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3045  作者: みむめも
28/204

????/??/?? 説得

「待ってー!」「連れて行って!」「置いていかないで-!」


 後ろから聞こえる声はとにかく心に訴えかけてくる。どう聞いても涙交じりの子供の声で、それがなにか凶悪な事をしでかす者の声には聞こえない。とうとう最終的には叫ぶ言葉は立ち消え、ただわんわんと泣く声が響いた。


 その叫びが遠く、小さくなったころ、車いすはゆっくりと停止した。


―脅威からの安全距離を確保しました。緊急行為の為、安全面での不足があったことを謝罪致します。以下、不都合がございましたら……


 肩口にいたアガートラムが停止の理由を説明し、長々とした謝罪と合わせて訴え出る際の手続きを説明し始めた。


「いや、そんなこといいから、彼らのところに戻って」


―後遺症など、……、武装集団への安全距離以上の接近は認められません。多田和人様への脅威、危害を加える可能性が確認されて


「脅威って、あれは子供だろ? しかも泣いているし」


―おり、……、脅威に関して、年齢等は考量されません。彼らは近距離、第三警戒レベルでの武装を解除していないので、抵抗意志を有していると判断されます。


「武装? 分かった」


 アガートラムからの説明を聞き、分からない言葉を無視して考える。要約すれば、何も武器を持っていないなら、近づけるという事だろう。まだ万全ではない硬い体を後ろにひねり、すぅーっと息を吸い込んで声を張り上げた。

 

「おーい! お前ら、何かわからんが、助けてやる! その前に、何か武器持ってるのか? それを遠くに捨てろ! そして、手を上に上げろ!」


 コチラの声が向こうに届くのか不安はあったが、少し間を開けて、カランガランと金属と固いものがぶつかる時の音が建物中に響いた。


 良かった。とりあえず、本当に悪い奴らではなさそうだ。


「捨てたかー? 今からそっちに行くけど、手は下ろすなよ!」


―お待ちください。先に武装の解除を確認するために、警戒システムを動かします。


「ん、もうちょっと待ってくれー! 先にこっちの丸いのが行くから、」


「ひぃ―! こっちに来るな!」「セン! 落ち着いて、まだ、あの人を信じて!」「落ち着いて、まだ、」


 説明が前後してしまい、何か悲鳴が上がった。

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