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それから急いでユリウス先生について調べた。
ユリウス・フォン・バートライト。
国王陛下の同腹の弟であり、王太子の叔父。
年齢は二十二歳。国王陛下との年の差は十八歳。
今年十六歳になる王太子との年齢が近いため、王位継承で問題が起きぬよう、王太子が立太子した際に王位継承権を放棄。
その後学園の理事長に就任し、今に至る。
「まじか⋯⋯」
改めて報告書を読んだ私は、思わず独り言ちた。
今ここには誰もいない。だから多少の言葉遣いの乱れは見逃してほしい。
「いや、ほんと。これで攻略対象じゃないとかあり得る?」
夜な夜なユリウスルートを探していた日々を思い出す。
あの頃は毎日が寝不足だった。
つかの間の癒しを求めていたはずなのに、寝不足など本末転倒である。⋯⋯まぁ寝不足は自業自得ではあるんだけどさ。
無理なのは分かっているが、運営にはユリウスルートを追加しろと抗議したい気持ちでいっぱいだ。
「ああ、もう! どうしよう⋯⋯」
報告書をバサリと放り投げ、ベッドの上でバタバタと悶えた。
「明日がお茶会なのに、全然眠れない⋯⋯!」
そうなのだ。なんだかんだとあっという間に時間は流れ、明日がお茶会当日。
明日のために早く寝なくてはいけないのに、緊張からか眠れずにいた。
「ううっ⋯⋯ちゃんと話せるかな⋯⋯」
招待状をもらってからも、ユリウス先生はいつも通り学食に来ていたので、普通に話はした。
しかしそれができたのは学食という場で、かつそこの責任者と先生として対面していたから。
それが明日のお茶会はプライベートな時間に、推しと二人きり⋯⋯。想像しただけで緊張する。
それにいまだにあの日の囁きが忘れられない。
『もっと君のことを知りたいんだ』
「ぐふっ!⋯⋯思い出しただけでやばい」
前世も合わせた私より、ユリウス先生は全然年下なのにあの色気。反則すぎるでしょ。
これじゃあ女子生徒がみんなユリウス先生に惚れちゃうなんてことも⋯⋯
「っ、それはダメ!」
ユリウス先生の一番のファンは私だ。その座は絶対に誰にも譲りたくない。
じゃあそのために今するべきことはなにか。
それは、明日のお茶会に向けてしっかりと休むこと。
寝不足で隈まで作って推しに会いに行くのだけは絶対にあってはならない。
「よし、寝るぞ!」
それから私は羊を一一二七匹数えたところで、ようやく眠りについたのであった。




