第25話 侍女の友達
ソフィーは、外套を脱ぐ前に話し始めた。
玄関で出迎えた使用人に外套を渡す前、腕を袖から抜いている最中に、廊下で私の顔を見つけてそのまま歩いてきた。歩幅が広く、速い。外套が半分かかったまま廊下に入ってくる。その歩き方は、普段の夜会の夜に並んで立っているときとは、全く違う種類の速度だった。
使用人が困ったような顔で外套を受け取りに後を追っている。
「聞いて。マルグリットのこと、調べてみたの。彼女の侍女と友達なんだけど——マルグリット、屋敷から出ていないらしいわ。でも病気じゃないって。部屋に閉じ込められてるみたいって」
一息に言った。
応接間に入る前に廊下で全部言ってしまった。
ソフィーの顔を見た。頬がわずかに赤い。廊下まで速足で来たせいか、あるいは別の理由か、今の段階では区別できない。
「……とりあえず、中へどうぞ」とだけ言って、先に歩いた。
ソファに向かい合って座った。
ソフィーがまだ少し呼吸が速い。いつもは姿勢が整っていて、腰の位置が動かない。今日は座りながら少し身を乗り出している。手袋を外すのを忘れている。外套も着たままだったのを、ここで気づいて使用人に渡した。気づくのが遅れるくらい、今日は急いでいた。
「病気ではないというのは、侍女からの情報ですか?」
「そう。彼女が言ってた。部屋のご様子はわかるって。食事は普通に食べているし、顔色もいい。ただ、扉に外から鍵がかかってるって」
「三週間、ずっと」
「そう。昨日の時点でも」
窓から春の昼の光が入っていた。薄いカーテン越しに、部屋の床に四角く落ちている。ソフィーがそこに座っているので、光の中にソフィーの手の影が伸びていた。
「なぜあなたはそこまで調べたのですか?」
少し間があった。
ソフィーが手の位置を変えた。身を乗り出していたのが、少し引いた。考えているというより、思い出している間だった。
「……去年のデビューの夜会で、少しだけ話したの。すごく緊張してて、でも笑顔が可愛くて。なんとなく、気になってたから」
少しの間、扇を持ったまま、何も言わなかった。
扇は開いていない。手の中で、閉じたまま持っていた。
ソフィーは利益のない行動をした。見返りのない調査を、自分の感情だけで行った。それは——非合理的だ。しかし私は今、その非合理的な行動によって有益な情報を得ている。……これは、どう分類すればいいのか。
扇の握りが、少し強くなっていた。
分類できない、という答えは、これまでの経験にない。グロワール家の偽の宝石は、真贋の問いに分類できた。マルタン男爵の書類は、物証の問いに分類できた。分類できないことは、扱えないことと同じではない。しかし分類できないまま先に進むことに、こんなに抵抗を感じたことはなかった。
ソフィーは話を続けていた。侍女の名前のこと、連絡の取り方のこと、昨日までの状況のこと。それを聞きながら、握りの強さに気づいた。気づいてから、ゆっくりと緩めた。ソフィーは話しながら窓の方を見ていたので、気づかなかった。
「部屋に閉じ込められているが病気ではない」という情報が、今日の時点で確実になった。
これは夫人の嘘と組み合わせると、一つの像を結ぶ。フォンテーヌ家は娘を自発的に欠席させているのではない。外から見えない形で、娘を隔離している。そして夫人がその事実を「体調不良」という言葉で覆っている。
しかし「なぜ」の部分が、まだない。
隔離の理由が二つの方向で考えられる。一つは、マルグリット自身が何かをした。もう一つは、マルグリット自身が何かを知っている。前者なら、隔離は罰だ。後者なら、隔離は口封じだ。どちらも親が娘を閉じ込める理由になる。
どちらかを確かめるには、まずフォンテーヌ家の外から近づける情報源が必要だ。
「隔離」という事実を知っている人間が、フォンテーヌ家の内側に少なくとも一人いる。ソフィーの友人である侍女だ。しかし侍女に再度接触するのは、ソフィーを使うことになる。今は、ソフィーの情報源を保護しておいた方がいい。次の接触は、もう少し手がかりが揃ってからにする。
婚約者だ。
ジュール・ド・ランベール。婚約者の態度が、今の段階で一番答えに近い位置にある。婚約者が本当に「心配している」なら、そこにはある種の情報が隠れていない。婚約者が「心配している」と言いながら実際には違うとすれば、婚約者もこの隔離に関わっている側だ。
「ソフィー。一つお願いがあります」
話の途中だったソフィーが顔を上げた。
「明日、白廊へ行くつもりです。ランベール子爵家のジュール様が白廊に出入りしていることを確認しました。あなたに、彼に話しかけてもらえますか?」
「どんなふうに?」
「マルグリット様のご様子が心配で、とだけ言えばいい。それ以上は必要ありません。私はその少し後ろで聞いています」
ソフィーが少し首を傾けた。
「つまり、私がおとりになるってこと?」
「ランベール様の様子を見たいのです。話しかけ役というより、観察のための位置を作る役と言う方が正確です」
ソフィーが頷いた。特に躊躇わなかった。「わかった」とだけ言った。
その「わかった」の速さに、少し注意を向けた。断られることを想定していたわけではない。ただ、あの速さは、理由を聞く前に動ける速さだと思った。
目的を尋ねなかった。どう使われるかを尋ねなかった。「マルグリットのことだから」とも言わなかった。「わかった」の一言に、それら全部が収まっていた。
その事実を、今は整理しないことにした。言葉が、まだない。
ソフィーが帰った後、応接間に一人で残った。
光の四角がカーテンの位置から少しずれていた。時間が経っている。
ソフィーが来てから、どのくらい経ったのか。計っていなかった。昼前に来て、昼を少し過ぎたくらいだと思う。それだけの時間を、整理でも計算でもない何かに使った。珍しいことだ。
扇を開いた。何も見る対象がない部屋で開いても、何も見えない。ただ開いて、それから閉じた。
次の問いは婚約者の態度だ。
白廊の石の床と、春の光の角度を考えた。明日の昼、どの位置に立てばいい観察点になるか。侯爵夫人を見たときと同じ難しさが白廊にもある。違うのは、夜会の琥珀色の光と夜会の音楽がなく、白廊には石の静けさがある、という点だ。喧騒がない分、集中しやすい。しかし見られやすくもある。
ソフィーに話しかけ役を頼んだのは、別の理由もある。
婚約者に接触するとき、単独で近づけばヴォワール家の名前が直接出る。この段階ではまだヴォワール家がフォンテーヌ家の件に関心を持っていることを知られるべきではない。ソフィーを経由すれば、それが「令嬢同士の心配」という形になる。不自然ではない。
利用している、という言葉が一瞬浮かんだ。
浮かんで、消えた。
翌日、白廊へ行く。ソフィーに話しかけ役を頼んだ。




