白の遺跡 吊り下げ
ガチャンっと大きな音を響かせてガーディアンは勢いよく壁にたたきつけられ、バチバチと火花を飛ばした。
あっという間の出来事に、ロックとアールは何もできずにいた。センは空中で大鉈をガーディアンに叩きつけた後、バランスを崩して床を転がった。しかしすぐに、起き上がり、自分の成果に目を向けた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
センは荒く呼吸を繰り返し、油断なくその様子を睨みつけ、大鉈を握りしめる。ボンとひときわ大きな火花が散った後、ガーディアンは完全に沈黙した。
「はぁ、ははは、やった、やった!」
興奮が含まれた笑いをセンは口にした。訳の分からない相手に一矢を報いたという事実に震えるような喜びを覚えていた。
「やったじゃない! お前、これは……、」
「どうするの? ねぇ? 逃げましょ、はやく」
センがやり遂げた、敵を倒した満足感を得ているとするならば、対照的に他の二人は、どうしようもない不安を感じていた。なぜならば、ガーディアンは別に倒した一体だけではない。何体も、下手をしたら、何十体もいる相手なのだ。ここで倒したことが、何か重大な事に繋がるのではないかという漫然とした不安を覚えた。
―武装集団の抵抗を確認。非殺傷目的でのテイザー、および、圧縮弾の使用許可します。
今までの響いていた声とまた違う響きの言葉が聞こえ、ガチャンと曲がり角の先に何かが動く音がした。
「な、なんだ?」
「な、なにが?」
「あれ?」
三人は音がした方向に顔を向ける、そこに見えたのは天井から人の頭ほどの大きさの球体がいくつも吊り下がった不思議な形のものであった。
「何だ、あれ?」
「……待て!」
興奮覚めないまま、鉈を構えて近づこうとするセンをロックは力強く押さえつける。その意外なほどに、強い力にセンは顔をしかめるが、血走ったロックの目に何も言えなくなる。
センをアールに任せて、ロックは壁にぶつかって沈黙したガーディアンの破片、ちょうど良い大きさのそれを掴んで、息を大きく吸い込み、曲がり角の先、天井から吊り下がった不思議なモノの正面に出て、それを力いっぱい投げつけた。
「伏せろ!」
投げると同時にロックは大きな声を出し、体を小さく丸めた。その突然の行動にセンもアールも同じように動いた。そして、その後すぐに、連鎖的に大きな音が響き、何か真っ白な光と強い風が吹きぬいていった。
音が止みしばらくして、ロックがおそるおそる顔をそちらに向けると、吊り下がった不思議なものは消えていた。
それを確認して、ロックは二人に声を掛けようとした瞬間、またガチャンと大きな音が響いた。
「え?」
そこには、先ほどと同じ球体が吊り下がった不思議なオブジェが存在した。




