????/??/?? 反応
「え?」
久しぶりにかけられた言葉に上手く答えられなかった。
「だから、これ! タダサンみたいにしても何も出てこない!」
「いや、それフタを開けないと、」
「ふた?」
「……貸して」
「はい」
センは素直に自分の分のパウチパックを渡してくれた。先ほど彼が力いっぱい握ったはずのそれは傷はおろか、しわ目もなく自分の手にあるモノと全く一緒に見える。口にくわえて少し汚れたフタを軽くふき取り、先ほどと同じように軽くひねるとパキッと小さく音がし、そのままふたを外して彼に戻した。
「はい、これで開いたから」
「おー、ありがとう、タダサン」
「いいよ、これくらい」
「セン、ちょっと待って」
パックを受け取るとセンはお礼もそこそこにすぐ口にくわえた。そして、外から見ているのが楽しくなるほど、はっきりとした感動を彼はその全身から見せてくれた。
「オー! え? 凄い! 何だこれ! ロック、アールも食べてみろよ! 味が変わるぞ!」
そしてすぐに、その感動をまだ味わっていない二人に体験することを進める。その言葉を受けてアールとロックは互いに相手の顔を見て、そのあと自分の手元にあるパックを見比べる。そして、ゆっくりとした手つきで飲み口のフタ部分を握り、それを引っ張り始めた。しかし、女の子のアールはもちろん、それなりに力がありそうなロックでもそのフタを無理やり引き抜くことはできなかった。
何度か挑戦して、再び二人は手元から頭を上げ、互いの顔を見る。心なしか、頭の上の耳がしおれ、元気がなさそうに見える。
「えーっと、開けてあげようか?」
その光景を見いて思わず、そう声を掛けた。
その言葉に二人が見せた反応はセンに負けないくらい素直なものであった。バッと音が聞こえるような速度でこちらに顔を向け、しまったという顔をして、そのまま下を向く。
「いいよ、開けるのは難しくないから」
「い、いや、でも」
「……」
「オー! また変わった! スゲー、何だこれ! 」
「貸してみて」
「はい、」
「……、」
それでも少しばかり抵抗していた二人は、センの言葉が最後のとどめになったのだろう。興味の方が勝り、最終的にそれを渡してくれた。
渡されたパックを開ける前に、一度ふたの部分を引っ張ってみた。それはまるで一体化されたようモノのようで外れる気配がしない。握りしめても、ある一定の部分から先は強く反発してそれ以上は指が沈み込むことはない。
しかし、先ほどまでと同じようにフタの部分を軽くひねるとそれはパキッと小さな音を立ててすぐに外すことが出来た。
小さなことだがそれを確かめた後で、フタを外したそれを二人に戻した。アールとロックはそれを受け取ると小さく頭を上下させた。そして、せーので同時にそれを口にくわえ、その味を確かめ始める。
二人の反応はセンと比べるとだいぶ大人しいものであったが、距離が少し縮まった気がした。




