反撃に数では圧倒するはずの彼らが飲み込まれた。一番聞きたかったアールとロックの無事が先に明言化されたことも大きいが、それ以上に強い感情が込められたセンの言葉に黙らされた。


「よし、じゃあ、まず、武器を捨てろ。それを持っていると俺たちは外に出れない。次に、その焚き火を消してくれ。分かったか?」


 その場が静かになったことを確かめてセンは要求を口にした。その内容を聞いて、全員顔を見合わせた。それだけ? 言葉にこそ出してなかったが全員が同じ思いを抱いた表情を浮かべる。 


「おーい? 分かったか? 武器を捨てて、火を消すんだぞ? 出来るか? それができないと外に出られないんだ。とにかく、頼む!」

「ああ、わかった」


 こちらの無言が気になるのかセンは言葉を続ける。最終的にはこちらにお願いするような形でガラスの向こうで手を合わせていた。


 その姿に、それ以上理由を聞かずに一番扉に近い者が答えた。彼は抱えていた槌をゆっくりと地面に下ろし、そこから数歩離れ、手を上に上げた。それを皮切りに、武器を持っていた物はそれを地面に置いて少し距離を取り、同じように手を上に上げた。武器の類を持っていなかった者は代わりにバチバチっと音を立てる焚き火に土をかけ、その火を消した。


 一分と掛からずにセンが要求したことは叶えられた。作業が終わり、全員がそれ確認してセンの方に顔を向ける。


「ありがとう! じゃあ、今、呼んでくるから、少し待っててくれ! 」


 センはそれを確認すると感謝を口にして、くるりと体を反転させ走り出した。

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