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3045  作者: みむめも
50/204

????/??/?? 判断

「お願いしたいのは、外にいる人たちに焚き火を消して、武器を持たないでと伝えてきてほしいのだけど」

「それだけ?」

「うん。とりあえず。それだけ言えば大丈夫だと思う」


 ここまでのアガートラムの動き、言葉を思い返すと、私の安全が確保される事を最優先にしたいという趣旨の内容が多い。それ以外では、望むことに対して出来る限り満額の回答がされている。

 なので、今回もこのアガートラムが拒否する理由を先に潰して、許可を出すしかない形にするための方法を考える。


 外にいる集団が武器を持ち、焚き火なんかしているから、警察や消防に対応してもらうまで外には出られません。


 アガートラムがこちらに対して、伝えた内容は大きく分ければ二つの事だけである。

 一つは外に人がいる事、それも外にいるのは武装して、焚き火などの迷惑行為をしている人がいるという事。もう一つは、それを外部の公共機関に通報したという事の二つである。


 このうち、アガートラムが重要としているのはどちらなのか?


 これまでの言動を思い出すと、考えることなく私の安全が確保されることが重要であって、つまりは外にいる集団という脅威が消えれば外には出られるはずである。

 武器を持っている。迷惑行為をしている。警察、消防に通報した。全ては私の安全を優先するためのものでしかない。


 ロックの言葉から、外にいるのは彼らの友達らしいことは分かった。しかし、その情報だけではアガートラムの判断は覆らない。だから、センを介して外にいる集団に武装の解除と迷惑行為の後片付けをさせれば、アガートラムには外に出ることを止める権限はなくなるはずだと踏んだ。


「分かった。じゃ、いってくる!」

「タダサン? センだけ? 私たちには何かないの?」

「僕らもセンと一緒に説明してきますか?」


 センはこちらからのお願いに元気のいい返事を返してくれた。そのセンに対して、嫉妬とまではいかなくても、彼だけにお願いしたことに他の二人から少しばかりの抗議が上がる。


 何となく、距離が一番近いセンにお願いするのが楽であったというのが一番であるが、もしかしたら、別の考えも頭の隅にあったのかもしれない。二人からの不満を聞いて、それらしい答えを用意するために更に言葉をつづけた。


「二人には、もう少し聞きたいことがあって」

「聞きたいこと? さっきのけーさつとかいうやつ? 本当に私は知らないわよ?」

「タダサン、聞きたいこととは何ですか?」

「いや、立ちっぱなしもなんだから、アガートラム、座れる場所はないか?」


―正面ロビーまで案内いたします。


 ずっと動かなかった車いすはまた音もなく動き出した。

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