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3045  作者: みむめも
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白の遺跡 二階

「とりあえず、別の階段を探そう。出来る限り離れた場所、そこから、下に降りて外に出よう」


 二人からの問いかけにロックはそう答えた。それを聞いて二人は別の表情を浮かべるが、それ以上の質問をすることはなく三人はまた一組となって遺跡の中を動き始めた。


 遺跡の中を回り始めてすぐに三人は先ほどまでいた下との違いに気づく。


 ここ、二階部分は通路が一階よりも狭く、まっすぐと続いていた。歩く先から明るくなるので、どこまで続くのか分からないが、下に比べてずっと分かれ道は少なかった。そして、最大の特徴としては、壁の両側に規則正しく扉が何枚、何十枚と並んでいるという事である。


 扉には鍵がかかっているのか、いくつかセンとロックが力いっぱい動かそうとしても開けることはできなかった。耳を押し当てて、扉の向こうを確認してみたが、どうやらそこにあるのは無人の部屋のようであった。


 三人はそれこそ初めはとにかく緊張しながら、ゆっくりと警戒して進んでいった。一つ一つの扉を確かめるようにして、何か不測の出来事が起きないように一歩進んで、すぐに後ろを振り返るようにしていた。しかし、何も起きなかった。


 下ではうじゃうじゃといたガーディアンも不思議なオブジェもここでは全くいない。嘘のように彼らの姿を見ることはなかった。


「これって、どういう事かしら? 本当にこれでいいの? 何か、」

「止めろよ! 何かって? なんだ? いないならいいじゃないか。なあ、ロック、お前もそう思うよな? な!」


 アールは上に来てから感じていた不安、そして下とのあまりの違いに、それまでずっと我慢してきた言葉を口にした。

 すぐに過剰な反応を返したのはセンであった。


 アールの感じたそれは一緒に歩くセンもだんだんと胸の中で募らせていたモノであったが、彼はそれを表に出したくなかった。だから、アールの言葉にかぶせて、わざと大きな声上げ、ロックに同意を求めた。


「……ガーディアンたちは階層ごとにしかいないんだ」

「「え?」」


 ロックは二人に対して、少し間を開けて小さな声で別の答えを口にした。


「話したよね? ガーディアンはここから離れないって」

「う、うん」

「あ、ああ」

「昔、聞いた話では、彼らはこの遺跡を自由に徘徊している訳ではないんだ。さらに遺跡の中で細かく縄張りを持っていて、そこから出てこないらしい」

「え、それじゃあ、つまり」

「ロック、それは本当か?」

「分からない。でも、今のところそれは本当らしい」


 ロックからの話を聞いて、アールは一つの事を思い付き、彼に尋ねようとしたが、それを隣に歩くセンが遮る。彼はロックの言葉を聞いて、早口に興奮したように詰め寄った。


「なんで! 先に言わないんだよ! じゃあ、助かったんだな! あいつらここまで来ないってことだろ!」

「……うん、あいつ等は、たぶん来ない」

「よっしゃー! じゃあ、少し休むべ、足が痛くて、」

「あいつ等はって、やっぱりじゃあ、」

「……分からない。誰も知らない話なんだ。でも、下であのままいるよりは、こっちの方がもしかしたらと思ったんだ」

「なんだ、二人とも?」


 ロックの話を聞いて、センとアールはまた違う結論にたどり着く。そして、おそらく、話しているロックもアールと同じ考えを持っていた。

 二階に上がるという事に一筋の希望を持っていたのは、彼であった。

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