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第4話:現状把握

おかしい...物語も書いていたはずだ。

なぜ4話目にして解説パートみたくなっているんだ?

現在地がわからない。

目覚めた場所は大きな湖を花畑が囲っている幻想的な場所だ。

そしてその周りには森しかない。

地図は持っておらず、視界は通りにくい夜ときた。

まあ、湖越えるの無理なので進む方向は森側一択で良さそうだが……。

最寄りの街がどこかくらい知りたいってものだ。


「とりあえず、歩くか……。」


夜間の行動は本来危険とされているが、長所もある。

魔物だ。

魔物は日中に行動していることが多くまた、凶暴な性格がほとんどだ。獲物と判断したり、縄張りに入ってきた奴を攻撃する。

しかし、夜は寝ていることが多い。

もちろん夜行性の魔物もいる。

それでも今回の様に戦闘を極力避けたい時には有用だ。

装備も心許ないし、今の俺が何処まで戦えるか分からないからだ。

リンについても同様だ。さっきは魔法を使用していたが、実際どんなことが出来るかわからない。

誤射や連携ミスなどあったら大変だ。

何より防具が危ない。身にまとっているのはコート1枚のみだ。


「なぁ、リンってさっき言ってた…魔装だっけか? あれ今も使えるのか?」


移動しながら、出来ることを確認していく。


「ううん…使えない。多分、今の僕はもう瘴気を扱うことが出来ないと思う。」


それもそうか。使えたら自前で服くらいなんとかしてるか。


「他にも確認させてくれ。今はどんな魔法が使えるんだ?」


リフレクトシールドが使えることはわかってる。

攻撃系があれば理想だが…。

しばらくしてリンは答えた。


「わからない…。」

「わからない?」

「うん。正直さっきの魔法もどうやったのかわからないんだ。」


・・・どういうことだ?

魔法は魔力を消費してイメージすることで発動する。

またイメージが欠けると不発する。

リフレクト系はその名の通り、跳ね返す力をイメージする。

となると…。


「無意識に使えたのか?」

「うん。」

「心話もか?」

「心話?」


そういや心話についてリンに説明していなかったな。

時間もあることだし、少し詳しく教えるか。


まず前提としてこの世界にはクラスという概念がある。

10歳になると【選定の儀】を受けることができ、そこで知ることが出来る。

簡単に言うと職業適性に近いな。

クラス︰戦士の場合、近距離戦闘での能力が向上しやすい。

クラス︰魔術師の場合、魔力量が増えやすい。

また、クラスごとに得られる恩恵が異なる。

…といった感じだ。

とはいえ、あくまで適性だ。

剣士でも魔術を鍛錬し、魔剣士になってる人もいる。

騎士で商人をやっている人もいた。

なんなら適正なしとか言われてても魔術学院の先生やってる人もいた。

努力次第でいくらでも変われる。

クラス=その人の人生というわけではないのだ。

しかし、例外もある。


勇者だ。


クラス︰勇者は世界を救う運命を与えられる。

変わりに様々な特殊能力が扱えるようになる。


さて、話を戻して改めて心話について解説しよう。

心話とは、魂の勇者固有の魔法だ。

相手の魂に魔力のパスを繋ぐことで声を聞くことができる。

双方の合意があれば会話することだって出来る。

ちなみに、一方的な接続は一時的に声を聞くことしかできない。


「……つまり、声を口に出さなくても会話出来る魔法だ。」

「・・・てことは、僕の声はずっと漏れてたってこと?」

「そうなるな。」

「い、いつから?」

「決戦の時から?」

「・・・すごい、恥ずかしい気がする。」


おかげで救えたんやぞ?とは言わない。

そういや、俺の今のクラスってなんだ?勇者のままなのか?

街に着いたら調べてもらうか…。リンも一緒にやってもらおう。

ちなみに選定の儀は10歳超えていれば、何時でも受けれる。

稀にクラスが変わっていたり、増えていたりすることもある。


しかしなんで声が聞こえてるんだろ?

パスを繋げた覚えもなければ合意を得た記憶もないぞ?なんで繋がってるんだ?


あ、魂同化してるから…?

同じ魂なら許可もいらないってこと?


「プライバシー筒抜けじゃねぇか…。」


このままだといつか絶対やらかすぞ?


ふと気づく。

心話を使う条件は繋がったパスに魔力を流すことだ。

魔法同様に自然に使えてしまっているとなると...

もしかして無意識に魔力が漏れ出ているのか?

それはそれで結構危ないぞ?

気付かない内に、魔力切れなどを起こしてしまったら大変だ。

気分が悪くなったり、気絶して倒れてしまったりする。

そして魔力漏れを矯正するのは結構難しい。

一般的には魔導具などを身に着けて補助する。

結構高いんだよな…あれ。作れないかな?


もう一個質問をする。


「魔術は?」

「魔術って何?」


魔術を知らない?

聞こうと思ったがリンが俯きながら、


「ごめん。僕は世界を知らなすぎるね…。」

「もし魔物とかと戦闘になったら、僕に出来ることはないと思う。」


まずい...自虐的になってしまった。質問しすぎたか?


「ずっと魔王としてしか生きてこれなかったんだ。しょうがないさ。だから謝る必要なんてないんだぞ?」


急いでフォローはしたが、リンは下を向いたままになってしまった。

いい感じに会話できていたと思ったのに......。

これ以上のいい言葉が思いつかなかった自分が情けない。

Topic :魂の勇者能力

魂の勇者の能力には「心」や「魂」といった文字がつくことが多いです。

今回の【心話】も該当します。

本作品では「口に出たセリフ」『心話による声』と分けて書いております。

これまでの『』は心話による声となります。

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