デート
間が空いてしまいましたが、よろしくお願いしますm(_ _)m
この世界には火、水、風、土の4属性が存在する。魔法も同じくこの4属性。
しかし、ごく稀に特殊な属性を持った者が存在する。それは生れつき、または努力の結果得た魔法属性。そして、自分と契約した天使が特殊な属性を持っていた場合。
特殊な属性にはいろいろあるが俺は光と闇。さらには2つの天使と契約をしているというレア中のレアというわけだ。
ちなみにベアトリスの天使であるネロも闇属性だ。
そしてやっと訓練が終わり教室に戻っているところなのだが…
「ねぇねぇ!さっきのすごかったね!」
「どこかで剣術学んでたの?」
「好きな食べ物は?」
さっきからずっとこの調子だ。話ができる人が増えるのは嬉しいがいっぺんに喋らないでほしい。しかもアリスが遠くで不機嫌そうにしているのだ。
…何かしたのか俺…
いくら考えてもわからないし、女の子が周りを囲んでいてとても歩きづらいからやめてほしい。
そして帰りまでこの状況は続いた。
授業が終わり消灯まで自由時間なのだが女の子達は帰ることなくずっと話しかけてくる。一緒に帰りましょうなんて言ってくる子がいるもんだから大変だ。
反応に困っていると、とても不機嫌…いや怒っているアリスがこちらに歩っ…迫ってくる。
…なんかやばいぞこれ
自分の中の本能が警告している。しかし逃げられる場所などない。
女の子達もアリスの不機嫌オーラに気圧され道をあける。
すると目の前まで来たアリスは「ハヤト!帰るわよ!」なーんて言って俺の手をとり教室から出ようとする。
女の子達はポカンとしていたが次第に我にかえるとアリスの発言がどういう事を意味しているのかキャー!キャー!言いながら詮索していたことを俺たちは知らない。
「ア、アリス!ちょっと待てよ!急にどうしたんだ?」
「うるさいバカっ!!帰るのよ!!」
うわー。これは結構やばいぞ。何やらかしたんだろー…
いろいろ考えてるうちに部屋に着いてしまった。
そして部屋の中央に連れてこられ
「…正座…」
「はい?」
「正座しなさいって言ってるの!!」
「は、はいっ!」
もうそれは綺麗なダイビング正座を決めた。やっぱり朝の胸を触った事がバレてたのか…でなけりゃこんなに怒らないだろ…
どのタイミングで謝ろうかと悩んでいるうちにアリスが話し始める。
「ハヤト?あの訓練の後から女の子に囲まれて随分と楽しそうだったわね?」
「い、いやー、そんなに楽しそうにしてましたかね?」
自然と敬語になってしまう。
「それは嬉しそうに鼻の下を伸ばしてたわよ?」
そんなに伸びていたのか!?アリスの不機嫌さが心配で気づかなかった…
「でもハヤト?あなたはこの前なんて言ったか覚えてる?」
この前って言うのは昨日のことだろうか?だったら…
「どこにも行かない…か?」
「そうよ。ハヤトはどこにも行かないって言った。なのに今日のは何なの!?他の女の子に鼻の下を伸ばして!」
あー…これはあれだな。なんて言うんだっけなー…あ、思い出した。
「もしかしてアリス…嫉妬してるのか?」
一気に赤くなるアリス。図星だこれは。
「そ、そそそそんな訳ないじゃない!し、嫉妬なんてなんで私が!」
「他に考えられないし、あれか?家事してもらえなくなるかもしれないとか思って心配になったんだろ?」
「そんな事じゃないわよ!」
「じゃあなんで嫉妬なんてしたんだよ」
「そ、それは…し、知らないっ!もう寝る!」
いやいやまだ18時前ですけどー?
でもしばらくそっとしておくか。触らぬ神に祟りなしってやつだ。でもあとでちゃんと聞こう。じゃないとまた同じ事になりかねない。
しばらくして夕飯の支度を始め、テーブルに並べ終えるとアリスを起こす。
「アリス、夕飯できたぞー」
起きてこない。まぁこれは予想済み。
「昨日好評だったキャロットスープにしてみましたー」
これでどうだ?
するとニョキニョキっとベッドから起き上がり、無言で座って黙々と食べ始めた。
まだ不機嫌なようだ。そういえば明日は授業はなく1日休みだったな。
そして良いことを思いついた。
いまだ黙々と食べているアリスに慎重に話しかける
「そういえば明日は学院休みなんだよな」
「…だからどうしたのよ」
反応したな?それならもうこっちのもんだ
「実は買い物に行きたくてさ。ほらベッドも1つじゃ足りないし、他にも色々買いたいものがあるんだ。だからアリスに付き添って欲しいんだけど?」
「…べつに1人で行けばいいじゃないの」
「いや俺ここら辺の店とか来たばっかりだから分からないしさ、しかもまた女の子に囲まれるかもしれないだろ?」
その女の子という言葉を出すとアリスのポニーテールが微かに揺れた。
「でも先約のアリスがいるとなれば寄って来づらいだろ?デートとか思うかもしれないし」
今度はデートと言う言葉にポニーテールが大きく揺れる。
「…デート…?」
おぉっ!?これはいい反応!あと一押し!
「そうそうデート!いいだろ?」
実は俺はデートを男と女が遊ぶくらいの感覚でしか捉えておらずもっと深い意味があることまでは知らなかった。だからこんなに軽くデートと言う言葉が出てきてしまった。
「デ、デート…ハヤトとデート…
うん!行く!」
よし!作戦通りだ!あとは明日の買い物でアリスの機嫌をとる!
「じゃあ約束な!起きたらすぐ行くぞ!」
「えぇ約束ね!」
なんかもうこれだけで機嫌がとれてしまったみたいだ。でもアリスと買い物に行けるのだから行っておこう。
そして夕飯の後片付けを終え、ベッドに座るとアリスから話しかけてきた。
「そういえばあなたの天使ってどんな姿をしてるの?さすがに剣の姿ってわけじゃないでしょ?」
「そうだな、紹介してたほうがいいかな」
そう言うと両手の甲に紋章が浮かび光り出す。すると目の前に、真白な小さめの鳥と真黒な猫が現れる。
「言ったからもしれないが、白いほうがアルジェント、黒いほうがシュヴァルツだ」
アルジェントがシュヴァルツの上にとまって落ち着いている。これがベストポジションなのだろう。
「へー、もうちょっと強そうなのをイメージしてたわ」
「まぁ基本的に姿は強さと比例するわけじゃないからな」
「そうね。でもあなたよく契約できたわね?光と闇の天使だなんて本当に稀にしかいないのに」
「…あぁそうだな」
「あ…なんか嫌なこと聞いちゃった?」
「いや、少し昔の事を思い出してな…」
そう言ってハヤトは懐かしいような寂しいような…悔しいような表情をしていた。
「今日は俺が先にシャワー借りていいか?ちょっと汗かいちまってな」
「え、えぇいいわよ」
「悪いな」
そして部屋を出て行ってしまう。
なんか嫌な事思い出させちゃったのかな…
誰にでも思い出したくない過去はある。
私にも…
そして今日はそのまま寝る事になった。明日のデートへの期待と不安を抱きながら
最後まで読んでもらいありがとうございましたm(_ _)m




