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3045  作者: みむめも
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白の遺跡 活路

 先ほどと変わらない姿で吊り下がった不思議なオブジェを確認すると、その奥から聞きなれた甲高い羽音がまた響いた。


 何度も姿を見たガーディアンがそのオブジェを目掛けて飛んできた。しかし、今までただの球体であったガーディアンに今度は何か長いヒモのようなものが二つ垂れ下がっていた。ひらひらと動くそのヒモにロックは言い知れない不安を覚えた。第六感的な直感を信じて振り返った。


「こっちは駄目だ。通れない」


 ロックは先ほどと変わらない姿で存在する不思議なオブジェとより危険度が上がったガーディアンを見て、後ろにいる二人にゆっくりと首を横に振ってそう伝えた。ロックの言葉を聞いて二人は何も言わずにその提案を受け入れた。


 先ほどの目を閉じていても感じた強い光と未だに頭の中で鳴り響く物凄い音、何が起きたのか分からなかったが、何か恐ろしいものがあったのだと二人はそれだけは理解した。


 そして、三人は来た道を引き返し、別の出口を探し始めた。


 今度はより慎重に、周囲に気を配り、神経をすり減らしながら、三人はあの爆発する不思議なものと甲高い羽音を避けて行動する。


 何度目になるか、物陰に隠れてガーディアンをやり過ごした後、大鉈を持ったセンが泣き出しそうな様子で言葉を吐いた。


「も、もう無理だ」

「そんなこと言わないで、ほら、落ち着いて」

「無理だろ? どこにも逃げ場がない! あいつらそこら中にいるじゃないか!」

「それは、……そうだけど、でも、どこかに」

「どこだよ! それは!」

「どこかよ! 少しは考えなさい」

「……二人とも、落ち着いて」


 逃げ場がないという不安がだんだんと確信となり、表に顔を見せ始めるとセンとアールの言葉は熱を帯びた過激なものとなった。声を抑えながらもその言葉に込められた思いはほとんど絶叫に近く、ぶつかり合う二人の言葉はどちらも感情的であった。


 ロックは二人を諭すようにゆっくりとした言い方でその口論を止めに入った。アールはロックの言葉にすぐにセンから目を離し、どこか違う方向に目を向ける。センは言葉を向ける相手を失い、誰とも目を合わせないように顔を下に向ける。

 気まずい沈黙が三人に訪れた。

 

「……うん、決めた」

「なんだよ」

「なに」


 その沈黙をロックが破った。


「上に行こう。階段を上ってあいつらから逃げよう」


 ロックの提案は実にシンプルなものであった。ガーディアンがそこら中にいるならば、そこからいない所に逃げるという内容の提案。


 それに二人は、すぐに噛みついた。


「あいつらはすぐに追いかけてくるだろ?」

「上に逃げる? 上からどうやって外に出るの?」

「……、ああ、でも、このままでいるよりも、いいと思ないか?」


 ロックが年相応の悪さを企む子供の笑顔を浮かべると、二人は言葉に詰まった。

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