????/??/?? 推理
警戒システム、警戒システムね。うん、分からん。もう少し詳しく聞いておこう。
「えっと、警戒システムというのは、その、どういったもの?」
―警戒システムは、警備システムの一部です。主として三つの事を目的として作られたものとなります。まず第一に、院内の施設の定期巡回、設備の保守、点検を目的としたものがあります。これは通常時の業務として
「ストップ、それ以上はいいから、えっと、その、警戒システムは、えーっと、」
―はい、警戒システムは?
質問が漠然としすぎたせいか、予想外に長々とした警戒システムそのものについての説明が始まった。急いで、それを止めて、何と聞くべきか考える。目の前にいる三人から聞いた話の中で出た情報、言葉を思い返し、今、確認するべきことを頭の中でまとめる。
まずは、コチラを睨む少女アールなんと言ったのか?
彼女は肩口にいるアガートラムを見て、ガーディアン、警戒システムを操作できるのか聞いてきた。つまり、アガートラムがガーディアンに見えたという事だ。
同じモノかどうかは分からないが、アガートラムの姿、動きを見てその可能性を考えたのならば、おそらくガーディアンも丸く、空を浮かんでいるのだろう。先ほどの警戒システムの説明通りなら、ガーディアンは多目的に行動ができるように組み込まれているらしいから、彼ら三人は空飛ぶ謎の物体にずっと追いかけられたのだろう。想像すると、確かに怖い。
ではそのガーディアン、警戒システムをこちらが操作できるのかどうかという事ならば、おそらくはできない。普通に考えれば、警戒システムを外部の人間が動かせるはずがない。アガートラムは補助端末だと説明していたから、それが他のシステムに介入できる権限があるとは思えない。もしくはガーディアン達に指令等を下す何か上位のシステムを探すべきか?
「あー、警戒システムの操作等はどこで、」
いや、待て、そもそも、なんで彼女はガーディアンを操れるのか聞いてきた?
彼らが一番初めにコチラに要求したのはなにか?
コチラを呼び止め、あれほど大きな声を上げて要求してきたことは何か?
センと呼ばれた少年が何度か口にした言葉を思い出す。彼は外に連れて行けという事をことあるごとに繰り返した。アガートラムと交わした外に出るという会話が聞こえた三人はコチラを頼った。彼らの目的、一番の望みは、おそらくは建物の外、外に出たい。しかも、安全にという事が彼らの第一の目的である。
筋道を立てて、頭をフル回転させて三人から聞いた言葉から推理する。
―警戒システムは、
「待って、今のはなし。えーっと、この子たちも連れて外には出られる? その警戒システムに追いかけられない?」
―……警戒システムには侵入した集団の武装解除、抵抗の意思放棄を報告しましたので、抵抗する意思を見せなければそれ以上行動は起こしません。また、警戒システムは院内のみでの活動となりますから、外に出られれば、それ以上の追跡等は行えません。
「オーケー。分かった。ありがとう」
その答えを聞いて、コチラを不安そうに見る三人の方に笑顔を向けた。




