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3045  作者: みむめも
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白の遺跡 作戦会議

 ロックの話を聞いてから三人は部屋の中を探し、何か手はないか懸命に考えた。部屋は、他の場所同様に人が動くとその部分が明るくなる仕掛けがされていたので、探すことは難しくはない。

 この部屋は何かの物置にされていたのか、良くわからない箱がいくつか並び、他には何十枚も大きな布が綺麗に仕舞われているだけであった。


 この遺跡全体にも言えたことだが、長く放置されていたはずなのに、どこも掃除がされホコリやチリがない、とても綺麗な状態であった。それこそつい先ほど、誰かが掃除をしたかのような綺麗さであった。

 誰かが定期的に毎日遺跡の中を隅々まで掃除をしている。部屋を探しながら、アールはふとそんな風に考えた。


 町や近隣の村の共同財産として管理されているから、掃除自体は定期的掃除されているのかもしれないが、全ての部屋を隅々まで、ホコリやチリがない状態まできれいにする、というかできるのか?

 鍛冶職人を営む父の仕事場が常に掃除され、整理整頓されているのを見ていた彼女には、その労力がどれほどのものか理解できていた。


 だれかが来て、いや、それとも、この遺跡にいる人が? 人はいないけど、魔物ならばいる。彼女はあの空を浮かぶガーディアンと呼ばれる魔物が掃除をする様子を思い浮かべていた。


「駄目だ、窓はない」

「こっちも、外には出れそうにない」

「やっぱり、出口はそこだけか……、問題は、鍵か」

 

 アールがそんなことを考えているとは知らずに、センとロックは部屋を探した結論をまとめる。

 部屋に逃げ込んだ時から窓がないことは分かっていたが、それでも、どこか都合よく外に出られる仕掛けがないか少し期待しながら探していた。しかし、そう都合のいい展開は訪れず、改めて作戦を今後の作戦を考える。


 といっても、何とかして外に出るという事だけが作戦の最終目標であり、第一段階のこの部屋から出るという事だけを考えるものであった。


「鍵か、かかっているだろうな」

「そうだな。ガチャって聞こえた」

「思いっきり体当たりしたらどうだ?」

「分かんねーな」 

「アールはどう思う?」

「おい、デカブツ、やけに静かだな、何か見つけたのか?」


 センとロックは二人でどんどんと手を考え、考察する。すぐに考えが詰まり二人と少し離れたところでじっと考え込んでいたアールに声を掛ける。


「え、あ、なに?」

「え、聞いてなかったの? アール大丈夫?」 

「マジかよ、……、大丈夫か? 疲れたのか?」

「違うわよ。それで、どうするの?」


 様子のおかしなアールを心配して二人は近づいてくる。まさか、ガーディアンが掃除している姿を想像していたとはいえずに、アールは二人に質問をしていった。結局、彼女が感じた疑問は共有されることはなかった。


 三人はその後いくつか手を考え、話し合い、一つの結論にたどり着くのはそこまで時間がかからなった。


 アールとロック、センは鍵が閉まったドアに音を立てないように静かに近づき、そっと耳を当てる。ドアの向こう、外からは相変わらず声が響き、ガーディアンの甲高い羽音がいくつも聞こえた。


ー施設への侵入を確認、警備システムが起動します。入院中の患者様は安全が確保されるまで、絶対に病室から出ないでください。繰り返します。入院中の患者様は安全が確保されるまで、絶対に病室から出ないでください。……、


 先ほどから繰り返し聞こえる言葉に変化はない。また、集まったガーディアンはこちらに対して、まだ、何もしてこようとはしていない。


 それを三人がそれぞれ確認すると、次にロックがゆっくりと扉の持ち手を握って動かし始める。最初は慎重に、徐々に力を入れていく、ドアはガチャガチャと小さな音を立てるだけで、開く気配はなかった。ロックの動きで、ドアにはやはり鍵がかかっていると知った二人はスッとドアから離れ、壁にピタリと寄り添い、それぞれ武器を構える。


 ロックは二人が位置についたのを確認してから、そっと持ち手から手を放して、壁とドアとの接合部分、蝶番となる金具にナイフの刃先を当てた。


 ドアの蝶番を壊して正面突破


 三人がわずかな時間で組み立てた作戦はこういったものであった。

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